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インタビュー

【K-1】佐藤嘉洋が『K'FESTA.4 Day.1』を予想「椿原のスタイルはかなり厄介。勝負の決め手は江川の出足のスピード」

2021/03/15 12:03
 2021年3月21日(日)東京ガーデンシアター『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~K’FESTA.4 Day.1~』の見どころを、K-1のオフィシャルHPにてK-1 WORLD MAX 2006・2007日本王者の佐藤嘉洋が語った。佐藤のメインイベント&セミファイナルの展開予想、そして注目試合は? ――今大会のメインイベントでは江川優生vs椿原龍矢のフェザー級タイトルマッチが行われます。昨年9月のK-1大阪大会のスーパーファイトでは江川選手が勝利していますが、佐藤さんはあの試合をどうご覧になりましたか? 「前回は椿原選手が徹底したアウトボクシングを貫いて上手くポイントアウトしたなっていう印象です。椿原の作戦もすごくよかったし、江川の前に出る圧力のスピードが少し遅くて、そういういろんなタイミングがガチっと合ったんだと思います。それで椿原がラクにアウトボクシングをすることができたなっていう印象です」 ――椿原選手の作戦・戦略がハマったということですね。 「椿原のようなアウトボクシングは、対戦相手に前に出てこられるとすごく嫌なんです。終盤になると(アウトボクシングする側の)動きが落ちてきて、前に出る選手の方が有利になっていく展開が多いんで。でも前回の対戦に関しては最後まで椿原が逃げ切ることができて、ああやってスピードや動きを落とさなかったことはスゴいなと思います。ただ、江川が前に出るのが遅かったから椿原が最後まで活き活きとできたのか、それとも椿原のスピードがスゴかったから江川が追えなかったのか。そこはどっちだったんだろう? とは思います」 ――佐藤さんは椿原のファイトスタイルをどう分析していますか? 「椿原は今のK-1ルールでものすごく力を発揮できるスタイルだと思います。現行のK-1ルールで彼のファイトスタイルはすごく活きるし、今が華なんじゃないかと思います。椿原のスタイルはかなり厄介で、僕も“自分がもし戦うんだったらどう戦えばいいか”というのをよく考えますよ」 ――逆に江川選手についてはいかがでしょう? 「江川はスーパー・ウェルター級で例えるならマラット・グレゴリアンを彷彿させる荒々しさとパンチから蹴りのコンビネーションがありますよね。インファイトのテクニックもすごく高いものを持っているし、体も強くて、最初に試合を見たときは“すごい選手が出てきたな”と思いました。あと彼はバランスがいいですよね。綺麗なフォームの中にもガツガツした荒々しさもあって、日本のキックボクシングのなかの一つレベルが上がった位置にいる選手じゃないかと思います」 ――ずばり今回はどんな試合を予想していますか? 「今回は江川の作戦が楽しみです。勝負の決め手は江川の出足のスピードが半分以上握ると思ってます。江川が前回より圧力を掛けて、前回よりも早く前に出ることができれば、江川有利かなと。逆に言えば江川がそれをできた上で、椿原が3Rずっとアウトボクシングを徹底して。スピードも落とさず戦い切ることができれば彼のアウトボクシングは本物だと思います。江川は椿原にそうさせたくないだろうから、前回よりガンガン圧力を掛けて手数も出していくと思います。そうなったとき江川はメチャクチャ強いので、そこを椿原がどう切り抜けていくか、すごく楽しみにしています」 ――山崎秀晃vs不可思の一戦はKO決着必至の好勝負として期待されています。 「不可思は大舞台になればなるほど燃え上がって力を発揮する男です。でも、予想としてはやっぱり山崎選手が有利だと思います。山崎選手は基本キックボクシングではなく空手で、昔から彼はキックボクシングの常識にはない距離で戦っているから“これはほんと変わったファイトだな”とずっと思っていました。それでいて、そのスタイルでK-1のトップまで獲ってしまうわけだから、なかなかないことですよ。僕はああいう変則的なファイトスタイルでチャンピオンになることはすごいことだと思っていて、僕の常識にはない戦い方を彼は見せてくれます」 ――山崎有利の中で不可思選手はどう戦うのがいいでしょう? 「不可思は山崎の遠目からバン! と来るパンチをまともに食らったら耐えられないと思うので、僕は前回の鈴木勇人戦のようにガンガン前に出て打ち合いに臨んでくるんじゃないかと思います。それでもパンチの打ち合いだけだったら山崎の方が一枚上手だと思うので、僕は不可思の総合的な攻撃を期待したいです。パンチだけじゃなく蹴りもしっかり織り交ぜて、そうしないと不利なんじゃないかと思います」 ――不可思選手は激闘派のイメージが強いですが、なんでもできるタイプですよね。 「そう、不可思は昔からバランスがよくてオールラウンダーなんです。でも、カーっとなってキレちゃうからパンチで行っちゃう。それが面白いところでもあるんだけど、いきなりそれで行っても(山崎には)通用しないからその前にしっかり冷静に下から崩して、セコンドの言うことを聞いてやってほしいです」 ――佐藤さんは山崎選手に対してはどんな印象・イメージがありますか? 「山崎選手に関しては大きい怪我をしているにも関わらず、まだこうやってトップ戦線に戻ってきてベルトを獲って。正直、彼は100%怪我は克服していないままやっていると思うので、その精神力は素晴らしいものがありますし、そういうところも含めてファンは見るし、だから魅力があるんでしょうね。不可思も不可思で“オレはK-1に出たいんだ!”という気持ちでもともと交流のなかった他団体から道を作ってきた選手で、自分で一つずつ道を作ってK-1という舞台に上がってきたストーリーがあるから、そこもすごく感情移入ができますよね」 ――そのほかの試合で佐藤さんが気になる試合や選手はいますか? 「卜部功也と蓮實光の試合が楽しみです。2人はスタイル的にも好対照で、蓮實は1発の重いパンチで何度も試合をひっくり返してきて、本当に“K-1ドリーム”を掴みかけている男だと思います。今回ここでもしディフェンスが素晴らしい卜部功也にパンチを打ち込んで勝利しようものなら、これはスゴいことですよね。ただ僕は卜部功也のテクニックもメチャクチャ好きなので、蓮實の振り回してくるパンチをいかにいなして完封劇を見せるかというのも楽しみにしています。 (対戦カードを見ながら)初参戦の篠塚辰樹のことはTwitterでしか知らなくて、試合はそんなに見ていないんですけど、小澤海斗は個人的に結構好きなんですよ。(好きな理由は?)彼は頑張ってK-1を盛り上げてきたじゃないですか。ああやって自分のキャラを作って、そのキャラを押し通すっていうのは“俺はそういうことはやれんかったな”と思うので、僕は小澤のことを尊敬しています。小澤選手もまだ若くてトップを狙える力があると思うから、これを機に頑張ってほしいです。  あとは同じ愛知の加藤久輝とサッタリ・ウィラサクレックの試合ですね。サッタリはウィラサクレックの選手だけあって、ミドルとかすごく綺麗なんですよ。あと思いっきり振り回す右フックも驚異的で、あの一発に体重をすべて載せているので相当パンチが重いと思います。対する加藤も総合出身らしく重い攻撃が持ち味で、一発一発を思いっきりぶん回すんですよ。両者とも重い攻撃を主武器にしているんです。この試合は早い回で終わらなかったら、すごい消耗戦になると思うんですけど…僕は2Rまでにどちらかが倒れるんじゃないかと思います。ほんとクルーザーならではの迫力とパワーを見せてもらいたいと思います」
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