2021年5月28日(金)の「ONE: EMPOWER」女子アトム級ワールドGPの1回戦に出場するデニス・ザンボアンガ(フィリピン)が3月25日、グローバル・メディアデーに参加。インタビューに応じた。
MMA8戦無敗のサンボアンガは、2020年2月に山口芽生(V.V Mei)を判定で下している強豪。現王者のアンジェラ・リーが妊娠する前に、一度挑戦権を得ていた。
また、今回のGP参戦にあたり、練習仲間で同じGPに出場するスタンプ・フェアテックスがいるフェアテックスジムを離れ、兄ドレックスも練習するMarrok Force MMAに移籍し、万難を排してトーナメントに臨む。
1回戦では、浜崎朱加を破りRIZIN女子スーパーアトム級王者に輝いた(※後に返上)ハム・ソヒ(韓国)と対戦する。ONE女子アトム級のトップコンテンダーとして、ザンボアンガは言う。「GPは、私が王者アンジェラ・リーに挑戦するに値する選手だと証明できる機会」だと。
友達であるからこそ、スタンプとは試合したくない。でも──
──トーナメントの初戦でハム・ソヒ選手と対戦が決定しました。率直な感想からお願いします。
「ハム・ソヒ選手と対戦することは、私にとってこれまでで最大のチャレンジ、一番のチャレンジなのではないかと思います」
──ハム・ソヒ選手のスキルをどのようにとらえていますか。そして、どのような準備をしていますか。
「とても経験豊富な選手で、全体的にバランスの良いファイターですよね。立ち技も強いので私も打撃を磨いていきます。個人的にはサウスポーの選手との試合経験がないので、トレーニングで対策しています」
──ハム・ソヒ選手が持つ経験は、彼女のアドバンテージであると言えます。その反面、相手の試合動画が多くあり、より研究できるという側面もあります。その点では準備や自信に繋がりますか。
「相手の経験にはこだわっていなくて、自分のゲームプランに集中しています。私がこれまで戦ってきた相手の中にもベテランの選手はいたので、その意味では、私は常にアンダードッグです。相手の経験値が高いことが彼女のアドバンテージだとは感じていません」
──アトム級1位のコンテンダーとして、今回の初戦でトップ選手との対戦が決まりました。どのように自信を保っていますか?
「この機会は、自分が本当にランキング1位に相応しい選手であること、タイトルマッチで戦うに値する選手であることを証明する最高のチャンスだと見ています」
──多くのファンがハム・ソヒ選手がグランプリのダーク・ホースだと話しており、トーナメントを制するのでは、という予想も多いです。そのことをどう感じていますか。
「彼女が一番経験値が高いから、そう思われますよね。私がこの初戦を突破したら、次のマッチアップは楽だと思います」
──グランプリ初戦でUFCでも経験のあるベテラン選手と当たることについては何か感慨はありますか。
「特にバックグラウンドなどには興味ありません。さきほども言った通り、このマッチアップで勝ったら、次の試合が楽になります。それに、私がアトム級チャンピオン(アンジェラ・リー)に挑戦するに値する選手なんだ、って証明できますよね」
──ザンボアンガ選手が勝利した山口芽生(V.V Mei)選手は、ハム・ソヒ選手同様にベテランファイターであり、両者に似ている点はあると思いますか?
「少し似ているとは思います。でも、ハム選手の方が経験が長い感じがして、いくつかの団体でタイトルマッチも行っていて、彼女の方が危険だと思います」
──スタンプ・フェアテックス選手がいるフェアテックスジムから、新しいバンコクのジムMarrok Force MMAでトレーニングしているとのことですが、ジムを変えた理由を教えてください。
「少し難しいですが、自分の未来を考えるといまの環境の方が自分に向いていると思いますし、色々な機会に出会えるのではと思います」
──一回戦を突破したら、友人でもあるスタンプ選手(アリヨナ・ラソヒナと再背)と対戦する可能性があります。その可能性についてのお気持ちをお聞かせください。
「個人的には難しい気持ちです。友達であるからこそ、スタンプとは試合したくないです。もし戦わなければとなったら……しょうがないですね。最終的に、仕事は仕事ですものね」
──一度、アンジェラ・リー選手が持つタイトルに挑戦する権利を持っていたと思いますが、またグランプリ1回戦から駆け上がることになりました。今回のトーナメントをどのように捉えていますか。
「現実を受けいれています(笑)。自分を試す機会でもあるし、チャンピオンベルトが自分に相応しいと世界に証明したいですね。自分の中では、チャンピオンとは、何でも受けいれて上に登っていくものだと考えています」
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イツキはサプライズが多い。決勝まで勝ち上がる可能性が高い
──グランプリ参戦の全選手が強豪という中で、試合に向けて、どんなマインドセットで臨みますか。
「8人の選手の中でも自分が最強、自分がナンバーワンの女子アトム級ファイターということを証明しに行く、という気持ちです」
──メン・ボー選手がトーナメント表の反対側にマッチアップされたことはどういう気持ちでしたか。
「私は誰とでも試合する準備はできています。メン・ボー選手と同じ側になるのでは、と思ったけど、実際は違いましたね。でも、対戦する可能性はまだあります」
──ハム・ソヒ選手とのグランプリ初戦は、「世界最強のアトム級選手である」ことを証明できるチャンスとも言えます。
「私が真のナンバーワンだって証明しますよ」
──トーナメント表のもうひとつの山で最後まで駆け上がるのは、どの選手だと思いますか。
「本当に全員が強くて、各国のベストファイターが選ばれている感じがするので難しいですね。選ぶとすれば、平田樹選手かメン・ボー選手ですね」
──平田樹選手のインスタグラムに「Good luck to us」とコメントしていましたね。2人とも勝ち上がれば、決勝戦で当たります。平田樹選手の印象を教えてください。
「平田樹選手は、決勝まで辿り着くチャンスを得る可能性が高いと思います。良い選手ですよね。オールラウンダーだし、グラウンドでも強い。試合ではいつもサプライズが多い気がします。だから彼女は決勝まで勝ち上がる可能性が高いと感じます」
──自分以外のマッチアップで、グランプリで誰が一番強い選手だと思いますか。
「スタンプ──でも全員、強いと思います」──ファン目線から見ると、どのマッチアップが一番楽しみになると考えますか。
「平田樹とONEデビュー選手の試合ですかね」──そのアリース・アンダーソン選手の印象はいかがですか。
「あまりよく知りませんが、ベテランファイターであると聞きました」
──4月の「ONE on TNT」大会でもいくつか大きい試合があります。同じフィリピンのアウンラ・ンサン選手対ビタリー・ビグダシュ選手の試合はどうなると考えていますか。
「アウンラ選手が復活して、勝つと思います」
──プロ8戦無敗でここまでたどり着きました。無敗を維持することについてプレッシャーを感じますか?
「自分ができる限りそのまま無敗で行きたいです。無敗をキープするのは難しいですが、頑張ります!」
──フルコンタクト空手&柔術のバックボーンを持つお兄さんのドレックス・サンボアンガ選手との、試合に向けた準備はいかがですか。
「準備は絶好調です。チームとゲームプランを立てていて、兄も私のスキル向上に協力してくれています。とても力になっています。兄は格闘技を始めた頃からそばにいるので、私の強みも弱みも理解していて、いつも助かっています」
──今回、ション・ジンナンvs.ミッシェル・ニコリニの女子ストロー級選手権試合をメインイベントにして、ONE史上初のオール女子大会となります。そのことについてのお気持ちをお聞かせください。
「そうですね。初めてのオール女子大会ということで、とても歴史的なイベントになるなと感じます。今までで一番のイベントになるだろうなと思います。最強の女子アトム級ファイターが集まるので、自分にとってもとても良いチャンスです」
──フィリピンの女子選手たちにとって憧れの存在かと思います。プレッシャーに感じますか?
「少し感じますが、自分の国を代表することができることを、誇りに思っています」
──あらためて、ハム・ソヒ選手との試合で、ザンボアンガ選手にどんなことに期待すべきですか。
「デニス・ザンボアンガのこれまでとは違う、ベスト・バージョンを期待してください! 5月28日をお楽しみに!」