生まれも育ちも日本のブハリ亜輝留。K-1に新たな階級を作る活躍を見せることができるか (C)K-1
2021年5月30日(日)神奈川・横浜武道館『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~K-1バンタム級日本最強決定トーナメント~』にて、スーパーファイトの-75kg契約3分3R延長1Rで神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)と対戦するブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)のインタビューが主催者を通じて届いた。
ブハリは3勝(3KO)1分の戦績を持ち、ガソリンスタンドを経営する戦う代表取締役社長。2020年8月にKrushでK-1 JAPAN GROUP初参戦するはずだったが、体重超過のため中止となり、2020年12月の『BOM』にてWMC日本ミドル級王座決定戦を争ったがドロー。今年2月の『Krush-EX』で夜叉猿をパンチの連打で初回KOに沈め、大きなインパクトを残した。K-1には今回が初出場。
アメリカでガソリンスタンドの会社を経営していました
――K-1参戦が決まった時の心境は?
「前回Krush-EXに参戦させていただいて、1RKOした後にリングの上で『俺はEXレベルの選手じゃない』って宣言したんで、それを早速叶えてくれてとても嬉しかったです」
――K-1初参戦ということでブハリ選手の経歴についても聞かせてください。
「父がパキスタン人で母が日本人、生まれも育ちも日本です」
――格闘技を始めたきっかけはなんだったのですか?
「中学1年生の時にテレビでK-1をやっていて、バダ・ハリの試合を見て、自分も(格闘技を)やってみたいと思いました。最初はボクシングとキックボクシングの違いもそこまでわかってなくて、中学の通学路にあったボクシングジムに入門しました。そこから3年間ボクシングを続けて、高校に進学した後、キックボクシングに転向して、19歳までキックボクシングやってましたね。格闘技はそこで一旦辞めました」
――格闘技を始めるまで何かスポーツはやっていましたか?
「サッカーとか野球とか一通りやりましたね。でも球技が個人的に楽しくないというか、もっとぶつかり合うスポーツのほうがいいなと思って。そう思っている時にテレビでK-1を見たので、そのままのめり込んでいきましたね」
――ブハリ選手はアメリカに住んでいたこともあるそうですね。
「はい。大学を卒業して、父や親族と一緒にアメリカでガソリンスタンドの会社を経営していました。僕は国籍が日本なのでアメリカのビザを取らないといけないんですけど、25歳の時、当時のアメリカ政権の方針で長期のビザの更新が難しくなって、一回日本に帰ってきたんです。その時、ビザの更新を待っている間にやることがないなと思って、6年ぶりにウィラサクレック幕張に入門して、今に至るという状況ですね」
(写真)大振りではなくコンパクトに連打をまとめるブハリ
――ウィラサクレックジムを選んだ理由は?
「今の格闘技ジムは細かく時間割やクラスやタイムテーブルが分かれているジムがほとんどだと思うんですけど、ウィラサクレック幕張は一日中フリーでいつ行ってもミットを持ってもらえるということだったので、(ウィラサクレック幕張を)選びました。それで初めてタイ人の先生が持つミットにワンツーを打ち込んだ瞬間、『君、プロ?』みたいに聞かれて(笑)。『プロじゃないです』って言ったら、『プロになれる!もったいない!』と言われて、3カ月後にプロデビューさせられました(笑)。6年間ブランクがあったのに、3カ月だけ練習してデビューしたんですけど、10代の時にずっと格闘技をやっていて、その時に培ったものが大きかったのだと思います。ジムに入った当初はすぐにアメリカに帰れると思っていたし、プロになるつもりは一切なかったです」
――ここまでプロ無敗という戦績についてはどう感じていますか?
「最初は成り行きでプロデビューしたので、負けたら辞めようぐらいの気持ちでやってたんですけど、前回『Krush-EX』でK-1 JAPAN GROUPに試合のチャンスを与えていただいたぐらいから、絶対に負けないで無敗のまま突き進もうという強い気持ちに変わりましたね」
――自分で考える選手としての持ち味はどこでしょう?
「今までの試合はパンチで1RKOとかで勝ってきちゃってるので、パンチの選手って思われているかもしれないですけど、パンチも蹴りも全部できますし、その全てで倒せるパワーがあると自信を持っているので、どの技でも倒せるというのが自分の持ち味だと思っていま」
――カード発表会見で「ジャブでも倒せる」と発言していましたが、攻撃力にはかなり自信を持っていますか?
「攻撃力もそうだし、正確性にも自信がありますよね。ただ振り回すんじゃなくて。前回の僕の試合がYouTubeに上がっているので、見ていただければわかると思うんですけど、本当に隙きを狙って、チャンスを待って一撃を叩き込むっていう正確性にも自信があります」
「記者会見でも話したように年齢は僕よりも若いですけど、プロとしては僕よりも全然キャリアのある選手なので。僕が次プロ5戦目で、神保選手は20戦近くやっていて、成績だけ見たらもの凄く格上に当てられたっていう形なんですけど、自分は経験以外は全て勝っていると思っているので、試合に関しては何も心配なく臨みます。今回でプロ5戦目の自分にそういうキャリアのある選手を当ててくれたということは、これから自分がプロとしてやっていく上で凄くいい経験になるので、そこの最初の壁を乗り越えていきたいと思います」
――神保選手のファイトスタイルについてはいかがですか?
「テクニシャンですよね。キャラクター的にはパワーでガンガン来るタイプかと思いきや。特攻隊長とか言ってるぐらいですから特攻魂で戦うかなと思っていたら、テクニックのあるテクニシャンという印象ですね」
――今回もKO勝利でインパクトを残したい?
「もちろん。KOじゃなかったら意味がないと思っているので、僕は。今回75kg、まだ75kgっていう階級はないですけど、プロ5戦目の僕がこのK-1に呼んでもらった理由は自分なりに理解しているつもりです。KOという結果を起こすために僕は呼ばれたと思っているので、そうじゃないと意味がないと思っているのでKOで勝ちたいと思っています」
――神保選手は75kgという新しい階級を作りたいと言っているが、それについては同じ気持ちですか?
「僕は70kgにはどう頑張っても落とせないんです、体の大きさ的に(苦笑)。前回72kgで試合を組んでいただいた時も、計量の日は一人じゃ歩けないぐらいで、目もよく見えない、耳もよく聞こえないぐらいだったんですよ。本当に75kgっていうのはベストな体重だと思いますし、いつもはこの時期は減量で死にかけている状態なんですけど、今は自分のエネルギーを感じながらガンガン練習できていて。本当に75kgは自分のベストだと思うので、今回派手にKOで試合を終わらせて、是非75kg級を作っていただきたいなって思っています」
――今後のK-1での目標は?
「75kgという階級を作って、初代チャンピオンになることです」
――それでは最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
「今回、K-1初参戦なので僕のことをあまりよく知らないと思いますが、今回の試合を見ていただければ僕がどういう選手なのか、一発でわかると思うので、期待して見てください」