10連休初日の4月27日午前、堀口恭司(アメリカン・トップチーム)と朝倉未来(トライフォース赤坂)が都内、赤坂のジムでウォームアップを始めていた。マススパーリングを行うためだった。
バンタム級の堀口とフェザー級の未来。未来が1週間前に68kg契約で試合したこともあり、両者の体格は1階級以上の差を感じさせるが、グローブをはめ、いざ向かい合い動き始めると、その身長・リーチ差は、無となってしまう。
堀口の踏み込みがそうさせるのだ。ならばと未来は左右スイッチで足を入れ替え、さまざまなフェイントを入れていく──この貴重なスパーリングは、5月23日(木)発売の『ゴング格闘技』7月号の対談企画のために両者が応じたものだった。
【写真】このグローブタッチからマススパーリングが始まった。
当初、階級もこれまでの軌跡もまったく異なる堀口と未来との対談の企画に、RIZIN担当者は「2人が話しているイメージがうまくわきません。でも……もしかしたら」と戸惑いの表情を浮かべていた。
本誌としても、同じ空手がバックボーンといえど、伝統派空手出身の堀口とフルコンタクト空手経験者の朝倉とでは、共通点よりも相違点の方が多いのでは、という考えもあった。しかもプロになるまで競技一色で格闘技に進んだ堀口と、喧嘩に明け暮れていた朝倉とでは、環境も違いすぎる。
しかし、両者の強くなるための思考、試合を練習のように戦う冷静さ、そして巧みなカウンタースタイルは、どこか似た部分がある、と考えての企画だった。
果たして……、グローブタッチから始まったマススパーリングで、堀口と未来は多くの会話を重ねていた。対談が始まると、澱みなく両者から格闘技を語る言葉が溢れてくる。
ともに父の勧めで幼少期から空手を始めた。腕立て200回、スクワット500回をしてから友達と遊びに行ったという未来。泣きながら道場に行き、帰りは笑顔だったという堀口。その後の軌跡を堀口は「道は違えど……」と言いながら「格闘技に賭ける気持ちは同じ」と評した。
6月14日(現地時間)には、堀口がニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催される『Bellator NYC:Machida vs. Sonnen』で、Bellator世界バンタム級王者ダリオン・コールドウェルに挑戦することが決定している。堀口は再戦に向け「ケージの方がやりやすい」といい、2019年10月に開幕予定のBellatorフェザー級(145ポンド・65.8kg以下/優勝賞金100万ドル)GPに興味を示している朝倉は「米国でも練習してみたい」と語りながらも、“ある悩み”について苦笑しながら語った。
いまRIZINで最も輝きを放つ堀口恭司と朝倉未来のロング対談は、5月23日発売の『ゴング格闘技』にて掲載される予定だ。