シェフチェンコvs.アンドラージは典型的な「技vs力」の戦い
――『UFC261』では、女子フライ級と女子ストロー級のタイトルマッチも組まれています。この2試合のポイントも教えていただけますか?
「まず、ヴァレンティーナ・シェフチェンコvs.ジェシカ・アンドラージの女子フライ級タイトルマッチは、典型的な“技vs力”の戦いですよね。王者シェフチェンコは、もともとキックボクシングの世界王者で、テイクダウンや寝技もトータルで高いレベルにあるオールラウンダー。対するアンドラージは女子で随一のパワーの持ち主で、フライ級に上げてから、フィジカルがより増している感じがするんですよね」
――前回、タイトル戦経験者のケイトリン・チョケイジアンをパワフルな打撃で圧倒しました。
「チョケイジアンをKOしたボディブローなんか、腰が入ってフィジカルで撃ち抜いているので、相当な威力だと思いますよ。だから、シェフチェンコがどう技術を使って、あのパンチをもらわないようにするかがポイントでしょう。アンドラージのほうは、いずれにしても突っ込んでいくと思うので、いかに強い打撃が当てられるか。全局面で完成されつつあるシェフチェンコを破るには、アンドラージのパワーのような、飛び抜けたものが必要じゃないかと思います」
前後のウェイリーvs.サイドステップのナマユナス、王者ウェイリーの総合力が問われる試合になる
──ジャン・ウェイリーvs.ローズ・ナマユナスの女子ストロー級タイトルマッチはいかがでしょうか。
「技術面ではどっこいかもしれないんですけど、動き方に両者の特徴があって。ウェイリーは打撃にしてもテイクダウンにしても、前に出ながら取りにいくタイプですけど、ナマユナスはサイドステップですよね。相手の力をいなしながら、隙が生まれたところにタックルに入ったりとか、動きの質がちょっと違うので。同じ打撃の打ち合いをするにしても、ナマユナスはズラしながらやると思うんですよね。そういう動きをやられたとき、ウェイリーが対応できるかどうかがひとつのポイントになると思いますね」
──打撃のKOパワーでは、やはりウェイリーの方が上ですか?
「やっぱり縦のプレッシャーなんで、圧力がウェイリーの方が上だなと思いますが、寝技も含めた総合的な試合ではナマユナスかなと」
──もともと一本勝ちが多いグラップラーでした。
「元ストロー級王者のヨアナ・イェンジェイチックに打撃で打ち勝つ姿なんか、昔のナマユナスからすると考えられませんでしたからね。それだけ成長しているということでしょう。逆にストライカーのウェイリーが、寝技も含めてどこまで成長しているのか、そこも見ものだと思いますね。だから王者ウェイリーの総合力が問われる試合になるんじゃないかと思います」(取材/文・堀江ガンツ)
『UFC 261: Usman vs. Masvidal 2』
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC261 in フロリダ ウスマンvsマスヴィダル再戦!豪華トリプルタイトルマッチ』
◆4月25日(日)午前11:00[WOWOWライブ]
※メインカード生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
◆4月30日(金)午後5:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【メインカード】
▼UFC世界ウェルター級選手権試合 5分5R
カマル・ウスマン(ナイジェリア)
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
▼UFC世界女子ストロー級選手権試合 5分5R
ジャン・ウェイリー(中国)
ローズ・ナマユナス(米国)
▼UFC女子世界フライ級選手権試合 5分5R
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(キルギス)
ジェシカ・アンドラジ(ブラジル)
▼ミドル級 5分3R
クリス・ウェイドマン(米国)
ユライア・ホール(ジャマイカ)
▼ライトヘビー級 5分3R
アンソニー・スミス(米国)
ジム・クルート(豪州)
【プレリミナリー】(UFC FIGHT PASS)
▼ウェルター級 5分3R
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
アレックス・オリベイラ(ブラジル)
▼ウェルター級 5分3R
ドワイト・グラント(米国)
ステファン・セクリッチ(セルビア)
▼ミドル級 5分3R
ブレンダン・アレン(米国)
カール・ロバーソン(米国)
▼フェザー級 5分3R
トリスタン・コーネリー(カナダ)
パット・サバティニ(米国)
▼バンタム級 5分3R
ダナー・バットゲレル(モンゴル)
ケビン・ナティブダド(米国)
▼ライト級 5分3R
ズー・ロン(中国)
ホドリゴ・ヴァルガス(メキシコ)
▼フライ級 5分3R
ジェフリー・モリーナ(米国)
アオリ・クイレン(中国)
▼女子ストロー級 5分3R
アリアネ・カルネロッシ(ブラジル)
ナ・リャング(中国)
【出演】
解説:高阪 剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
WOWOW『UFC‐究極格闘技‐』新企画
【UFC生中継直前!】スタジオ裏トーク
生中継前後の各15分、YouTube(WOWOW総合)にて配信。台本なし! WOWOW UFC 解説陣が生中継前後にYouTube限定の裏トークを繰り広げる。UFCのナンバーリング大会の生中継前後の出演陣のゆるいトークをそのまま公開。
【出演】
世界のTK/高阪 剛
格闘ライター/堀江ガンツ
名実況/高柳謙一
謎の同時通訳/MIZUKA(天の声)
出演者への質問はTwitterで#WOWOW #UFCにて