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【RIZIN】榊原CEO、那須川天心vs.武尊は「これほどのドリームカードが緊急事態宣言下じゃなくて良かったのかもしれない」「運命のあやで実現しないかもしれない」「皆で一つのモノを作り出せるか挑戦」

2021/06/01 18:06
 2021年6月13日(日)に東京ドームで開催される「Yogibo presents RIZIN.28」の記者会見後の囲み取材で、榊原信行CEOが、那須川天心と武尊の対戦について、「どれだけみんなでひとつのモノを作り出せるかということへの挑戦になる」と調整の努力が必要と訴えつつ、「このまま実現しないかもしれない」と語った。  会見冒頭で、当初この6月13日の東京ドーム大会は、「那須川天心vs.武尊をRIZIN、K-1、RISEの共同の別イベントで世紀の一戦を実現できればいいなと年明けから進めていました」と、那須川vs武尊戦のために抑えていたことを明らかにしていた榊原CEO。  会見後の囲み取材では、那須川天心が自身のYouTubeチャンネルで「東京ドームで1vs.3の真剣勝負やる」「1人3分ずつで3Rの対戦相手を募集」する動画をアップしたことを聞き、以下のように悩める状況を語った。 「もちろんそういう話を話してたんだけど、決めたんだね。いろんな話を天心とはしてたんですよ。1カ月以上、『6.13 誰とやる?』って。あの天心がSNSとかで一時“みんな逃げやがって”みたいな感じ(※「僕と試合をしたいと言った人、片っ端からオファーしていますが全員断られました。やる気の無い人は俺の名前出さないでください。格闘家という名前を借りて嘘をつくのをやめてください」「55キロ RISEルール」)でツイートして、実際みんな逃げちゃった。口説けないというか、まあ僕の力不足です。言い出すとキリがないけど、天心がモチベーションを持って東京ドームで戦うべき相手がいない」  ボクシング転向を表明し、実質4試合とも3試合ともいわれる那須川のキックボクシングの試合。榊原CEOは、「RISEさんとも相談することを想定すると、天心に残されたキックの試合はあと4試合くらいですよ。本人はもうボクシングへ行くって言ってるわけだから。そういうなかで何人も次のキックの時代を切り拓いていってほしいと思う選手に、RISEさんもそうだし、RIZINとしてもオファーをして、過去に天心の名前を出してた選手に、十分なトレーニングや準備期間があるなかでオファーしたけど、『ちょっと無理です、できません』、ずっと迷って迷って2週間とか引っ張られて『やれません』という結果でした。僕らも残念だし、普通に考えたらこんなチャンスないじゃないですか。もちろん選手で、競技者であって勝ちにこだわっていくんですけど、アマチュアじゃないんだから、東京ドームっていう18年ぶりの舞台があって、ゴールデンタイムに地上波で天心の試合になったら間違いなく放送されますよ。  キックボクサーで、那須川天心の名前以上に、同じような格にあるっていうと武尊選手以外、数多のその他の選手でなにか気を吐いたことは……キック界の人たち、総合格闘家も含め、勝ち負けはもちろん、準備が整う・整わない含めて、やっぱりこう、プロとしての感性、嗅覚をもって進み出てほしい。じゃなかったらアマチュアの試合をしておけばいい話で、プロとしてこの時代を築いて切り拓いていきたいと思ったら、やってほしいっていうことです……まあ、段々、腹が立ってきてしまうんだけど」と、今回の対戦相手選考に苦しんだことを明かした。  その上で、今回は那須川の提案を受け入れる考えだ。 「たぶん天心もそういうフラストレーションが溜まってたんでしょう。東京ドームという舞台で、一番本人がワクワクしてモチベーションを持ってやれるかというところで言うと、ストレートなキックボクシングのルールで3分3R戦うような選手を国内で選ばなきゃいけない。それが見当たらないんです。  そういう状況で、天心としては、ひとつのアイデアとして“だったら誰もやってないチャレンジがしたい”と。“1日で3試合やります”と。1R3分で1人ずつ、真剣勝負で計3Rを3人と戦う。1試合目、2試合目、3試合目、みんなフレッシュな状態で3人がほんとうに真剣に天心を倒しにいく、天心も真剣にそれを倒しにいくってことが、成り立つんなら……。  ルールを少し変えるとゲーム的なもので遊びっぽく見えちゃうから、それは嫌だよねっていうなかで、天心チームがそれで決めたんであれば、僕らもそれに乗っかって、あとは誰がその戦う3人になるかを相談をして決めましょう、と。本人が“やる”ってことで決めてくれたんであれば、6月13日は天心の試合も実施します。詳細は追ってリリースします」  今回の東京ドームでは実現しなかった那須川天心vs.武尊のドリームカードはスケジュールの組み直しとなるのか。 「どうなんですかねえ。もちろんドリームカードだし、両陣営やってもいい、という思いは持ってはくれていると思うんですけど、当然そのタイミングと……いろんな総論としてはみんな実現させて、天心も武尊選手も『やってもいいよ』『やりたいよ』という、その温度さはあるのかもしれんけど、実現させたいということで、いったんは『6.13』で準備なりが整っていた。でも……今思うと、これほどのドリームカードが、いまの緊急事態宣言下の6.13じゃなくて、よかったのかもしれないです」と榊原CEOは、6月に実現しなかったことを前向きにとらえつつも、不安も隠さなかった。 「まあ、これがほんとうに運命のあやで、このまま実現しないかもしれない。ここはやっぱりファンの皆さんや、やっぱり関係各位の、このカードを実現させたいって思う気持ち。そのなかで、自分たちをどこまで律していけるか、まあ自分たちのエゴをどこまで抑えて、みんなでひとつのモノを作り出せるかということへの挑戦が、もちろん僕らも間に入って、中立なものが築けるように努力はしたいと思っています」──果たして、那須川天心vs.武尊は実現するか。
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