キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】栗秋祥梧「今回は本当に見ないと損する」vs兼田将暉「今回で4連敗になってもらいます」

2021/03/24 21:03
 2021年4月4日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX』のメインイベント、KNOCK OUT-BLACKフェザー級3分3R延長1Rで対戦する、栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺) と兼田将暉(RKS顕修塾) のインタビューが主催者を通じて届いた。  栗秋は近年のREBELSを牽引する存在で、2019年8月大会で185戦166勝の戦績を持つルンピニースタジアムの元ランカーをKO、10月のKNOCK OUTではISKAスペイン・ムエタイ・フェザー級王者ミケール・フェルナンデスを降している。また、12月にはシュートボクシングに参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者・植山征紀をヒジ打ちでTKOに葬り、2020年2月のKNOCK OUTでは駿太もヒジでTKOに破り4連勝。しかし、9月のKNOCK OUTで宮元啓介、12月にダウサコン、そして2021年2月のシュートボクシングで笠原友希に敗れて泥沼の3連敗。これまでREDルール(ヒジ打ちあり)での試合が多かったが、今回はBLACKルールでの再起を図る。戦績は39勝(20KO)18敗3分。  豪快な勝利で頭角を現したものの、昨年から3連敗中。どん底を味わっている最中の栗秋は練習の内容も大きく変え、復活を期す。彼が今感じている「自信」の根拠とは? 「今、自信に満ち溢れています。次の試合は見ないと損しますよ」 ──このところ、なかなか結果が出てない状況ですが……。 「何とも言えないんですけど…。本当に何も語れない状況になってしまって。でも、これも与えられた試練なのかなと思ってます」 ──一つには、相手のレベルが上がってきているというのもあると思いますが。 「僕が上京した時からずっとチャンピオンクラスの選手ばかりとやらせていただいてるんですが、最近はすごく対策されているなというのも感じてます。正直に言うと、最近は誰も打ち合いはしてくれないですよね(笑)」 ──それを打開するための練習というのは? 「2連敗した時に、『次に負けたら本当に何も言えないな』と思ってて。その次、シュートボクシングで笠原祐希選手と戦って落としてしまった時、逆に気持ちがスッキリしたというか。言葉で言うのは難しいんですけど…また一から、初心に戻ってやらないとなと思えて、試合のすぐ翌日から練習を始めました。僕、スパーリングをしたくなくて、ずーっとやってなかったんですよ」 ──そうだったんですか。それはなぜ? 「ビビってたんですよ(笑)。小笠原瑛作さんのスパーとか見ると、『絶対ボコボコにされるだろ』って思ってたんです。だから試合ではぶっつけ本番で打ち合うみたいな感じで。でも今は週2回、2人ずつボクシングのスパーリングをやってもらうようになりました。小笠原瑛作さんだったり、今回一緒に試合に出る新田宗一朗だったり、井樋大介とか炎出丸さんとか鈴木千裕とか。階級関係なしにやっていこうという感じでやってます。その日その日のスパーリングを試合だと思って緊張感をしっかり高めて、でも緊張はせずに頭は使うという感じで取り組めているので、そういった面ではすごく成長できたかなと思います」 ──いろんなタイプの選手とスパーしているんですね。 「九州のジムにいた時は薄ーいグローブしかない中でお兄ちゃんにボコボコにされていたので、打たれ強さはあったんですよ。でも自分が手を出すのが苦手というか、『一方的にやられるんじゃないか』と思ってしまうメンタルの弱さがあったんですけど、今はそれも改善して、すごくいい練習ができてます」 ──クロスポイント吉祥寺には他にもたくさんの選手がいますが、スパーする選手はどう決めているんですか? 「僕の基準は、素早い選手と、パンチがバカ強い選手ですね。鈴木千裕なんかもそうですし。僕って、バン!って加速したらバン!って下がるタイプなんですけど、瑛作さんなんかは加速してからそれを継続できるんです。そういうのも取り入れたり、炎出丸さんは足を使いながら打ち合うのがうまいので、そういうのが勉強になるなと思ってます。今まで、いなされて打ち合いを避けられることが多かったんですけど、いなされる中でどうすれば打ち合いに持ち込めるかというのも気づきました。だから今回は期待してほしいです」 ──手応えがあるんですね。 「一人一人、練習が終わったらアドバイスやダメ出しをくれるんですよ。そのきっかけになったのが、小笠原裕典さんとスパーした時に、『やっぱりどっかで一発に頼っちゃってるよね。それじゃあ、相手が下がってガードを固めたら平気で受け止められるよ』って言ってもらえて。その後にもっと具体的なアドバイスももらったんですけど、それは次の試合で出したいので言えないんですけど(笑)」 ──大丈夫です(笑)。 「そこからスパーリングがメチャクチャ面白くなって、ジムのグループLINEに『○○さん、何時にスパーお願いします』っていつも書いてます(笑)」 ──これまでの試合を見ていると、いける時はすごく勢いが出ますけど、うまくいかない時の崩れ方が大きいという印象がありました。 「そうなんですよ。今はそこに重点を置いてます。反省点はいつもそこで、『相手のペースに呑まれると何もできないでしょ?』って言われることも多くて。なので、ペースを取られても取り返せるような練習をすごくやってます。そこはやっぱり、頭を使ってやってます」 ──これまで『REBELS』『KNOCK OUT』でも期待されていたことは感じてきたと思いますが……。 「僕、試合で引かないというメンタルは強いんですけど、日常でのメンタルはすごく弱いんですよ。試合前の自信が少しでもブレちゃうと、腑抜けたみたいな試合をしちゃうんですよね。だからあんまり周囲の期待とかは考えすぎないようにしてきました。そういう思いを背負った気にならないでいようと。そこでけっこう固まってしまうので、気楽にいこうと思ってます」 ──今回は新宿FACEでの『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX 2021 vol.1』の中心カードということになりました。そこは? 「ここ3戦の失敗は、自分で取り返すしかないんですよね。そういう内容の試合をしたいと思ってますし、やっぱり魅せないとファンはついてこないと思うんで。僕が『勝ちたい』と思った時点で、勝ち方を見せるのがプロだと思うので、『あの選手、やっぱりすごい魅力があるな』と思わせる試合をしたいです」 ──というところで、今回の相手である兼田将暉選手については? 「レベルが高い選手ですよね。K-1甲子園で優勝してますし。K-1甲子園は、他の優勝者もみんなけっこういいレベルまで行ってますよね。そう考えると、レベルは高いんだろうなとは思います。僕は相手の試合映像はあんまり見ないんですけど、タイ人のトレーナーに1試合見せられて、『よけてからの返しがうまいよ』って言われて。そこも対策しながら、そのさらに上を行くスピードをつける練習をしてます」 ──なるほど。 「今は自信に溢れてるんですよ。『負けて失った自信を取り戻すのは試合しかない』と思ってたんですけど、今は練習でどんどん自信をつけていて、相手が誰だろうと勢いに乗っていける気がしてます」 ──しかもそれは「根拠のある自信」ですよね。 「はい。そう思わせてもらえるのも、先輩とか周りの人々のサポートのおかげなので、そこへの感謝の気持ちもリング上で表したいなと思ってます」 ──3月大会で『KNOCK OUT』がREBORNとなって、主役争いも活発化してます。そこにも入っていかなきゃですよね? 「そうですね。フェザー級は安本晴翔選手もいて龍聖選手もいて、裕典さんも階級を上げて、しかもBLACKルールに来ました。僕も今回からBLACKルールでやっていくんですけど、今は誰にも負ける気はしないですよね(笑)。今は意味のある練習ができているので、試合でそれを証明して『やっぱり栗秋だな』と思わせるように、一人一人しっかりぶっ倒していきたいと思います」 ──今回の新宿FACEは、その第一歩になりそうですね。 「ぶっちゃけ言うと今回は、僕がこれから成り上がっていこうという団体に、他団体から乗り込まれたという気持ちもあります。だからしっかり覆して、また輝けるような自分になっていこうと思ってます。だから今回は本当に見ないと損すると思います。それぐらい、自信に満ち溢れてるんで」 ──それを見せてもらえるのが楽しみです。ありがとうございました! [nextpage]  対する兼田は関西キック界のフェザー級でトップに君臨する21歳。『K-1甲子園2017』の-60kgで優勝した後、ACCELフェザー級王者、元HEATキックライト級王者、元RKSスーパーフェザー級王者と3つの団体で王座を獲得している。戦績は13勝(6KO)2敗。  これまでは「将暉」のリングネームで関西圏を中心に活動してきた兼田は、今回の栗秋戦を足がかりに『KNOCK OUT』でトップ戦線に躍り出ての活躍を目論む。そこにはどんな思いがあるのか? 「スター候補をどんどん倒していって、自分がそのトップに立ちます」 ──最初に確認ですが、これまで東京での試合経験は……。 「今回が2回目になります。去年の1月、HEATのニューピアホール大会でヘンリー・セーハス選手とやったのが初めてです。新宿FACEは、K-1甲子園の予選で試合したことがありますが、プロでは今回が初めてになります」 ──では、今までプロの試合をした場所というのは? 「デビュー戦が大阪で、あとは東京と名古屋と中国があって、残りはほぼほぼ関西での試合ですね」 ──東京で試合をすることには、特別な気持ちというのはありますか? 「特にはないんですけど、関西でやってる時よりはアウェイだと思うので、しっかり気合いを入れていかんとなとは思ってます。ただ、東京の選手は試合も多いし、話題にもなりやすいじゃないですか。その中には『俺がやったら勝てるやろうな』と思うような選手もいるので、そういうのが話題になってたら『クソーッ!』とは思います」 ──そんな中で今回は、『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX 2021 vol.1』で栗秋祥梧選手との対戦です。栗秋選手の印象は? 「ムエタイルールの試合に出てるのを何回か見てて、強いなあとはずっと思ってました。でも、舞台が違うので対戦することはないかなあとは思ってて。今回対戦のお話をもらって、BLACKルールなので僕の土俵なのかなとは思うんですけど、かなり強いのは確かなので、決まった瞬間は『これに勝てばフェザー級のトップ戦線でやっていけるんじゃないか』と思いました」 ──試合を見て、動きや技についての印象は? 「ヒジがうまいなと。でもけっこうオールラウンダーな選手なのかなとも思ってます。最近3連敗らしいですけど、その試合は見てないんでどうだったのかは分からないです。連敗してしまうこともありますからね。でもまあ、今回で4連敗になってもらいます」 ──自信はあると。お客さんの中でも兼田選手を初めて見るという人も多いかと思いますが、自分としてはどんなスタイルですか? 「僕は要所要所で当ててしっかり倒すというスタイルでやってるんで、そこを見てもらえばいいかなと思います。しかも今回は『KNOCK OUT』で一発目なので、派手にKOで勝ちたいですね。一番理想はハイキックで失神KOです」 ──同門の先輩、石田勝希選手もスピードに乗って当てて、ハイキックで決めることもありますよね。 「そうですね。ジムの先輩で中学生ぐらいからずっと見てたので、あの戦い方は意識してます。あと同じジムでは兄(RYUKI)もキックをやってたんですけど、今はMMAに転向したので、それぞれで頑張っていけたらなと思ってます」 ──今回、栗秋選手に勝てば『KNOCK OUT』で駆け上がることができると思います。 「この前、記事で見たんですけど、フェザー級の王座決定トーナメントも開催されるかもということなので、そこにしっかり出場させてもらって、優勝してベルトを巻きたいという思いがあります」 ──気になる選手というと……。 「やっぱり龍聖選手ですね。率直に、メッチャ強いなと思ってます。今一番スター候補になってますけど、だからこそ自分がやって勝ちたいと思ってます。栗秋選手もスター候補の一人だと思うんで、そういう選手にどんどん勝っていって、自分がそこに入っていきたいですね」 ──やっぱりチャンスと感じてますか。 「そうですね。地元でしっかり戦績を残して上に行きたいと思ってた時に、宮田プロデューサーからオファーをいただいたので、『ここでやっていくか』と思いました。縁もあるんだと思います」 ──今度の試合で、一番見てほしいところは? 「負けない気持ちですね。誰にも負けないという気持ちでやってるので。骨が折れても倒しに行きたいと思います。この試合が『KNOCK OUT』で駆け上がっていく最初になるんで、見逃したらダメです。栗秋選手も強いし、地元・関西からやるしかないと思ってるんで、しっかり見てほしいです」 ──ありがとうございました!
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア