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レポート

【格闘DREAMERS】平本蓮を感動させた弟・丈の勝利と涙。無慈悲な「入れ替え戦」が見せた格闘技の厳しさ

2021/04/20 21:04

平本「お兄ちゃんがいたからこそ。ここで勝てば誰も文句を言わない」

 合宿後、選手たちはチーム分け前から自主的にEXFIGHTジムに通い、高谷総監督のもとで練習を続けるなか、「パトリックだったらボクシング、倫也だったらレスリング、高木だったら柔道とか、それぞれの得意分野をいろいろ聞き合って補い合っている」と、強くなるための貪欲な姿勢を、高谷は見て来た。

 そんななか、名津井は「こっち(東京)で練習するって言ってたのに来なかったし、地元での練習内容を送ってきたんだけど、ふざけた練習内容で、スタッフとの約束も3回くらいバッくれたみたいで、今日も遅刻してきた」と高谷の逆鱗に触れていた。

 高谷から直に「お前みたいなやつ、結構いるけどさ、そんなやつがちゃんと練習やってたと思えないから、練習で(動きを)チェックするから、そのつもりでいてくれ」と通告された名津井。

 高谷は「あいつ(格闘技を)舐めてるから。本当に(練習を)やってきたなら勝てると思う。強いならいいんで。その強さを確認します」と、「入れ替え戦」の選手に指名した。

 一方で、17歳の平本丈にも「ほんとうに強いのかどうか、みんなオーディションと合宿とかやってきたから、それに値する強さなのかどうか示してもらいたい」と、“飛び級”で入れ替え戦に参加した実力を証明することを要求した。

 平本丈はキックボクシング出身。書類審査は通過していたが、一次オーディションでのPCR検査で陽性反応が出たため、参加を断念していたという。

「もともとキックでプロになろうと思ってたんですけど、UFCとかRIZINとか、いろんな団体を見て、総合、面白いし、ここで強くなって、世界を目指したい」と意気込む。

 兄の平本蓮は、弟の丈を「ずっと練習を見ているんで。強いとは思う。自分が17歳の頃より全然」と言いながらも、「格闘家は兄弟が多いし、兄弟は比べられる。なんか『俺の弟だから』とか、『俺より優れている』とか、『俺より才能があります』とか、そういうのじゃない。丈だから、自分自身でやってほしい」と、プレッシャーはかけず、サポートする姿勢を示した。

 丈も兄については、「怖くないです。弟には結構優しいです」と笑顔を見せながらも、「お兄ちゃんがいたからこそ、というのもあるんですけど、ここで勝てば、たぶん誰も文句を言わないと思う」と、結果で周囲を納得させるとした。

 一方の名津井は、平本兄弟のアップを見つめるも、その表情は変わらず。「まさか、自分かと」と入れ替え戦の指名に苦笑しながらも、二次オーディションでストライカー相手に2試合連続一本勝ちの余裕も見せる。

「地下格闘技に出ていた時も倒すだけ。あんまり(相手のことは)分かんないですけど、負けないのは前提で、あとは極めきれるか、倒しきれるかの問題かなって」と、勝利を前提に内容でも見せると語る。

 素行不良とはいえ、ともに3日間の合宿を過ごしたメンバーは、急に現れた“外敵”と戦う名津井をバックアップ。

 岡見勇信ヘッドコーチが「名津井、合宿忘れんなよ。合宿の3日間!」とゲキを飛ばすなか、同じGENERATIONSチームの宇佐美正パトリックは、「あんだけ苦しかったのにここで負けたら全部パーっすよ。せっかく俺たち2泊3日でエグい合宿やってんのに、そんなんパッと受からせたら嫌なんでボコボコにしちゃってください」とエール。柳田龍彌、齋藤奨司は「やってくんねぇと困る」、高木オーディン祥多も「気合い見せましょう」と鼓舞する。

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