壮絶な過去を持っているとは思えないノリのNo-Ri-。東京で一旗あげるか (C)KNOCK OUT
2021年4月25日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.2』にて、龍聖(TRY HARD GYM)と対戦する元TENKAICHIバンタム級王者No-Ri-(=ノーリー/ワイルドシーサーコザ)のインタビューが主催者を通して届いた。
No-Ri-は沖縄の格闘技イベント『TENKAICHI』を主戦場とするファイター。2017年3月にTENKAICHIバンタム級王座決定戦で2RKO勝ちを飾って、初のベルト奪取に成功。前回の試合は昨年3月にフェザー級契約で、相手選手の反則により不本意な判定勝利。その後はコロナ禍で試合機会に飢えており、今回のKNOCK OUT初参戦に闘志を燃やしているという。バックスピンキックなど派手な大技を武器とし、入場時は派手なダンスを披露して会場を沸かせる「TENKAICHI」きっての人気ファイターがKNOCK OUTに初登場。
初の東京での試合に様々な思いを抱いているようだ。No-Ri-がこの試合、どうしても勝ちたい理由とは?
小中学校時代にいじめられていて、須藤元気選手を見て憧れて
──今回、『KNOCK OUT』に初出場となりました。決まった時はどう思われましたか?
「東京での試合も初めてですし、それで『KNOCK OUT』という大きなイベントに出させてもらって光栄に思ってます」
──相手の龍聖選手については?
「対戦が決まる前からYouTubeで見てたんですよ。相手を煽ったりもしていますが、それでも自分は彼のことを尊敬していたので、対戦が決まってうれしいです。体幹も強いし、目もいいし、パンチもキックも今までと違ったスタイルの選手なので、楽しみです」
──ものすごい勢いで攻め込んでくるタイプの選手ですが。
「すごいなと思います。ただ、前回KOできなくて判定に終わった試合でもいい試合をしていたので、そこがさらにすごいですよね」
──No-Ri-選手は、自分で言うとどういう選手でしょうか?
「試合では回転技が得意なので、注目してほしいです。龍聖選手に当てる自信もあります。あとは左ミドルキックが得意です」
──今回が東京では初ということなので、プロフィール的なこともお聞きします。現在まで23戦されているとのことですが、デビューはいつだったんですか?
「高校生の時で、2007年に沖縄でデビューしました。ただ、間に1回引退していて、4年間ブランクがあるので、選手としてのキャリアは今年で10年ぐらいです」
──一度やめられたのはどういう理由だったんですか?
「調理師学校に行ったんですが、学校が遠かったので、一度キックはやめたんです。それで料理の道に進んだんですが、合わなくてやめたんですね。そこで友達に『やりたいことをやった方がいい』と言われて、キックに復帰しました。復帰してからは6年ぐらいになります」
──これまでの試合は全部沖縄での大会ですか?
「一度だけ、2018年4月に群馬県で試合をしたことがあります。その時、僕が沖縄のTENKAICHIチャンピオンで、群馬のTENKAICHIチャンピオンと王座統一戦をやったんです。その試合は1RKOで負けて、ベルトを取られてしまったんですが。それ以外は全部沖縄です」
──となると、遠征しての試合は気持ち的にいかがですか?
「やっぱり緊張しますし、応援団もいないので、沖縄での試合とはだいぶ違いますね。ただ今回も、沖縄から応援してくれるという声はたくさんもらっているので、期待に応えて頑張りたいと思います」
──東京や首都圏の選手に対抗心は強いですか?
「そうですね。インパクトのある技を見せて、『沖縄にもこういう選手がいるぞ」というところをアピールしたいですね」
──負けなしの龍聖選手に勝てば、それだけでインパクトがありますからね。
「自分の役割は今回、噛ませ犬じゃないですか。でもここで勝てば一気に上に上がれると思うので、頑張りたいです」
──No-Ri-選手のことは「沖縄の試合では派手に踊りながらの入場で人気」と紹介されています。YouTubeで試合映像を見ても、確かに入場が盛り上がってますね。
「そうなんですけど、今回は東京なのでバックダンサーもいないので、クールに入場したいと思ってます」
──あ、ダンスは今回はナシですか。
「普段はバックダンサーがたくさんいてくれて、みんなで踊りながら入場してるんです。やりたかったんですけど、東京ではバックダンサーを揃えるのも難しいので、残念ながら厳しいですね。これから勝っていって、東京でもあの入場をみんなに見せられるようになりたいです。須藤元気選手に憧れて始めたことなので」
──須藤元気さんがモデルでしたか!
「はい。自分は小中学校時代にいじめられていて、それがきっかけで格闘技を始めたんです。その時に須藤元気選手を見て憧れて、『俺もこういうことがやりたい』と思ったんですよ。最初は一人で踊って入場してたんですが、だんだん知名度が上がってきて、バックダンサーも雇うようになって人気が出ました(笑)」
──須藤元気さんも最初は一人で踊ってましたからね。
「もう一つありまして、僕は生まれつき両耳が難聴なんです。さらに5年前ぐらいに両目の難病が発覚して、視野が狭いんですよ。そういう難聴や難病を持っていても、東京でこういう大きな試合に出られるということで、同じ病気の人たちに夢を与えたいと思って、命がけで頑張っています」
──今回の試合にはいろんな思いがあるわけですね。そういうところも含めて、試合で一番見てほしいところはどこですか?
「一番得意なのはバックスピンキックなので、タイミングよく当たるところを見てほしいですね。周りからは『99%負ける』と言われてるんですが、残りの1%に賭けてます。自分では勝つ自信もありますし、自分を信じて戦いたいと思います」
──ありがとうございました!