2021年7月18日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.3』の全対戦カード発表記者会見が、6月1日(火)都内にて行われた。
スーパーファイトのKNOCK OUT-RED -57.0kg契約3分3R延長1Rで、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)とWBCムエタイ日本統一フェザー級王者・大田拓真(振興ムエタイジム)が対戦。
小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得、2015年7月にはREBELS52.5kg級王座も手にした。2016年6月には那須川天心挑戦者決定トーナメントの決勝へ進出するも村越優汰にTKO負け。2017年9月、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座を獲得。2021年3月にはトーナメントを制してKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者となった。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は37勝(19KO)6敗1分。
大田はNJKF所属で2019年は5戦全勝、S1ジャパントーナメントも制すなど飛躍の年となったが、2020年は2月大会でバンラングーンに判定負けして黒星スタート。しかし、9月にWBCムエタイ王座の防衛に成功した。今年1月にはRISEに初参戦し、RISEフェザー級王者・工藤政英に判定で敗れている。戦績は19勝(5KO)6敗。
今回がKNOCK OUT初参戦となる大田は「いきなり初参戦で王者とやらせていただくことになりました。凄く強い選手なので、しっかり練習して勝ちたいと思います」とコメント。迎え撃つ小笠原は「王者になってから第一戦目ということで。3月の試合が終わった後に、来年頭くらいにビッグマッチをやりたいと話していますが、僕がKNOCK OUTの顔になってそのビッグマッチに向かっていかないといけない。そのために一戦一戦を確実に落としてはいけないと思っています。7月まで時間があるので、しっかり作り込んで来年頭にビッグマッチをやれるように進んでいきたい」と必勝を宣言。
互いの印象を聞かれると、大田は「小笠原選手は前からKNOCK OUTを見ていて動画も見ていたので、いずれやりたいと思っていました。スピードが速く、パンチも蹴りもできて全て凄い選手だと思っているので全部警戒しています」と高い評価。小笠原も「対戦が決まって映像を何試合か見ました。ムエタイベースで基本が出来ていて、ヒジもヒザもパンチもできている。甘い試合だとは思っていません」と強敵として認識。
老舗キックボクシング団体NJKFから乗り込む形となる大田は「NJKFの代表としてではないですが、NJKFを引っ張っていきたいと思っているので、他団体に出させてもらって他団体王者を倒していきたいと思っています」と、NJKFの名をあげていきたいとする。
今回はフェザー級(-57.75kg)の大田に合わせる形で、本来のスーパーバンタム級(-55.0kg)より2kg重い57.0kg契約に挑む小笠原。「体重としては55kgが自分のベスト。ただ55kgでKNOCK OUTの中で相手を探すのは難しいというのがあるので。階級を上げるわけではなく、普段の動けるベストの体重があるので、その一番動けるベストな体重で試合をします」と、無理やり57.0kgに上げることはないとした。
大田は「KNOCK OUTは凄い団体なので、自分も小笠原選手に勝って、タイトルマッチをやらせていただけたらと思います」とKNOCK OUTフェザー級のタイトルも狙っていきたいとする。さらに「ずっとムエタイベースでやってきているので、KNOCK OUTは首相撲を使う選手がいなくて自分は得意なので首相撲の凄い選手がいるなってところを見せたい」と、首相撲の凄さを見せるという。
これに小笠原は「僕も首相撲が得意です。最近は首相撲を使う試合がなかったですが、元々は首相撲で塩漬けの試合して倒せないファイターだったので(笑)。元ムエタイ選手が先生なので、そういった展開で新しく見せられたら面白いかも。首相撲ありのルールが少なくなっていて、REDはそこで差別化されたルールなので、首相撲の展開でヒジ、ヒザで倒せたら。この2人ならそれができるんじゃないかと。そこにも注目して欲しいと思います」と、首相撲勝負は望むところだと自信を見せた。
この機会にREDルールの魅力を伝えたいという考えかと聞かれると、「BLACKの方がパンチでのKOが目立っている部分はありますが、ヒジ打ちをはじめ使える技はREDの方が多いので、倒せる確率はBLACKだから多いわけじゃない。REDはレベルが高ければ倒せる技が多い。僕がしっかり倒していけばREDルールの試合に注目される機会が増えるので、全てを使って芸術的な試合ができたらなと思います」と意気込む。
目標とする来年頭のビッグマッチに関しては「上の階級ですが内容が問われると思っているし、僕が格上とやれる機会は少ないと思っているので、勝つことは当たり前の中でどう勝つか。分かりやすいのはKO。今後はビッグマッチへ向けて一戦一戦落とせない試合が続くし、確実な存在として内容が伴って勝っていくことが大切なこと」と、内容が伴った試合をして勝つことがそこへつながると話した。
また、フェザー級に近い体重で試合をすることで、快進撃を続けているKNOCK OUT-REDフェザー級王者・安本晴翔(橋本道場)との一戦も見据えているのかと問われると「僕の体重ベストは55kgなので、55kgでやるのがベストです。ただ、今後の相手というところでは近い階級なのでそこが交わるところがあるとは思っています。安本選手がどこまで落としてくれるか。2人が絡むのが面白いと思うし、KNOCK OUTを大きくするためにはそういう戦いも必要になってくると思うので、それも視野に入れていきたい」とした。
最後に、大田は「この試合で僕のことをたくさんの人に知ってもらえたらと思っています。いつも応援してくれる方々には、久しぶりの試合で応援お願いします」とアピールしたいと言い、小笠原は「来年頭のビッグマッチへ向けて、KNOCK OUTにいい選手が揃ってきているので、そこへ向けて力を入れていきたい」とKNOCK OUTをけん引するリーダーらしい言葉で締めくくった。