空手家はいつ何時、誰が相手でも戦うとの信念を持っている田渕 (C)RISE
2021年4月17日(土)東京・後楽園ホール『RISE 148』にて、SuperFight!のフェザー級(-57.5kg)3分3R延長1RでRISEフェザー級王者・工藤政英(新宿レフティージム)と対戦する第2代アクセルバンタム級王者・田渕神太(拳聖塾)が9日(金)大阪の所属道場にて公開練習を行った。
田渕は空手とキックボクシングを並行して行う二刀流で、キックボクシングではACCELバンタム級王座とABWバンタム級王座を獲得。昨年12月にはACCELバンタム級王座の初防衛に成功すると、今年3月のHOOST CUPではOISHI GYMのルーキー・HΛLを判定で下している。シュートボクシングのリングにも上がるなど戦う場所や相手を選ばず、19勝(4KO)8敗2分の戦績を持つ。
公開練習ではシャドーとミット打ちを披露し、空手家ならではの力強い攻撃を繰り出した。
「高校生くらいからリングに立たせていただき、東京で試合をしたいと思っていて、妹と一緒にRISEという大きな舞台に立たせていただくのはここまで成長させていただいた師範や周りの環境のおかげだと思うので、大きい舞台に立たせていただきますがこここで満足せずに自分らしい戦い方が出来ればと思います」と田渕。
前回の試合が3月7日で短いスパンでの出場となるが、「2カ月連続といってもコンディションが悪くなるわけではありません。小学生の頃から毎週空手の試合をしてきたので、間隔が空くと逆に鈍るので連続で試合ができる環境を作ってくれた師範には感謝しています。間隔は短い方がいい調子で行けると思います。最高のコンディションで臨めます」と、むしろ短い方がいいとする。
対戦する工藤については「試合映像を見ましたが、パンチもキックも上手い方で、強いのはボディとローキック。あれは注意しないといけないと思いました。他にもたくさん技術面やフィジカル面などでとても強い選手。そこに負けない気持ちは持っていると思うので、しっかりと試合までに仕上げて持っていきたい」と、気持ちで立ち向かっていきたいとした。
そのため「下半身の強さもそうですが、工藤選手はどんどん前に出て戦う選手なので、僕もアウトボクサーではないので最後は気持ちのぶつかり合いだと思います。そこは師範に昔からご指導いただいて精神面を鍛えられているので、負けないと思います」と気持ちのぶつかり合いの試合になると予想する。
「気持ちの面を一番見て欲しいですね。技術とかは上の方へ行けるくらいはまだないと思うので、技術より精神面で戦ってきたので見て欲しいのは諦めずに戦って工藤選手に勝つところです」
今大会では妹の田渕涼香がRISE QUEENフライ級暫定王者・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)とタイトルマッチを行う。これまでも同じ日の大会に出場したことは数回あり、「両方勝っています」と兄妹揃って勝つことが多かったという。「ここまで一緒に練習してきたので、勝ってほしい気持ちがあります。僕が勝って次の涼香につなげて、涼香にもプレッシャーをかけたいと思います(笑)」と、まずは自分が勝って弾みをつけたいとする。
「兄妹だからこそ言い合える部分があるので、悪いところや癖をどんどん言ってお互い直すようにしています。言い合ってそこを意識しながら練習しています」と兄妹だからできる練習があると言い、「妹がRISE初戦で勝って目立っているので、僕自身を見ていただければと思っています」とRISE初戦で妹に負けないインパクトを残したいと話す。
すでに29戦ものキャリアを持っているのは「弱い相手を選んで戦うのではなく、師範の指導からそうなんですが、空手は無差別なので誰が相手でも戦います。相手が強くてこっちの評価が低くても戦います。ルールが違うシュートボクシングでもオファーがくればやります」と、いつ何時誰が相手でも戦うというのが師範の教えなのだという。
今回の出場も「RISEからオファーが来て光栄でしたし、ここで受けないと空手家じゃない。相手は階級が上でチャンピオンでもしっかり受けて戦えるところを見せるのが空手家だと思っているので受けさせていただきました」と、空手家としての誇りのためだ。
自分の強みは何かと聞かれると「精神面は特に師範に感謝しています。昔からそこは徹底的に指導していただきました。空手ならではの打たれ強さもあります。ダウンを一度も取られたことがないのでそこが強みだと思っています」と、精神面と打たれ強さには絶対の自信を持ち、「倒れることはないと思います」とキッパリ。
工藤はローキックを得意とするが、「自分の場合はローと言うよりも下段廻し蹴りで蹴るので、外側の痛みではなく中に痛みが来るように意識して蹴っています。蹴り合いなら負けない」と自信を見せる。工藤のもうひとつの必殺技ボディブローに関しても「ボディ、もローも空手で鍛えているので、それを効かされることはないと思います」とする。
空手の大会にも並行して出場しており、「昨年はコロナの影響で空手の大会に出られていなくて、12月にJKJO全国大会に出場しましたが1回戦で敗退してしまいました」という。
並行して行うメリットを聞くと「空手の間合いとキックボクシングの間合いは違うので、空手のいいところをキックボクシングで活かかせたり、キックボクシングのいいところを空手に活かせて戦えるように考えています」と、両方のいいところを使って戦うと答えた。