2021年4月30日(金)都内にて5月30日(日)丸善インテックアリーナ大阪『RIZIN.29』の記者会見が行われ、皇治(TEAM ONE)が希望していた61kg級のキックボクシングルール・ワンナイトトーナメント(3分3R・延長無し)の開催が発表された。
出場メンバーは、皇治の呼びかけに名乗りをあげた白鳥大珠(TEAM TEPPEN)、高橋亮(真門ジム)、梅野源治(PHOENIX)の4選手に決定。その場で組み合わせ抽選会が行われ、当たりの入った封筒を引いた梅野が指名権を得て、準決勝の相手に皇治を指名。これにより、準決勝の組み合わせは皇治vs梅野、白鳥vs高橋となった。
NKBバンタム級&フェザー級二階級制覇の高橋は「このトーナメントで僕の格闘技人生を変えようと思っています。1回戦は白鳥選手。一番厄介な相手になったんですけれども、ここでしっかり勝って決勝で皇治君とやれたらと思います。僕とやりましょう。よろしくお願いします」と、皇治との関西対決を希望。
RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント優勝者・白鳥は「1回戦が高橋選手に決まったんですが、多分階級が一階級下でやっていて、試合を見たことがないので何とも言えないんですけれど、きっと実力のある強い選手だと思うので気を引き締めて1回戦に臨みたいと思います。で、決勝戦になっちゃったんですけれど、僕は去年からピーチクパーチク言って相手にしてくれなくてマウントとってきたので、頑張って決勝に上がってきてもらいたいですけれど、梅野選手なので心配ですね。大丈夫かなって。そこだけちょっと心配なので頑張って決勝へ上がってきてください」と、皇治を挑発する。
元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・梅野は「皇治選手を選んだ理由は、僕は皇治選手のことを尊敬していて言動力も行動力も持っていて結果につながっているとずっと思っていたので。1回戦からそういう男と拳を交えたいとの想いで選ばせていただきました。5月30日、RIZIN大阪大会、一緒に盛り上げましょう。そして決勝は僕の希望としては白鳥選手に勝ち上がってもらって決勝でしっかりリベンジして優勝したいと思います」と、皇治を尊敬していると言い、決勝ではRISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメントの決勝戦でKO負けを喫した白鳥にリベンジしたいとした。
皇治は「トーナメントが開催されて嬉しいですね。ずっと言い続けていて、こんな一丁前な選手に集まってもらって凄く嬉しく思っています。俺が中心でこの子たちは脇役なので、しっかり俺がそれを証明してやろうと思っています。言うことはそんなにないけれど、白鳥君に関してはもう情けないですね。顔だけで。男のくせに昨日もYouTubeで見たけれどピーチクパーチク、もうカッコ悪いですね。実力がどうのこうの言ってないで、黙って天心のカバン持って頑張ってればいいのにね。ということで、当日は俺が実力で黙らせてやろうと思っています」と、初戦の相手である梅野を飛び越して白鳥を挑発する。
梅野に関しては「めちゃくちゃええこと言いますやんか。それでこそ紳士ですよ。俺も若い時から梅野選手がムエタイで活躍していてスゲェなって思って見ていました。ただ、戦うとなればもう彼もピークではないと思うので、昔は強かったかもしれないですけれど、今はただのひょっとこムエタイなので。何かムエタイのチャンピオンになっていますよね。これはおいしいなと。そこに勝ったらね。まあ、ひょっとこムエタイ狩りをしようと。頑張ります」と“美味しい相手”だとした。
それに対して梅野は「喋るのが上手いなと。人とのコミュニケーション能力が高いのかな。僕は格闘技界でしっかり結果を出したい。その後で知名度がつけばいいと思って今まで14年間、格闘技に向き合ってきました。彼の場合は逆かもしれない。知名度を先に得て、その後でこのトーナメントが開催される、本当に強いヤツを集めて欲しい、知名度を取った後で本当の強さを欲しがったという。結局だから目指しているところは同じだと思うんですよ。ただやり方が違うというだけで。そのやり方が僕は上手いと思うので。なかなか僕に言えることがないと思うんですよ。経歴としては(笑)。その中でいろいろと考えて、いろいろ面白い発言をしているので何とも思わないというか。そこは凄いなと。男としてカッコいい、尊敬する。結果も残しているし。結果を残しているヤツが一番強い。僕が一番嫌なのは力のないヤツが綺麗事を言うのが一番カッコ悪いと思うんですよ。でも彼の場合は力があるのでカッコいいですね」と、皇治を認める。
3人の中で唯一、SNSでのアピールを無視された形となった高橋は「無視されたとは思ってないですが、皇治君は昔から知っていて地元が隣で、活躍を昔から見ていて。スーパースターでここまで昇りつめてきて。このトーナメントは皇治君がおらな開催されることがなかったし、大阪でやっている選手にこうしてチャンスをくれてそこは尊敬しますよ。まあ、無視されたことは別に何とも思ってないですけれど、決勝で同じ大阪なので盛り上げられたらなと思います」と、特に気にしていないという。
皇治がRIZINに移籍した時から対戦をアピールしていた白鳥は「やっとと言えばやっとなんですけれど、去年K-1からRIZINに来て、ここでやれたら面白いなって意味でアピールしたんですよ。でもそれを知名度とか人気ばっかりでマウントを取って来るので、今年に入ってから興味が薄れちゃったんですね、正直。でもこうやって話をもらってRIZINの大阪が盛り上がると思ったので、参戦させていただいたんですけれど。まあ、カバン持ち君に負けたらどうするんですかって感じですね」と、クールにコメント。
今回こうして皇治の要望が通る形でキックボクシングルールのトーナメントが開催されることになったが、MMAがメインであるRIZINで那須川天心を除くキックボクシングの試合にMMAほどの関心が集まっていないのは事実。それについて4選手は次のように答えた。
高橋「SNSを見とってもRIZINはMMAやからキックいらんというのをけっこう見ることがあって。そういう人らも格闘技は好きやと思うので、そういう人らの意見を引っ繰り返せるくらい大阪を盛り上げて、キックもこれからRIZINでやった方がいいとの意見を増やそうと思いますね」
白鳥「僕もRIZINに何回か出させていただいていますが、どうしてもキックに対して批判の声がまだたくさんあると思うので、せっかくこうやってトーナメントを開いてもらうので、そこは4人で盛り上げていけたらなと思います。そうしたらまた今年・来年とつながっていくと思います」
梅野「RIZINイコール総合格闘技とのイメージが定着しているので、お客さんも野球の試合を見に来てバスケを試合を見せられたらそれは文句を言う人は多いと思います。けれど今後、今回この4人でトーナメントでいい試合をして、RIZINってキックボクシングの試合もあるんだな、総合も面白いけれどキックもいいなという、ファンに思ってもらえるようにキックのファンの母数を増やしていけるような、今回その一発目だと思う。凄くいい4人が集まったと思うので、みんなで盛り上げていけばRIZINのキック部門がもっと盛り上がっていくんじゃないかと思います」
皇治「MMAは素晴らしいし、MMAのトーナメントは分かりやすい、いろいろなチャンピオンが集まってやると思うので、自分ら立ち技は負けたくないですし。言うてもMMAの選手に比べたら一丁前の試合ができていないからこういう状況だと思うので、これだけカッコつけた4人が集まったので盛り上げたい」
すると皇治は「せやけれど、それは榊原社長も悪いんとちゃいます? 社長はキックに全然せえへんから、MMAばっかりですもんね」と、榊原信行RIZIN CEOの力の入れ方にも問題があると突っかかる。それに榊原社長は「この4人がファンを熱狂させれば、将来的にはRIZIN KICKとしてスピンオフしてキックだけの大会も開かれるかもしれない。勝率はたくさんあると思う。それは平等だと思う」と回答。
皇治は「だから俺らがやるしかないってことで、気合い入っていますよ。MMAのトーナメントのように分かりやすい、大きい立ち技でのトーナメントができるように、頑張ろうと思っています」と、キックボクシングのためにも今回のトーナメントを成功させると意気込んだ。