2021年6月13日(日)に東京ドームで開催される「Yogibo presents RIZIN.28」の記者会見後の囲み取材で、榊原信行CEOが、シュートボクシング女子フライ級王者・RENA(シーザージム)の参戦が見送られることを明かした。
2020年9月のRIZINでファイターとしての最終章を語っていたRENAは、次戦に向け、これまでのAACCに加え、BRAVE GYM、横浜グランドスラムでの出稽古の模様もアップしていた。
「ほんとうはRENAの試合を組みたかったんです」
榊原CEOは会見後、苦渋の表情でRENAの東京ドームでの試合が組めなかったことを語った。
「RENA選手はSNSでの発信も見ていて、RENAとも話して、この悲願の東京ドームで総合格闘技では18年ぶり、総合ってことにこだわらなくても、『K-1 WORLD GP 2006』以来14年半ぶりですよ。ということは、大半のひとはドームで格闘技を見たことがないですよね。その中で女子で総合格闘技でドームで試合したってほぼないと思います(※2002年8月「UFO LEGEND」で女子エキシビションマッチを実施)。歴史を刻む上でも、僕はRENAに出てほしかったし、出てこれるように僕らも全力でやりました」と、RENAの最終章に向けて、試合を組むべく進んでいたという。
しかし、「RENAもそれに向けて本当に全力で取り組んでいたけど、女子の選手層が薄いのと、海外からトフィック・ムサエフ、ヴガール・ケラモフはずっと以前から準備していろんな形でトライをしたことで入国が成り立ったけど、海外選手をパッと呼べるような状況には今ないので、海外勢でマッチメイクすることも難しかった。
国内で地上波ゴールデンで、RENAと向こうを張って戦える選手というと、相手方の都合もあるし(組めなかった)。ここも僕らの力不足も含めて、RENAに今回はそういう機会を与えてあげられなかったです。調整がつかなかったところで残念ではあるんですけど、今回は女子の試合はないです」と、全10試合程度が予定される今大会で、国内外でRENAの対戦相手をリストアップしたものの、相応しい相手を用意することができなかったと明かした。
「次の機会」というドームでの格闘技は「6.13」以降も続くのか。そこには、ドームならではのプロダクションコストが重くのしかかるという。
「いつかまた近い将来、東京ドームでやれる機会が──まあこれが定期的にやれるとはとても言えないんで──コロナ禍でいろんなあやが重なって、いまの格闘技界で5万人いれられるかっていうと、平常時でよほどのビッグマッチじゃないと難しいと思う。逆に言えば、初期のK-1やPRIDEの頃は、よくこれだけの会場で、これだけの経費をかけて、格闘技をやっていたなと思います。その頃の、自分たちもそうだけど、たいしたもんだなと。
むっちゃ金がかかるんですよ、ドームって借りるだけで。演出をするのにも、あそこはエアドームだから、上から音響とか照明がつれないから櫓を組む。直近だと新日本プロレスさんを見てもらえば分かるけど、そういったすべてのプロダクションコストも他の会場とは比べものにならないくらいかかるんです。
だけど、それはそれでなかなか見る機会がないから、今回の東京ドームでの6月13日は、会場で見るファンには楽しんでもらいたいですし、チケットが入手できなかったファンにはライブでいろんなかたちで見て欲しいです。もしかしたら、ここからまた(ドーム興行は)10何年間の眠りにつくかもしれない。だから次ドームでやる機会があれば、そこに女子選手は出てきてほしいし、直近で機会があればRENAにも出てきて欲しいと思います」
果たしてRENAのファイナルロードは、いつになるか。RENAは「確実に強くなってリングに戻る」とSNSで宣言している。