2009年12月に初対戦して以来、3度対戦している卜部(左)と大沢が4度目の対戦
2021年2021年7月17日(土)福岡国際センター『ECO信頼サービス株式会社PRESENTS K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~ライト級タイトルマッチ』の記者会見が6月2日(水)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで、第2代K-1 WORLD GPライト級&初代スーパー・フェザー級王者・卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)が対戦。
卜部は2009年3月にプロデビューし、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japanトーナメントで準優勝。2015年1月にはトーナメントを制覇してK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級初代王座を獲得。2016年にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント優勝、2018年3月にはK-1 WORLD GPライト級王座を奪取して2階級制覇を達成した。
高度なディフェンステクニックとカウンターテクニックを持ち、国内外の名だたる強豪を次々と撃破。長くトップに君臨していたが、2019年3月に後輩でもある林健太に敗れ、ライト級王座を奪われた。2019年7月に再起戦を行うもジュー・シュアイにまさかの初回55秒KO負け。引退をにおわす発言もしていたが、2020年9月に約1年2カ月ぶりに復帰し、2連勝中。戦績は51勝(13KO)10敗。
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手で、2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、今年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出した。戦績は26勝(3KO)18敗3分。
両者は2009年12月に初対戦(卜部のKO勝ち)して以来、2013年3月(大沢の反則勝ち)、2013年6月(卜部の判定勝ち)と過去3度対戦している。
いつになく神妙な表情の大沢は「マネージャーから電話をもらって、相手が卜部選手だと言われた時に大人数で遊んでいたんですが一気に冷めて。やると即答したんですが家に帰ってずっと考えていて。たぶん僕が、卜部選手の試合は日本の格闘家でダントツで一番見ていると思います。試合をする前から好きな選手で。初KO負けした時もずっと好き。めちゃリスペクトしていて尊敬していますが、胸を借りるつもりはない。タイトルマッチよりもどの試合よりも昂っています」とアツい想いを口にする。
それに対して卜部は「復帰3戦目なのでベストな状態で仕上げて、最高のパフォーマンスができればと思っています。どの試合も僕は全力でやるだけで、リングの上に感情は持ってこないので戦略とやってきたことをぶつけるだけです」とクールそのもの。
大沢は卜部の魅力を「パーフェクト。パンチも蹴りもできる。アウトボクシングもできる。前に出てファイターもできる何でもできる選手。僕の中ではK-1のパウンド・フォー・パウンドだと思っています」と最高級の評価。卜部は「ずっと評価していただいて嬉しいですね。対戦したのは結構前なので、その時のイメージはもう持ってないです。一発目で戦うような考え方でいます。もちろん切れるパンチも持っているので倒される可能性もありますし、緊張感があって試合に臨もうと思っています」と評価する。
大沢は「最初に試合をしたのは新宿FACE、2度目と3度目は後楽園ホール。過去3度がKrushで4度目がK-1。他の選手は勘違いしていますが、どんな会場であろうがリングの大きさは変わらないので自分はどこでも戦う。大きい舞台とかは関係ない。どこでも戦う」と、過去3回と変わることはないという。一方の卜部は「それを踏まえると感慨深いですね。FACEからスタートしてお互い年を取ったので、だいぶキャリアも長くなってきたので戦い方も変わって。今度は次の世代にインパクトを与えられるような試合ができたらと思います。30歳を越えて、何か残せたらなと思います」とベテランらしいコメント。
ずっと卜部の試合を見ていたという大沢だが、それは対戦相手として研究のため見ていたのかと聞くと「いつも追いかけていた選手なので欠かさず見ないといけないと思っていました。攻略法…そういう面でも見ていましたが、ジャブ、ストレート、カウンターなどいいところを自分に取り入れようと思って見ていました」と、自分の参考にしようとして見ていたという。
そんな卜部を見続けてきた大沢から見て、復帰後の卜部はどう映ったのか。
「こんなこと言ったらアレですが、卜部選手のことをdisるわけじゃないですが、周りに言われるのは前ほどの強さはないでしょ、と言われます。正直。でも僕はそんなことは思っていなくて、復帰して会場で見て。一個前の試合も見ましたが、全然落ちていると思わないです。でもずっと昔から見ていて、当たるならこのパンチだなって。初めて戦った10年前からそれは変わらないです」と、卜部の強さは以前と変わらないが、攻略できるパンチも変わっていないと答えた。
その評価を聞いた卜部は「自分ではちょっと落ちている部分はあります(苦笑)。でもそれは経験でカバーできる。バランスで考えればいいと思っています。体力とかが落ちても、自然とバランスが取れていい感じだって感じがしますし、悲観的に思ってないです。練習環境も整ったので、いい状態を見せられると思います。期待して欲しいです」と、今が一番バランスがいいと微笑んだ。
▼スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R
江川優生(POWER OF DREAM)
大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
▼スーパーファイト K-1クルーザー級 3分3R延長1R
K-Jee(K-1ジム福岡チームbigineing)
愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
▼スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R
卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
▼スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R
和島大海(月心会チーム侍)
アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)
▼スーパーファイト K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R
高梨Knuckle美穂(Y'D GYM)
MARI(ナックルズジム)
▼スーパーファイト K-1女子アトム級 3分3R延長1R
山田真子(KINGS)
NOZOMI(T.A.D)
▼スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R
高橋直輝(若獅子会館)
寺田 匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)