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【ONE】エディ・アルバレス、反則負けの変更を「何より求めていた」、デラホーヤ戦は「ONEとも戦略を立てている」、目指すは三冠「クリスチャン・リーは、俺と戦わないともったいないぜ」

2021/04/28 21:04
 2021年4月29日(木・祝)朝9時30分からシンガポール・インドアスタジアムで開催され、ONE Super AppおよびABEMAで配信される「ONE on TNT 4」で、韓国ライト級最強のオク・レユン(14勝3敗)と対戦するエディ・アルバレス(米国)が27日、囲み取材に応じた。  アルバレスは、4月8日に配信された「ONE on TNT 1」で、ユーリ・ラピクス(モルドバ)の後頭部へ打撃を入れたとして反則負けになっていたが、パネルの検証により試合結果が「ノーコンテスト」に変更されたことを、「何よりそれを求めていた。キャリアにも大きく響いていたから、パネルが反則失格を見直してくれて、良かった」と語った。  今回のオク・レユンとの試合の先に、青木真也との3度目の試合の話も挙がるなか、アルバレスは、「個人的にはアオキとのことは昔の話。キャリアが浅かった頃に彼に負けた。当時は何も知らなかったし、2度目の対戦はちゃんとした格闘家になっていて、早い展開で勝ったから、また対戦しないといけないという気持ちはない」とし、「狙っているのはクリスチャン・リーだ。彼がベルトを持っている。それしか見てない。彼は俺と戦わないともったいぜ」と、UFC、Bellatorに続く、ONEのライト級王座獲得を目標とした。  また、ONEのほかに、ボクシングマッチで、元6階級制覇王者オスカー・デラホーヤとの対戦が浮上している件についても、「チャトリ(シットヨートンCEO兼会長)と俺にはパートナーシップができている。2人で話し合い、お互い満足できる戦略を立てている」と、前向きに交渉が進んでいることを明かした。  37歳で30勝7敗。元UFC世界ライト級王者にして、元Bellator世界ライト級王者は、いかに3連勝中の韓国の強豪を下して、3本目の世界のベルトに手をかけるか。  ONE Championshipで凌ぎを削ることを、アルバレスは、「アジアでの格闘技文化を、2006年(MARS両国国技館大会)に初めて知った時、アメリカとの違いを強く感じた。勇気を出す姿を見てもらいたいし、闘う姿勢で覚えられたい」と語った。 [nextpage] アルバレス「シンガポールに着いてから、起きるのは夜。そのまま夜はずっと起きていて米国のタイムゾーンのまま戦う」 ──再びシンガポールに戻ってきた気持ちはいかがでしょうか。 「最高だ。トーナメントファイターとしてはいつも調子が良かった。2008年から2009年、DREAMでのライト級グランプリやらBellatorライト級トーナメントやら、トーナメントではよく試合をしていた。トーナメント戦で負けたことすらないかもしれない(※DREAMライト級GP準決勝の川尻達也戦で眼球損傷および眼下底骨折の疑いによりドクターストップで決勝を辞退)。素早いターンオーバーだから、準備期間に積み重ねることができる。速いし、強くなっている。タイミングも良くなっている。普段は試合後にアクティブに過ごすのは苦手だけど、ハイレベルで試合するためには重要だと思う」 ──前戦のユーリ・ラピクス戦の試合結果が、反則からノーコンテストに変更されました。その判断に納得していますか。 「ノーコンテストで満足だ。何よりそれを求めていた」 ──ONEが反則を無効試合へと変更すると、信じていましたか。 「別に自信を持っていたとは言えない。全体的に視聴者が反則に納得してなかったから、そのお陰で、判断するパネルに響くと思っていた。ファンだけではなく、プロ選手、レフェリー、他にも格闘技界でリスペクトされている人物たち……それらの声は力になったけど(判定がくつがえる)自信はなかった。誰が判断して、何を見ていたかも言えない。祝福された気分だ。それに、再び判断してくれる時点で嬉しかった。キャリアにも大きく響いていたんだ。自分のキャリア、パフォーマンスに対してはとても真剣だ。パネルが反則失格を見直してくれて、良かったよ」 ──ONEのサークルケージで、これまでで一番危険なエディ・アルバレスを見せることができますか。 「危険か、良いね。リラックスしているよ。自信はある。練習は今までの中で一番良いトレーニングをしていて、ハイレベルで久しぶりに試合ができる。とても嬉しいよ。この試合に向けても自信があって、どのようなパフォーマンスができるか楽しみにしている。試合は一つひとつ違う。対戦相手も一人ひとり違う。自分に期待しているよ」 ──オク・レユン選手の印象は? 「タフなファイターだ。良いジャブ、蹴り。距離感が長い。そして、ボクシングが上手い。良い動きをしている。この試合が楽しみだ。他のロスターにいる選手より優れていると思う。彼の最後まで戦うという思い、それは尊敬する。そういう選手といい試合をしたことがある。いい試合をするにはいいダンス・パートナーが必要だ。オクはそれに当てはまるダンス・パートナーだ」 ──前回の「TNT 1」でもし反則が起きてなかったら、アルバレス選手は今週試合していたのでしょうか。 「そうだね。このチャンスがあったから今ここにいるね。もうすでに2、3試合もコロナのせいで中止になった。だから、できるだけ多く試合して、時間をロスした分をまた稼ぎたい。1年半も試合してなかったんだ。ジムでコツコツ練習してきた。アクティブにしてなかったら自分自身に迷惑をかける。アクティブに試合をやり続ける機会をもらい、自分の階級のトップの選手と対戦できる。そのチャンスを見逃してはいけない」 ──青木真也選手との3度目の試合は望んでいますか? 「どっちでも。個人的にはアオキとのことは昔の話だ。キャリアが浅かった頃に彼に負けた。当時は何も知らなかった。2度目の対戦はちゃんとした格闘家になっていて、早い展開で勝った。別にまた対戦しないといけないという気持ちはない。あったらやるけど、別に望んでいないし、いらない。狙っているのはクリスチャン・リーだ。彼がベルトを持っている。それしか見てない」 ──ナシューヒン選手を相手に勝利したクリスチャン・リー選手についての印象は? 「素晴らしかった。いいフックが綺麗に入ってティモフィがダウンした。いつになってもクリスチャンは驚かせる。毎回素晴らしいパフォーマンスをする。次にいつ試合するか知りたいね。俺に勝てる機会があるんだぜ。自分も20年間で何人ものチャンピオンも倒してきた。俺と試合しないと、もったいないと思うよ」 ──アルバレス選手とONEとの契約では、トリラー・ファイト・クラブなみのボクシングイベント(※2020年11月にマイク・タイソンvs.ロイ・ジョーンズ・ジュニア、2021年4月にジェイク・ポールvs.ベン・アスクレンをメインで実施)などに参加できることはあるのでしょうか(※7月3日に元6階級制覇王者オスカー・デラホーヤとアルバレスの対戦が浮上)。 「チャトリ(シットヨートンCEO兼会長)と俺には、パートナーシップができている。2人で話し合い、お互い満足できる戦略を立てている。組織のCEOがこうやって対話してくれるとすっきりするものだ。選手も、団体にもタメになると思う」 ──今回の試合で勝てば、次は王者クリスチャン・リーとの対戦でしょうか。 「それはファンが決めるだろう。(2試合前に)エドゥアルド・フォラヤンは1分半(2分16秒、リアネイキドチョークでアルバレスが一本勝ち)で仕留めた。ランキング2位(ラピクス)とは1分2秒で試合が中断された。今回の試合がどのような展開になるかは知らないが、またトップランカーに勝つ気だ。クリスチャン・リーに、“俺と戦う機会がある”んだよ。もうすでにクリスチャン・リーみたいな選手を100人ぐらい倒している。クリスチャンには立派な選手と試合するチャンスがある、それを逃したら、彼にとってもったいない。俺にとって、ではなく」 ──「ONEでチャンピオンになる」と先ほど言いましたが、UFCとBellatorに比べて、ONEのベルトを取るのはどう違うと考えますか。 「今、色々あるからこそ一番ハードなタイトルであると思う。もう20年近くこの競技をやり続けてきた。若い頃はチャンピオンを目指して、早く起きて、遅く寝るのは楽だった。そのころは生活バランスというものが無かった、だから何をやっても平気だった。今はもう、4人の子供がいるし、素敵な妻もいる。経済的にも別に試合をしなくたっていい。今は格闘技以外でバランスの取れた生活をしている。格闘技は別にやらなければならないわけじゃない。今はとても安定しているからね。でも、今俺が試合している若手選手たちは、世界の、そしてONEのトップだ。その若手選手を俺は倒している。このベルトを狙うのは、そうだね、今まで一番難しいと思うよ」 ──午前中に試合をすることは日本で経験していて、少し慣れた感じはありますか。 「もともとスパーリングは朝にやっているんだ。こっちではアメリカ時間の夜9、10時頃だから、時差は本当はない。シンガポールについてから、起きるのは夜。そのまま夜はずっと起きていて、アメリカのタイムゾーンのままにしている」 ──ONEはアルバレス選手自自身に、どんな影響を与えましたか。 「アジアのファンと、アジアでの格闘技文化を、2006年(MARS両国国技館大会)に初めて知った時、アメリカとの違いを強く感じた。アメリカでは結果が全てだ。勝ち負けが全てだ。選手はブーイングも経験する。勇気を出してすべてを試合で見せつけているにも関わらず、ブーイングがある。アジアでは別の角度で見ている気がする。選手が立った時点で拍手をするし、勇気を出す姿を祝う。勝ち負けよりは、どう闘うか、どんな気合いで闘うかを見ていると思う。それは、自分にも共感できる。自分もその闘う姿勢で覚えられたい。努力を認められたいんだ」
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