2021年5月23日(日)東京・大田区総合体育館『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』の記者会見が、4月17日(土)都内にて行われた。
注目の女子マッチが決定。元シュートボクシング日本女子ミニマム級王者MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)とKrush女子アトム級王者・菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が、スーパーファイトのK-1女子アトム級(-45kg)3分3R延長1Rで対戦する。
MIOはシュートボクシング女子軽量級のエースとして活躍したが、2019年7月に突如シュートボクシングからの引退を発表。同年8月24日にK-1電撃参戦を表明し、2020年9月のK-1大阪大会でK-1デビュー戦を行ったが、高梨knuckle美穂に判定3-0で敗れた。今年3月、2戦目でボクシング&キックボクシングで15戦無敗だった元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者・山田真子からダウンを奪って初黒星を付けている。戦績は39勝(4KO)5敗。
菅原は第5回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝、第6回・第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-45kg優勝の実績を引っ提げて2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。今年3月には3戦全勝のホープNOZOMIからダウンを奪って勝利。戦績は6勝1敗。
会見に出席した菅原は「またK-1という素敵な舞台に出られることを嬉しく思います。キャリアが上の選手なので挑む形の試合はあまりなかったのでワクワクしています。一生懸命頑張ります」と挨拶、MIOは「菅原選手は凄く勢いがあって波に乗っている選手なので、しっかり倒して止めたいと思います」と宣言した。
対戦が決まっての感想は、菅原が「格闘技を見ていただけの時から存在を知っていて、そんなに試合を見ていたわけじゃないですが、打撃より投げで勝っていたイメージ」とチクリ。「K-1の初戦はそんなに怖いと思わなくて。でもこの前の試合は別人みたいになっていて(実力が)分からなくなっちゃって。いつかはやるなと思っていたので倒したいなと思っています」と以前から意識していたという。
MIOは「元々階級が違うので戦うことはないやろうと思っていたんですが、戦えるのは光栄だし嬉しかったです。48kg以下は初めてなので、どんなものなのか楽しみ。体重は前回も(-46kg契約)すっと落ちたので問題ないと思っています」とコメント。
菅原はMIOについて「パンチが上手なイメージがあって、キャリアもあるし試合中に応用できると思うので、気持ちでは負けないのとパンチを練習していて打ち合いもできるようになってきているので、パンチの選手にパンチで勝ちたいと思います」と、あえてMIOの得意な土俵で勝つと言い放つ。アトム級の主役は譲らないかと聞かれると「そうです。私が主役で頑張ります」と堂々の宣言。
MIOは「キャラが立って花もあって素晴らしい選手だと思っています。ただ、実力的に今まで私が戦ってきた相手と比べると実力的にはどうなのかなと思います」と、菅原の実力に疑問を持っているようだ。
それを聞いて菅原は「もっとボロクソに言われるかと思っていたのでよかったです(笑)。MIO選手の実力はK-1の2戦で分からないところがあって。私は蹴りは武器としているのでそれでは負けない。パンチではMIO選手の方が上だと思っていますが、あと1カ月で追いつけないところではないと思っているので。しっかり仕上げて当日は自分の方が強いと自信を持って戦いたい」と、1カ月で追いつくとした。
MIOは「1カ月で追い越されたらやってきたことがしょうもないことになるので、追い越させないように自分も追い込みます。菅原選手は蹴りが武器なので、蹴りを出させないくらい追い込みたい。今までは蹴りに対してキャッチすることが多くて(SBでは掴みが認めれていたがK-1では反則)、苦戦するかもしれないのでしっかりKRESTで練習していきたいと思います」と、こちらは蹴りの対応策を磨きたいと答えた。
菅原には、K-1 JAPAN GROUPでの実績では上なのにMIOが赤コーナーなのは納得いかないのでは、との質問が飛んだが、菅原は「あまりこだわりないので。しかも赤より青の方が好きなのでよかったなって感じです」とほのぼのコメント。MIOも思わず「天然なんですかね? 面白くて可愛いです」と笑った。
想定する試合のイメージについて、MIOは「両方イメージできるけれど、せっかくK-1で戦えるので期待以上のバチバチを見せたい。前回も倒し切れなかったのでそのストレスをぶつけたいですね」と、バチバチの打ち合いをしたいと予告。
菅原は「MIO選手は近い距離でやってくると思っています。全然近い距離でも戦えるようにしているので、どんな展開になっても戦えるようにしています。ダウンとかとりたいし、できればKOもしたいし。でも今回は勝ちにこだわりたいかなって言うのがあって。パンチが怖いので倒しに行くと倒されそうなので勝ちに行きます。でもスパーリングでもダウンしたことがなくて、いいパンチをもらったら逆にいけちゃうんじゃないかってのがあります」と、勝ちにこだわるが、いいパンチをもらったらスイッチが入るかもしれないと笑った。
まだ制定されていないタイトルについては、MIOが「K-1のベルトを狙っていきたいので、まずKrush王座を倒して私が先にいきたいと思いました」とタイトルに近付きたいとし、菅原は「この前の試合でもKANAさんと、女子格闘技とK-1を一緒に背負っていきたいと言ったので、しっかりとそれ(タイトルを獲りたい)を自信持って言えるように、その点でこの試合は大事だと思います」と、同じくこの試合に勝つことがいずれ新設されるタイトルに近づく一歩だとした。
タイトルについて中村拓己K-1プロデューサーは「階級があるのでベルトを作りたいが、見ている人がこの階級の中で王者を決めて欲しい、この選手はベルトを巻く資格があると思われる選手がいないと意味がない。この試合は注目度が上がる試合になる。そういう内容を見せて欲しい。王座を決めるなら外国人を入れてやりたいと考えています」とした。
それを聞いてMIOは「しっかりとこの試合で自分の強さを証明しないといけないと実感しました」、菅原も「同じ気持ちです。しっかり証明したいと思います」と力強く答えた。