2021年3月7日(日)東京・後楽園ホール『skyticket Presents DEEP JEWELS 32~アトム級GP2021開幕戦~』から、前王者・前澤智が引退のため返上した第7代DEEP JEWELSアトム級(-47.6kg)王座を8名の選手が争う「アトム級GP2021」が開幕する。
出場選手の中で唯一人の現役タイトルホルダーが大島沙緒里(AACC)だ。
(写真)にっせーを破り、DEEP女子ストロー級王座に就いた“さおりん”こと大島は、3歳から始めた柔道歴は21年を数え、2019年の全日本アマチュア修斗で圧倒的な強さで優勝。2020年1月には修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントに抜擢され、一回戦でKO勝ち、5月の準決勝では元DEEP JEWELSアトム級王者の黒部三奈相手に敗れはしたものの、新人離れした才能を発揮した。2020年7月の『DEEP JEWELS 29』では柔術出身のさくらとの寝技合戦をアームロックで制してさくらにプロ初黒星を付け、9月の『DEEP』ではしなしさとこが返上したDEEP女子ミクロ級王者決定戦をにっせーと争い、1R2分10秒、ハンマーロックによるTKO勝ちでプロわずか4戦目にして王座に就いた。しかし2020年12月、今回のGP優勝候補であるパク・シウに判定3-0で敗れた。
「正直、前回負けてしまったので出る事は凄く悩みました。でもこのようなチャンスは普通であればこないと思うので、挑戦させてもらうことにしました」と、ためらいもあったが挑戦することを選んだ、と大島。
1月31日に選手参加で行われたトーナメント組み合わせ抽選会では5番を引き、まだ誰もいなかった第4試合の赤コーナーを選んだ。そして6番を引いた富松恵美(パラエストラ松戸)がその隣、第4試合の青コーナーを選び対戦が決まった。
「前の4人がもう決まっていたので、第1試合にするか、第4試合にするかという選択肢しかなかったので、試合が無くなってはしまいましたが(同門の)本野美樹(当初はメインイベントでタイトルマッチの予定だったが怪我で欠場)の前になる第4試合を選んで勝って、繋げられればと考えていました」と、その位置を選んだ理由を話す。
(写真)子育てにも奮闘中の大島 ベテランの富松の印象は「立っても寝てもできるオールマイティーな選手だと思います」と評し、トーナメント全体では「ミクロ級の選手もいるので、この中でもやっぱり負けられないなと思いました」と、一階級上でのトーナメントでもミクロ級王者としての誇りを胸に戦う。
優勝への意気込みを聞くと大島は「優勝は目指していますが、まずは1回戦。目の前の試合を全力で戦って、まずは5月の準決勝への挑戦権を得ます」と、目の前の試合にひとつひとつ勝っていくだけだとする。
そして「12月の試合では途中からスピードが落ちてしまいました。その面でフィジカルやスタミナ等のトレーニングを増やし、打撃も練習しています。練習してきたことを活かして勝ちに行きます!」と、前回の試合での反省点を克服して、ベテランであり元DEEP JEWELSアトム級暫定王者の富松を“喰う”と宣言した。