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レポート

【PANCRASE】手塚基伸が勝利し、バンタム級ベルト獲りとRIZIN挑戦をアピール、名田英平が判定勝ち、太田裕稀が一本勝ち

2021/04/05 17:04
 2021年4月4日 大阪・コレガスタジオにて、「PANCRASE大阪大会」がリングにて行われた。  メインでは、UFC参戦経験を持ち、第3代GRACHANバンタム級王者、初代HEATバンタム級王者に輝いた手塚基伸(シークレットベースドミネート・コブラ会)が約8年ぶりにPANCRASEマットに復帰した。  手塚は、UFC後、PANCRASEにカムバックし、2013年5月の中島太一戦(判定勝ち)まで主戦場にしていたが、2013年10月にVTJに出場すると、GRACHAN、HEATを経て、2019年6月から修斗に参戦。奇天烈に肩固めで一本勝ちを飾ると、11月に小野島恒太に判定勝ち、2020年1月に魚井フルスイングに負傷TKO勝ちと修斗3連勝を飾っていた。今回が約8年ぶりのPANCRASE復帰戦で、1年3カ月ぶりの試合となる。  対するはバンタム級10位の土肥潤(総合格闘技道場MIBURO)。ハンセン玲雄、瀧口脩生を相手に2連勝した土肥は、2019年11月の「DEEP&PANCRASE大阪」で三村亘にスプリット判定負け。2020年7月に関原翔に判定勝ちも2020年12月の前戦で花レメ紋次郎TKに判定負けと、白星と黒星を繰り返している。  手塚は試合前のビデオで、「格闘技が好きという思いと、やっぱり格闘技に対する意地、そこでモチベーションを保っている。歳を重ねて、いろいろな状況も味わってきたので、精神的には強くなっていると思います」と心境を語り、2014年にHEATで祖根寿麻を極めたトラックポジションからの変形ツイスター=鬼神固めを披露し「狙えるタイミングがあったらしっかり狙って一本を取ります」と意気込みを語る。 「もともとPANCRASEのベルトが欲しくてやっていたので、このタイモングでまた来れたので、スパッとまたベルトまで突っ走りたい」と、バンタム級王座獲得を目標とする。  対する土肥は、高校時代にレスリングを学び、桜庭和志に憧れてMMAを始めた。「緊張して頭が真っ白になってグラウンドに行くスタイルになった」というが、手塚戦に向け、「戦う前は怖いけど、試合中は怖いとは思わない。僕が失うものは何もない。残り何試合できるか分からないですけど、いつも通り自分らしい試合をしたい」と、静かな闘志を見せた。  また、“聖帝”のニックネームについて、同門のエダ“塾長”こうすけから「(北斗の拳の)聖帝サウザーに声が似ている」ということで付けられたことを明かし、「特に思入れは無いです」とはにかんで答えている。 ▼メインイベント バンタム級5分3R×土肥潤(MIBURO) [判定0-3] ※島村27-30/加納28-29/鶴和28-29〇手塚基伸(シークレットベースドミネート・コブラ会)  1R、ともにサウスポー構えから。後ろ蹴りで牽制する手塚に、かわす土肥は、手塚の左フックの打ち終わりに組み付き、四つからコーナーに押し込んで、シングルレッグのハイクラッチに移行、手塚の左足を刈って手前に引き出そうとするが、足を戻す手塚に対し引き込んで自ら下に。ハーフで作ろうとするが、足を抜いた手塚がマウントへ。  亀になって立とうとする土肥のバックを奪い、シングルバックでコントロール、後ろから腹にパウンドを入れる。さらにリアネイキドチョークをパームトゥパームで絞ると、絞め手を解いた土肥の正対狙いに、トラックポジションも狙う。オープンジャッジは、3者ともに10-9手塚のラウンドに。  2R、左から右を振って前に出る手塚。遠間からの土肥のシングルレッグを切って潰すとディープハーフを狙う土肥の潜りからの左足手繰りを左腕で剥がして、細かい鉄槌連打。土肥が左肩を開けると肩固めも狙う。下からネッククランクを狙う土肥だがハーフガードで不十分。キムラ狙いも手塚に剥がされ、手塚の肩固め狙いに背中を見せる。  両足をかけ完全バックを奪う手塚。片足を外しシングルレッグで正対を試みる土肥の足をすくいに行くが、切った土肥が上に。インサイドガードからパスを狙う。  3R、手塚は左振って土肥を誘い出すと、左で差してボディロックから回してテイクダウン。ハーフガードの土肥に対し手塚はパスガード、マウントを奪いバックへ。4の字ロックを組むが、腰をずらしていた土肥が正対。  インサイドから右足をまたぎヒジ狙い。すぐにフルガードに戻す手塚は左手を差し入れてスイッチ狙い、さらに下からキムラを狙う。それを切った土肥が上からパスを狙うと、手塚はいったん亀になってから土肥のクラッチを掴み、キムラを狙うが土肥も放さず。ゴング。  判定は3-0(30-27, 29-28, 29-28)で試合を作った手塚が勝利。息子をリングに上げ、勝利の記念撮影をすると、マイクで「このコロナ禍のなかご来場ありがとうございました。またこういう場を提供していただきありがとうございました」と周囲に感謝の言葉を述べると、「今回、いままでにないくらい苦しかったんですけど、今回55戦目で35勝、とにかくPANCRASEというのは俺はこういう泥くさい試合だと思っています。またこうやって戻ってこれて嬉しく思います」と、8年ぶりのPANCRASEカムバックを語った。 「あとRIZINで……今日はアカンかったけど、またゼロから作り直して、RIZINが盛り上がっているんで、俺も最後にひと噛みしたいと思っているんで、この後、PANCRASEでベルトを獲ります、よろしくお願いします」と、ハファエル・シウバが持つバンタム級王座獲得とRIZIN参戦をアピールした。 [nextpage]  2019年にDARANI DATE、立成洋太、葛西和希を下し、ネオブラッド・トーナメントフェザー級優勝を果たした名田。2020年12月の「TTF Challenge 09」では高橋孝徳に判定負けしており、4カ月ぶりの再起戦となる。  GRABAKAの小森は、2018年12月のFighting NEXUS 2連勝から、2019年はPANCRASEで2勝1敗も林大陽、透暉鷹、林優作を相手に3連敗中。再起を果たせるか。 ▼セミファイナル フェザー級5分3R〇名田英平(総合格闘技道場コブラ会)[判定3-0] ※島村29-28/加納29-28/鶴和29-28×小森真誉(GRABAKA)  1R、ともにオーソドックス構えから。右ローから入る名田。その3発目を詰める小森は四つに組んで小外がけテイクダウンでサイドに。腰を切りフルガードに戻してロープを背に立ち上がる名田。左右ミドルは小森。名田は右カーフキックを打つ。再び組む小森。両脇を差し返す名田は、小森が頭を下げたところにギロチン狙い。そこにヒザも突き上げる。名田の左ミドルの打ち終わりに組み付く小森だが、逆に名田が小外がけテイクダウン。サイドに回るが、小森は亀から立ち上がるも、尻下でクラッチ組む名田がリフトし再びテイクダウンを奪い、ゴング。ジャッジ2者が10-9で名田のラウンドに。  2R、右を突きシングルレッグに入る小森を切る名田。小森の左ミドルの打ち終わりに右ストレートも突く。左ダブルも突く名田に組む小森。差し返して離れる名田は、左ストレートの飛び込み! 小森のワンツーをかわし右から左を当てる。右カーフを当てる名田。その2発目を掴みにいく小森だが、切る名田はさらに右カーフキック。3発目のカーフを詰めてテイクダウンは小森。名田の立ち上がりにスタンドバックにつくが、名田はコーナー際で正対。  3R、詰める小森は左右を連打し前へ。組んで脇を潜りスタンドバックについて右足をかけるが、その右足にヒジを落とす名田。ブレーク。  大きな右を振り組む小森。四つからワンツーの連打で左を当てる小森がコーナーに詰めるが、頭が下がると名田はギロチンからがぶりヒザ蹴り! 中腰のまま連打を受けた小森は頭を上げると四つからボディロック、小外がけサバ折りテイクダウン! そのままマウントを奪い、肩パンチから振りかぶってパウンドも、その際で亀になる名田。そこに背中についていく小森がバックを奪うが、すぐに名田が腰をずらして正対上に。インサイドガードから名田がパウンドしてゴング。  判定は3-0(29-28×3)で名田が勝利。再起を果たした。 [nextpage]  2014年12月のPANCRASE大阪大会から9勝1分けと負け無しの太田は、2017年ネオブラッド・トーナメント・ライト級優勝者。2020年8月の前戦『DEEP OSAKA IMPACT 2020』で3年ぶりにMMA復帰し、峯望実(SMOKER GYM)に1R TKO勝ちを収めている。  対する鈴木道場長(UBF)は、DEEPやPANCRASEの大阪大会に出場。2018年4月に渡部拓馬に判定勝ちも、金田一孝介に判定負け、小林孝至とドロー、2019年4月の前戦「DEEP Cage Impact in Osaka」では木村俊也にスプリット判定負けとなっている。 ▼第5試合 ライト級 3分3R〇太田裕稀(パンクラス大阪稲垣組) [3R 1分26秒 腕十字]×鈴木道場長(UBF)  序盤からサウスポーの左ミドル、インローを当て、左ストレートで圧力をかける太田。2Rにはダブルレッグテイクダウンでバックを奪取。パウンドから足をかけに行く。3R、サウスポー構えから太田は左を突いて前進。ボディロックからバックテイクし、小外で前方に崩してテイクダウン。両足をフックし、背後からパウンド、リアネイキドチョークを狙いつつ、鉄槌、腕十字を極めた。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級 3分3R〇ハンセン玲雄(総合格闘技道場reliable) [判定2-1] ※吉田29-28/島村29-28/鶴和28-29×夢虎龍生(パンクラス大阪稲垣組) ▼第3試合 フライ級 3分3R〇長屋正悟(パンクラス大阪稲垣組)[1R 1分35秒 TKO] ※パウンド×前田太輝(修和館)  ともにオーソドックス構え。ダブルレッグダイブでテイクダウンを奪う長屋がマウント奪い、ヒジ連打! 前田が出血し、レフェリーが間に入った。 ▼第2試合 フライ級 3分3R〇KARL(総合格闘技道場コブラ会) [2R 1分35秒 肩固め]×大空(パンクラス大阪稲垣組)  1Rは大空が右フックでダウンを奪うが、KARLはシングルレッグから立ち上がり、ボディロックテイクダウン。コーナー使い立つ大空が体を入れ替えるが、組み力はKARL。再び右で差して脇を潜り、スタンドバック。大空の正対際に上を取る。  2R早々にダブルレッグテイクダウンからバックを奪うKARL。バックからマウントへの移行の際で大空の右脇が開いたところに肩固め。サイドに回りタップを奪った。 ▼第1試合 バンタム級 3分3R×田中ハヤトスネ夫(ASH) [2R 0分17秒 KO] ※左ハイキック〇山﨑鼓大(BLOWS)  1R、サウスポー構えの山﨑にオーソドックス構えの田中が詰めてダブルレッグテイクダウン。尻は着ける山﨑だが、コーナー使い立ち上がり。なおも詰める田中だが突き放す山﨑。  2R、山﨑の左ローが金的に入り中断。再開。ローブローに腰が引き気味の田中に山﨑は左ハイ! 田中がヒザから崩れ、すぐにレフェリーがストップ。
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