かつて同じ後楽園ホールでK-1甲子園2014王者・平本連に胸を貸した木村。今回も甲子園王者の挑戦を受ける
5月18日(土)東京・後楽園ホール『K-1 KRUSH FIGHT.101』で、K-1甲子園2017&2018 -65kg優勝・近藤魁成(大成会館)の挑戦を受け、K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王座の初防衛戦に臨む王者・木村"フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス)。
K-1及びKRUSHで国内外の強豪と拳を交えてきた木村に、今回挑む近藤はなんとプロキャリア3戦目。リスクも大きいこの一戦に木村が見ているものとは何か?
ピケオー戦は初めて負けて良かったと思えた一戦
――3月の「K'FESTA.2」では和島大海選手に豪快なKO勝利を収めました。あの試合を振り返っていただけますか?
「動き自体はすごく良くて、和島選手は苦手なタイプだったんですけど、ちゃんと対策通りに戦えて、自分の中では合格点の動きが出せたかなと。欲を言えば、最後の詰める時にちょっと勢いに身を任せ過ぎたぐらいの反省点で。あとはKOでバッチリ仕留めて興行的にもインパクトを残して『これがK-1だ』って戦いが出来たので、その点はホッとしました」
──ジョーダン・ピケオーに負けて、再起戦で和島選手という相手は木村選手にとって厳しい試合だったと思います。ピケオー戦後、精神的に落ちることはなかったですか?
「落ちなかったですね。それが正しいかどうか分からないですけど、試合直後は悔しいというよりも、控え室でチームのみんなと『こんなに強いヤツがいるんだ』って話したんですよ。それでK-1で一番になるために、もう一回自分を仕上げようと決めて、和島選手と戦うことになって。自分が強くなるという意志を確認するには、結果として良い相手だったのかなと思います。試合的にも1RでKOすることが出来て、間違いなく自分は成長してるなと感じました」
──ピケオーに敗れたことで、自分の弱点にも向き合うことができたようですね。
「そうですね。元々フィジカルは強い自信あったんですけど、ピケオーという世界でトップの怪物級のヤツとやってみて、ちょっとフィジカルの弱さを感じたんですよ。それで数字的なところから肉体のバランスを見直してトレーニングして、ピケオー戦の前と比べると純粋な筋肉量が3kg増えて、体脂肪は減るというバッチリなコンディションでした。だからピケオー戦は初めて負けて良かったと思えた一戦でしたね」
やっぱりKO出来るヤツこそが一番
──そして今大会では近藤選手の挑戦を受けることになりました。木村選手にとって今回の防衛戦にはどんなテーマを持っていますか?
「今年は強いところだけを見せてKOを量産すると決めてるので、近藤選手には申し訳ないですけど、1RでKOして『今の自分は間違いない』と確認して次に進むためのステップですね。和島戦が終わったあと、すぐに練習も再開して、自分の穴を潰す・弱点を消すよう
なトレーニングを続けています。どんどん克服すべき部分は克服して、強化する部分は強化して…本当に充実した練習ができています。今年は一年を通して戦い続けようと思っているので、どんどん連戦するつもりです」
──ピケオー戦の前にも「これがK-1というものを見せていく」というコメントがありました。今もその気持ちは変わらないですか?
「やっぱりKO出来るヤツこそが一番であって、KOがK-1の中では一番評価されるもの。K-1で生きるという意味で倒すことは重要なことだと思うし、僕はそうやって歴史を創りたい。これからは創造的な意識も働かせて、K-1を全く新しいものにしたり、K-1を誰も予想しなかったような大きい舞台にしたいですね。これを実現するのは選手の役目でもあるし、その意気込みで戦って結果を出せば、分かりやすく舞台も大きくなるはず。今年の僕はそれが出来ると確信しているんで、愛情も含めて全情熱をK-1に注ぎます」
──このタイミングで近藤選手と対戦することは木村選手にとっても意味のある一戦ですね。
「そうですね。K-1で戦う上で試合のテーマは重要だと思うし、近藤選手はK-1甲子園で二連覇して凄く良いものを残してきた選手です。そういう意味では、僕の人生においても彼の人生においても、この試合は必要な一戦だと思います。彼にとっては勝敗関係なく良いものが残ると思うし、逆に僕は絶対に勝ち以外ないけど、それも含めて挑戦なんで」
──そういった色々な想いも含めて1RでKOすると。
「何年か前にK-1甲子園のチャンピオンとやった時も後楽園ホールで、僕は1RでKOするという自信を持って戦って、良い勝負の判定になってしまった。あの時の自分を超える意味でも、今回は差を見せないといけない。だから1RKOは自分に課した課題でもあり、テーマですね」