2021年6月5日(土)東京・GENスポーツパレス『Krush-EX 2021 vol.3』の前日計量が、4日(金)都内にて13:00より行われた。
今大会では女子によるシビアなサバイバルマッチが3試合組まれた。セミファイナル(第8試合)のKrush女子アトム級2分3Rで対戦する、チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)は44.9kg、紗依茄(=らいか/月心会チーム侍)は44.4kgで計量をパス。
29歳のチャン・リーは“戦う幼稚園の美人先生”として注目を集めたが、2019年3月に6年間務めていた幼稚園を辞めて格闘技一本の生活に。2018年9月の『KHAOS.6』からK-1 JAPAN GROUPの大会に初参戦、女子アトム級の主力選手として活躍してきたが、2戦目で菅原美優(現王者)、第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント準決勝ではMOE、そして今年2月にはNOZOMIと新世代たちには敗れている。戦績は4勝6敗1分。
紗依茄は16歳のJKファイターで、ジュニアで6冠王、第9回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝の成績をあげ、今年1月にプロデビュー。ジュニア時代から積み上げてきた卓越したテクニックでAIKOから勝利を収めた。
計量後の紗依茄は「2戦目にしてキャリアのある選手と戦えて光栄です」と言い、リーについては「上手くて奇麗に戦う選手で圧をかけてくるタイプ」と評し、「たぶん威力とかスピードとか全部いるので、それの練習をしてきました」と全ての面を強化してきたという。
すでにK-1で活躍しているNOZOMI(TAD=3勝1敗)とは幼い頃から互いを知る仲であり、同じ学校にも通っている。ジュニアでは階級が違ったため対戦経験はなかったが、プロでは同じ女子アトム級となったため今後対戦する可能性もある。
「(NOZOMIに)先を行かれたので悔しい部分もありますが、一戦一戦積み重ねていって私が無敗のままKrushとK-1の王者になります」と、今から追いつき追い越せの姿勢だ。
NOZOMIとリーはNOZOMIが3戦目で対戦し、判定勝ちしている。紗依茄は「特に意識はしていませんが、(NOZOMIは)判定で勝っているので私はKOで倒してやるつもりです」と、NOZOMI以上の勝ち方をすると宣言した。
一方、リーは「上手に戦う選手ですね。わちゃわちゃとガンガン行くタイプではなくて、考えていくスタイル。デビュー戦を見てそう思いました」と紗依茄を評し、「またJKか、って感じです(笑)。JKの踏み台になるつもりもないし、若い子が出てきて盛り上がるのはいいことだけれど、それは私の人生には関係ない。明日は相手どうこうではなく自分に勝ちます。自分との戦いです」と、NOZOMIに続いて追い越させることはしないとの決意を話す。
「NOZOMI選手とスタイルが似ている感じがしますが、1回それも経験しているし、前回の反省を踏まえて練習もしてきたので、前とは変わった姿を見せたいのもあるし、自分がどれだけ成長したか。自分自身も楽しみたいです」と、前回と同じ轍は踏まないとする。
紗依茄もNOZOMIと同じくステップを使ってくる可能性があるが、「今回は対応できます。自信しかないです」ときっぱり。「前に負けた選手がいまK-1で活躍しているので正直悔しい。私も絶対その位置に行きたい。やり返したいです」と負けず嫌いぶりを発揮。
今回、リーが“変わった”と思うのは「戦っている時の感覚」だという。
「技術とかではなく、分かりやすく言うと心の整理がつきました。脳の引き出しが増えた感じ。気持ちの部分なんですが、それが今回の練習で身に付いた感覚があります。今までも自分を出せればと思っていましたが、今までは自分の出し方を勘違いしていたところもあったので、そこの違いがはっきり練習中に出たので明日はそこをリングの上で出します」と、新たに身に付いた感覚で再起を目指す。