2021年4月4日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX』の第4試合、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級3分3R延長1Rで対戦する、森岡悠樹(北流会君津ジム)と前DEEP☆KICK 57.5kg王者・横野洋(キックボクシングジム3K)のインタビューが主催者を通じて届いた。
「心を入れ替えて練習も変えました。1Rからガンガンいきます」
森岡は昨年の『KNOCK OUT』と『REBELS』で2月の小笠原裕典戦、12月の古村光戦と、2試合続けて延長で涙を呑んでおり、ここで力を見せたいところ。そのために取り組んでいることとは……。
──ここまで『KNOCK OUT』『REBELS』ではなかなか結果が出てない状態ですが……。
「小笠原裕典戦、古村光戦とチャンスをいただいたのに勝てなくて。どちらの試合もストレートを武器にKOを狙いにいってるんですけど、当てても決めきれない試合で延長まで行ってしまうという試合になってしまって。今回の試合って、後楽園大会に挟まれてますけど、そっちではなく新宿FACE大会にオファーをいただいたということが悔しかったんですよね。だからここはしっかり勝ちたいと思ってます。相手のことはそんなに気にしてないんですけど、今回はとにかくKOで結果を残したいと思っています」
──延長までもつれるぐらいで、惜しい展開ではあったと思います。足りなかったものとは何でしょう?
「小笠原戦も古村戦も、試合全体で見ると自分が負けてるんですけど、パンチのカウンターだったり自信を持ってる武器はしっかり出せてるんですよね。ホントに『決めきれない』感じで、後から試合映像を見ても『何でここで攻めにいかないんだろうな』というところがあって、そういうところが敗因につながってると思います」
──それは気持ちの問題?
「そうですね。自分の気持ちと、スタミナもたぶんあるんですよね。一度延長を経験しているので、心の中で『延長があるんじゃないか』と思って勝手にセーブしてしまうところもあって」
──延長を警戒して、本戦で出し切らずに終わってしまうと。
「はい。そういうところを間違えてしまって、その後の流れで持っていかれてしまうというのもありますね」
──その改善のための練習では、どういうところを心がけていますか?
「今回は3Rで終わっても延長になっても気にしないで1Rからガンガン攻められるように、スタミナと、ストレートでも蹴りでも一発一発、力を込めて出せるように、そういう練習をしています」
──スタミナ面ではどのような練習を?
「以前からもやってはいたんですけど、練習量を増やしています。試合が終わった後に古村君と話したんですけど、キック一本の生活で3部練とかやってるらしいんですよね。やっぱり練習量で全然負けてるなと思って、いくら仕事しながらとは言え、同じ土俵でやってる以上は自分も増やさないとなということで、ダッシュだったりインターバル・トレーニングだったりを強化しています。もともと、身長が175cmなので55kgの階級では線が細くて、それも試合で相手と向かい合って体感したので、筋トレも増やすようにしてます」
──以前のインタビューで、船に乗る仕事(船舶運転)で時間が不規則だと話されていましたよね。
「そうなんですよね。そこを今まで言い訳にしちゃってた部分もあったので。やっぱり試合に出してもらってる以上は、『スタミナがなくて攻められませんでした』という試合をこれ以上見せられないなと思って、心を入れ替えてます」
──時間についてはどうにもならないところを、取り組みで変えるという感じですか。
「はい。一人の時間でもダラダラせず、密度の濃い練習をしっかりやるように意識しています。もともとフィジカルとか筋トレは好きじゃなかったんですけど、それもちゃんと向き合うようにして」
──さて、今回の対戦相手である横野洋選手ですが、試合映像などは見られましたか?
「1月の炎出丸選手との試合は見ました。身長は僕とほとんど変わらなくて、ガツガツ来るというよりは距離を取ってテクニックで戦う選手ですよね。僕が出ないと見合ってしまうことになって、しょっぱい試合になってしまうので、1Rからいけるように考えてやってます」
──横野選手は前回『REBELS』初参戦で、キャリアで大きく上回る炎出丸選手を倒して勢いに乗っています。そういう点については?
「そうなんですけど、正直僕が戦ってきた裕典選手、古村選手の方が全然上だと思っているので、ここでも負けちゃうと本当に後がないと思ってます。地方から来て、『やってやるぞ』という強い気持ちで向かってくると思うので、気持ちで負けないようにしたいです」
──同時に、全大会で同じ階級のチャンピオンが決まりましたが。
「小笠原瑛作選手はこの階級でも頭一つ抜けてるなと思っていたので、まだ『そこを目指します』という大口を叩けるレベルではないと思ってます。まず一つずつしっかり勝って、これまでに負けた選手とも戦っていって、リベンジする機会をもらえるようにしていきたいです」
──『REBELS』封印から『KNOCK OUT』がREBORNということで、各階級での戦いもより活発化しています。その中でアピールしていくために、ここから必要なことは何だと思っていますか?
「僕が戦っているスーパーバンタム級は、テクニックがある選手は多いですけど、鈴木千裕選手みたいに1Rからガンガンいってドカンと倒せる選手は少ないですよね。そこを目指していけたらと思ってます。僕が持ってるものをしっかり生かせれば、そうなれると思っているので。そのために必要で、今一番重点を置いているのがスタミナとパワーですね」
──パワーの話は先ほども出ましたね。
「まだまだ必要だと思ってますね。けっこうカウンターで入れることが多いので、ガードの上からでも効かせられるようなパンチ力が必要だと感じてます。あとパンチは得意なんですけど、蹴りをもらうとパワーの差を痛感するので、全体的なパワーを上げていきたいですね。そのために、今はジムで高重量のトレーニングをしっかりやるようにしています。ダッシュとかミット、スパーリングとかは好きなんですけど、地味な筋トレは得意じゃなかったんですよ。でもそれではやっていけないと思って、しっかりやっています」
──今回、一番見てほしい点はどこでしょう?
「1Rからガツガツ攻めていこうと思っているので、最初からしっかり見てほしいと思います」
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「倒して勝ったら、瑛作しかいないでしょ。毎日酒飲んでますけど(笑)」
1月の『REBELS』新宿FACE大会で、炎出丸を縦ヒジでカットして勝利。初参戦で大きなインパクトを残した横野は酒好きで練習嫌いだった!? その実態と、次戦、さらにその先への自信に迫る。
──1月の『REBELS』新宿FACE大会では初参戦で炎出丸選手に勝利して、いいアピールができたのでは?
「はい。でも炎出丸、次の本戦で試合が決まってて『何でなん?』って感じですけど」
──そうですか……。ただキャリアではかなり差がある対戦だったと思うんですが……。
「そんなに気にはならなかったですね。実際対戦しても、『60戦、何してきたん?』って感じでしたから(笑)」
──では、「当然勝った」という結果?
「そうですね。もともと『絶対勝てるやろ』と思ってたんで」
──前回の試合が移籍第1戦で、以前にはDEEP KICKの57.5kg王座も獲得されていますよね。前回から階級を下げたんでしょうか?
「もともと55kgでやってたんですよ。で、57.5kgでトーナメントの話が来たので、その時だけ上げてた感じです」
──ヒジありの試合も少なかったですよね? 前回はそのヒジで勝ちましたが。
「前に1回だけやったことがあって、2回目でした。ヒジはパンチと一緒かなと思ってたんで、あんまり変わらなかったですね。人に対して打ったのは初めてぐらいだったんですけど、ストレートと同じ感じかなと思って出したらいけた、って感じですね」
──というところで、今回は森岡悠樹選手との試合です。今度も自信はある?
「そうですね。打撃はまあ大丈夫だと思うんですけど、デカいんで、そこだけどうかなというところですね。あと首相撲の練習は全くと言っていいほどしてないんで、ちょっと怖いなというのはありますけど。まあでも、これをクリアしたらもう瑛作しかいないんで、しっかり勝ちたいなと思ってます」
──先ほどから「炎出丸」「瑛作」と呼び捨てですね(笑)。
「ああ、ずっとファン目線でおったんで(笑)。でもまあ、呼び捨てで書いてもらって大丈夫ですけど」
──森岡選手に戻りますが、攻撃面での印象などは?
「デカいというところぐらいですね。あとは首相撲が分からないぐらいで、打撃は全然大丈夫だと思うんで」
──どう勝ちたいですか?
「この前、ヒジで勝ったのに宮田さんから『次は打撃のKOが見たい』みたいなことを言われたんで、打撃で倒したいと思います(笑)。まあもともと打撃は自信あるんで」
──今回が東京で2戦目ということで、自己紹介的に言うとするとどうなりますか?
「普段、みんなに言われるのは、『格闘家っぽくないね』ってことですね。そんなにギラギラしてないというか、のんびりしてるんで」
──でもリング上では変わる?
「そうですね。殴り合いは楽しいんで」
──でも、ここまでのお話も十分ギラギラしてるように思えるんですが……。
「そうですかね? 思ってることを言ってるだけですけどね(笑)」
──じゃあ、リングに上がるとスイッチが入る感じ?
「いや、そういうわけでもなくて、いつも通りですね。本気になったら負けかなと思ってるんで」
──前回の試合前日会見も、「トボけた発言を連発」的に報道されてましたよね。
「あれも、普通に思ってることを言ってたらそう書かれたんですよね(笑)。トボけたつもりは全然なかったんですけど(笑)」
──では改めて、今回の試合は……。
「ホントに、次勝てば後は敵が誰もいないと思うんで、チャンピオンだけですね」
──そこも自信がありそうですね。
「やりやすそうかなとは思います。穴がいっぱいあるんで、僕はそこをうまく突けると思ってて。チャンピオンとやるためにも分かりやすい倒し方をしないといけないので、そこを意識したいですね」
──倒し方はいくつか用意してる感じですか?
「いや、僕はいつもそんな用意とかせず、その場の閃きというか、ノリで倒すタイプなので、当たりそうなヤツで倒します」
──ノリで。
「早よ倒して早よ帰りたい、ぐらいの感じですね」
──なるほど、試合への自信はよく分かりました。さて、今の所属であるキックボクシングジム3Kは近藤兄弟のイメージが強いジムですが、近藤大成代表の指導を受けて……
「指導を受けてるんかなあ?って感じですけどね。あんまり行ってないんで」
──ん? 練習場所がまた別にあるとか?
「いや、練習する場所はほとんど3Kなんですけど、そもそもあんまり行ってないんですよ。昔は毎日やってましたけど、今は週に2~3回行けたらいい方で」
──そうですか! では試合前の追い込みとかもやってないんですか?
「やってないですね。相手がおったら対人練習もしますけど、誰もおらんかったらサンドバッグ殴って終わり、みたいな感じで。みっちりスケジュールとか組んだらイヤになるタイプやし、ジムが家からちょっと遠いんで、行くのが面倒くさいなって」
──そういうタイプの選手は久しぶりです(笑)。
「正直、勝ちゃあいい話じゃないですか。こういう話をすると嫌われへんかなとは思いますけどね(笑)。こっちとしては『毎日お酒飲んでます』って感じなんで」
──毎日(笑)。お酒が強い?
「まあ普通やと思いますけどね。ビールから日本酒、何でも飲みますけど……とりあえず朝までは飲めるかな、ってぐらいで」
──それは十分強いと思います(笑)。近藤兄弟のイメージからはかけ離れているので、ちょっと驚きました。
「あのジムはマジメなイメージがありますよね。でも代表が、僕の強さはそこだからそれでいいって言ってくれてるんで。瑛作とかもそうですけど、相手もマジメな選手が多いんで、このままでいけたらいいなと思ってます」
──なるほど。もう一つ、東京での試合は気合いが入るとかはありますか?
「いや、『遠いなあ』ぐらいしか思わないですね。だからチャンピオンになって、地元で大会をやってもらえるようにしたいですね。とりあえず今回はチャンピオンにアピールできる試合をしたいので、見ててください」
──分かりました。ありがとうございました!