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【RISE】那須川天心が一夜明けて志朗戦を振り返る、ラスト4~5試合は「意味のある試合をしていきたい」

2021/03/01 21:03
 2021年2月28日(日)神奈川・横浜アリーナで開催された『Cygames presents RISE ELDORADO 2021』の一夜明け会見が、3月1日(月)都内にて行われた。  会見にはメインイベントで志朗(BeWELLキックボクシングジム)との再戦を判定3-0(30-28×3)で制した那須川天心(TARGET/Cygames)が出席。前夜の試合を振り返った。 「頭が疲れた試合でした。自分の持っているものを極めるのも大事ですが、今まで見せていない引き出しを見せないと勝てないと思った試合なので、間合い、スピード、タイミング…それを全部変えながら練習で作っていて、作戦パターンも5~6通り考えていて。その中の一つがハマった。作戦で勝った試合だったと思いました」と那須川。  まず、左脚を引きずって歩いていたことを聞かれると「自爆です。ミドルキックを多用したので蹴った時にヒジでカットされてふくらはぎ…カーフにもらいました(笑)。やられましたね」と、冗談を交えて自分で蹴って痛めたと説明した。  ライバルと認めていた志朗との完全決着がついたことに寂しさはないかとの問いには、「寂しさはないですけれど、有意義な時間でしたよね。RISEは他の団体と違って実力主義なので勝ち上がってきた者しか僕と戦えない。そこで戦ってきた志朗選手は、もう一回やるとはみなさん思っていなかったと思いますが、勝ち上がってきたので僕への執念は誰よりも強いと思いました。今までは持っている武器だけで戦える試合でしたが、今回の準備期間にはいろいろな気付きや発見だったり、成長させてもらえる期間をもらえて楽しかった期間でした。志朗選手とはあまり言葉を交わせていませんが、考えていることは似ています…って会話をしました」という。  志朗が「あれを捕まえられる人はいるのか」と舌を巻いたジャブの後のバックステップについては「ハマりましたね。もし自分が自分と戦うなら、どうやって戦おうかなって考えて。ストレートで倒していることが多いし、ストレートを絶対に警戒して来ると思ったので、いつもならジャブからワンツーで行くところを我慢して、ジャブを打ったら離れる。そこからの攻防をしようと考えました。それがハマった」と、自分と戦う対策をした。 「あとは志朗君の動きを見てとか、どういうことを考えたのかな、と志朗君のことを考えました」と、志朗が何を考えているのかを読んだ。その中で打倒・那須川天心は見えたのかとの質問には「見えたというか、見えた部分があったのでそこを直しました。こういうところを突くだろうなって。新しい引き出しを増やそうと、同じことを1~2カ月何回も繰り返してやっと身に付きました。地道な作業でしたね」と、自分の穴を埋めたという。  志朗が挑戦者決定トーナメントで優勝したのが11月。試合まで約4カ月あったことも「大きかったですね。トーナメントを見て勝ち上がってくると思っていたので。自分の中で考えていました。RIZINでクマンドーイ選手とやってミドルをもらったのも大きかった。だからこそ蹴ってくると思ったから対策もできました」ということも読んでいた。  会見では伊藤隆RISE代表より、「那須川天心は凄いなと改めて感じました。穴がないと思いました。蹴りも速くて。KOだけが全てじゃないって、判定でもこれだけ魅せられる数少ない選手だと思います。あと1年弱で格闘技を卒業しますが、マネージメントしてきた人間としては家から巣立つ思いです。寂しい反面、頑張れよと複雑な想いがあります。これからがカウントダウン、あと4~5試合なのかな。少なくなるか多くなるかは分かりませんが、最後は気持ちよく送り出したい。この1年弱で天心を追い抜くような輝きを持った選手に出てきてもらいたいと思っています。デビューからずっとマネージメントをしてきて本当に頑張ったな、よくここまで来てくれた、いろいろなことがあったと思いますが全てを跳ね返して、また味方にしてオンリーワンの存在になったと思います。あと1年弱、どういう相手にするか選んでいくのは大変な状況ですが、素晴らしいストーリーを描きたい」と、今後のことについても触れた。  そのカウントダウンについて聞かれた那須川は「正直もう悔いはないですね。キックボクシングというものをある程度広めることはできたかなって思います。僕だけが目立つのではなく他の選手も目立ってほしい。今はRISE=那須川天心となっているので、それも含めてRISEに恩返しして。例えば僕がボクシングに行った時でも、RISEに貢献できることがあればしたいと思っています」と、RISE愛を語る。  そのラスト4~5試合ではどんな相手とやりたいかとの質問には「意味のある試合をしていきたいです。例えば前回の裕樹さんとの試合とか、ひとつひとつに意味を持たせられる試合をしたい」と答えた。  もうひとつの、自分が去った後で誰にRISEを背負って欲しいかとの問いには「そこは別に考えてないというか、キツいですよ、多分。一人じゃ無理だと思う。今一番思うのは55kgから下の階級は日本人がめちゃアツいので、若い選手が多いのでどんどん目立ってほしい。格闘技は形も変わってきて試合が組まれて試合をして終わりという時代は終わった。自分を売り出す、アピールをしっかりする、自分の名前に全てを懸ける意気込みでやっていかないとスターにはなれない。その選手についていきたいと思われる選手にならないといけないと思います。試合して、応援ありがとう、それだけではその人のことが分からないので、自分自身をアピールして演じる選手が今後は残っていくと思います。もちろん、実力ありきですが。そう思いますね」と、他のRISEファイターにメッセージを送った。  また、同門の寺山日葵が高橋洋子が生歌唱する「残酷な天使のテーゼ」&「魂のルフラン」で入場したことについて、『新世紀エヴァンゲリオン』も好きな那須川は「羨ましかったですね。でも僕は先にテレビ番組で1回聞いているので『俺1回聞いてるし』って(笑)。日葵も格闘家という枠にしか染まってなかったので、あれで一般にも知られて、格闘技以外から知ってくれた人がいると思うので効果はあったと思います」と、負けず嫌いを発揮。  自分も敬愛する矢沢永吉の生歌唱で入場したい気持ちはあるかと問われると「ありますよ。矢沢さんだったら『俺が行ったら俺がメインになっちゃうよ』って言うと思うんですよね。それを動かせる存在になりたいです。でも、来ないままでもいいのかなっていうのもあります。もしボクシングに行ったとしても、入場曲は変えずにこの予定でいます。変えたらダメなんですよ」と、複雑な心境を口にした。  これを聞いた伊藤代表は「RISEの演出は矢沢さんの息子さんのところでやってもらっているんです。だから可能性はゼロではないと思います。1年かけて実現を目指したいですね」と、ファイナルの時には実現させたいと語った。
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