2021年5月16日(日)無観客大会として開催される『Cygames presents RISE on ABEMA』にて、RISE QUEENミニフライ級タイトルマッチ3分5R無制限延長RでAKARI(TARGET)の挑戦を受ける王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)が8日(土)千葉の所属ジムにて公開練習を行った。
オープンフィンガーグローブ(OFG)を自分だけ着用した寺山は、弟で5月23日(日)の『RISE 149』に出場する寺山遼冴とのマススパーを披露。右ミドルで快音を響かせていたかと思えば、前蹴りで遼冴を転倒させるとパウンドの雨を降らせる。「終わり、終わり」と周囲が声をかけてもパウンドを続ける寺山。遼冴は「顔がマジだった…」と恐ろしい姉を評した。
これはおそらく、以前に行われた遼冴の対戦相手・京谷祐希の公開練習のオマージュ。京谷は「自分としては今回寺山遼冴に勝って、寺山日葵に挑戦する」とコメント(もちろん冗談)し、寺山もSNSにて「私は絶対京谷選手とはやりたくない…!笑 だから勝ってくれ弟!」と投稿していた。
OFGでやったのは、女子選手が次々と名乗りをあげているOFG戦でのRISEルールに参戦へのアピールかとも思われたが、寺山は「初めてOFGやったんですよ。難しいですね。当て感も全然違かったですね。サイズ感も違うし。難しかったけれど最後の10秒は楽しかったです。(OFGで試合をするのは)いやー、嫌ですね。怖いし。盛り上げるためにやったので今のところは考えてないです」と笑った。
遼冴について「11月の大阪での試合から成長していますし、元々私よりセンスがあるし、一度言われたことはすぐできるタイプだし、負けてから気持ちが上がったので強くなったと思います」とし、自身の仕上がりについては「今日が追い込み最終日で、疲労は残っていますが動きもいいし、調子はいいですね」と答えた。
今春に大学を卒業して初めて迎える試合。「今まで学生だったので昼間にやっているプロ練に出られなかったんですが、今は毎日が格闘技でプロ練も出られるし、練習する時間が増えたので有意義に過ごせています。練習以外にもジムで指導に入ることが多くて、客観的に見ることが出来て新たな刺激があって楽しいです」と、今は格闘技一色の生活を送っているという。
挑戦者AKARIに関しては「足が長いし、ここ最近は身長差のある選手とやることが多かったんですが同じくらいだし、成長しているのは感じます」と評価するが、「でも私の中のテーマは圧倒的に勝つこと。向こうにはベルトへの執着や気持ちがあるので最初から圧をかけてきたり蹴ってきたりするのかなって感じはします」と、圧倒的に勝つをテーマとする。
その身長やリーチには「同じくらいの背丈ですが、足が長いのでリーチ差はあるかもしれない。でも距離感を掴むのは経験もありますし、キャリアのある私の方が距離感を掴むのは早いんじゃないかな。自分の距離感で戦います。それこそ(白鳥)大珠君もリーチがあるのでそこで研究しています」とし、「(AKARIは)必ず攻撃に蹴りが入っている。足が長いし、今までの試合を見るとやりづらそうだったけれど、気にしてないです。同じようなタイプなので、蹴りがぶつかり合う場面もあるのかな」と蹴りの勝負になるだろうと予測。
しかし、2020年の10月・11月に行われたRISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020で戦った国内トップ選手たちと比べてAKARIの実力はどうなのか。寺山は少し考え、「AKARI選手も強いし、全く油断もしてないし、強さが一気に上がっている成長スピードもある。ただ、トーナメントの3選手はみんな強かったです。そこの強さと比べるわけじゃないですが、3試合やったのは自信につながっています。比べることはできないですが、あの3選手と試合をしたのだから大丈夫という気持ちはありますね」と、自信はあるとした。
また「AKARI選手は5Rが初めて。私は3分5Rやっているし、2分5Rも2回やっているんです。その点では有利かなと思っています」と、長丁場の戦いを経験していることも自分にとってアドバンテージだとする。
AKARIはJKらしく、SNSを通じて挑発を繰り返しているが「別にそんなにイライラもしないですし、それも盛り上げ方の一つでいいのかなって思います。強めの発言は自分にもプレッシャーがかかると思うので、凄いなって思いますね。何でも言っていい感じは、若さがあって…3つしか違わないですけれど(笑)」と、全く気にしていない。
さらに今回は、AKARIの師匠である神村エリカも強気なコメントで寺山にプレッシャーをかけている。それについて聞かれた寺山は「今回は2vs1ですよね。私は神村さんにいい風に思われていない気がするので。自分の弟子と同じ階級にいるから敵視するのは当たり前だと思っていますが、それは薄々感じてはいました」と本音を吐露。
その神村も含めてAKARIを圧倒してギャフンと言わせたいか、と聞かれると「でも、結局戦うのは私とAKARI選手なので、私にも支えてもらえる人たちがいます。その力をお互い試合で発揮できるのはいいと思いますね」と、お互い様だとした。
絶対に落とせない試合との意識はとの質問には「それはいつもの試合と変わらないですね。ひとつも落とせる試合はないので。防衛戦だからと言って心構えが違うというのはないです。いつもと変わらずです」と、いつも通りの心境だとする。
そして「本来ならお客さんが入っての興行が無観客になり、生で見てもらえない切なさはあるけれど、画面越しでも伝わるくらいアツい試合が出来たらなと。緊急事態で生きづらい世の中なので、少しでも元気を与えられたらと思います」と、この試合に懸ける気持ちを話した。