今度は言い訳できないような勝ち方をして、僕がベルトをいただく
──ここで勝てばチャンピオンです。ベルトについてはどんな思いがありますか?
「ベタな言葉かもしれないですけど、KNOCK OUTのチャンピオンになって、夢や希望を与えられる選手になりたいなと思ってるんですね。自分みたいな地味で泥臭い選手が、格上の選手をどんどん倒して這い上がっていくストーリーというのを、見ている人に伝えられたらと思っています。ベルトはそのためにも必要だし、チャンピオンとして団体を問わずいろんな強い選手ともやってみたいと思っているので、このベルトがそのための切符になるのかなと」
──「チャンピオンになる」ということは、キックボクシングを始めた頃から目指していたものですか?
「もちろん目指してたんですけど、目の前の敵に集中してやってきた結果、今があるという感じですかね。先のプランはある程度あるにせよ、途中でダメな時期もあって、心が折れそうになる時もあったんですよ。それも越えて、やっとここまで来たかという感じです」
──ここに至る道のりで、実感として一番成長できた点というのは、どういうところですか?
「2~3年前ぐらいから『どうやったら勝てるのか』ということを考えて、生活から見直すようになりました。食べるものも変えたり可能な中でやれることは全部やって、それぐらいの時期から負けないようになったんですよ。練習に対するモチベーションもすごく高くなっているし、そこが一番変わった点だと思います」
──意識から変わったということですね。ここまで、所属するスクランブル渋谷の増田博正会長からはどんなことを言われていますか?
「基本的に誉められることはほとんどなくて、常に厳しい言葉をかけていただいてます。僕が慢心しないように、いつも『こんなもんじゃないぞ』って釘を刺してくれていますね。最近一番言われているのは、『絶対油断するなよ』ということですね」
──冒頭で、「KNOCK OUTを背負っていく」という言葉がありました。そういう気持ちも強い?
「はい。KNOCK OUTのチャンピオンとして、他団体のチャンピオンもどんどん倒していけるようになりたいです。自分は今年30歳になって、勢いで言うと10代とか20代前半の選手たちの方があると思うんですけど、ちょっと見方が違うというか。僕が30歳でKNOCK OUTのタイトルを獲って、ここからスターに駆け上がっていくストーリーを見せたいですね。それが見てる人にとって夢とか希望になると思うので。『30歳からでもこんなにできるんだ』というところを見せたいです」
──改めて、今回の試合で一番見てもらいたいところは?
「やっぱり、ベルトに対する気持ちですかね。バズーカ選手もリベンジマッチで防衛戦ということで、負けられない試合ですよね。それと、僕のベルトに対する気持ちのぶつかり合いになると思います」
──そのぶつかり合いに負けない自信がある?
「カード発表会見でも、『集中力が切れた』とかって言い訳してたじゃないですか。そういうヤツにベルトを巻かせたままではいさせられないというか。今度は言い訳できないような勝ち方をして、僕がベルトをいただきます」
──分かりました。ありがとうございました!