2021年3月28日(日)東京・日本武道館『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~K'FESTA.4 Day.2~』の記者会見が1日(月)都内で行われ、追加対戦カードが発表された。
K-1 WORLD GP&Krushライト級王者ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)と、Air KBZゴールデンベルトチャンピオンシップ2017年67kg級王者・南雲大輝(八光流柔術総本部)が対戦する。
ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代王座に就き、同年9月には大沢文也の挑戦を退けて初防衛に成功。2020年1月に横山巧、6月には篠原悠人の挑戦を退け3度の防衛に成功した。そして12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に就いている。戦績は108勝(22KO)29敗3分。
南雲はこれまで本名の金子大輝としてK-1に参戦していたが、今回から改名。また、K-1ジム大宮から八光流柔術総本部に所属を変えての参戦となる。MMA(総合格闘技)からミャンマーの頭突きありの超過激格闘技ラウェイに転向し、2017年12月にはミャンマー・ヤンゴンで開催されたAir KBZ(エアカンボーザ)チャンピオンシップにて67kg級の2017年王者となった。2019年6月、K-1への参戦を表明し、11月に初参戦して独特の動き・リズムを見せて林健太を戸惑わせたが、最後は右ストレートでKO負けを喫した。2020年6月の堀井翼戦は反則負け、8月の東本央貴戦では初回KO負けでキックボクシングの通算戦績は1勝5敗。
会見では、まず南雲が改名の理由を「K'FESTA.4出場にあたり、3月28日は自分の誕生日でして、誕生日に試合をさせていただけることと武道館という舞台でラウェイを背負って戦わせていただくことで、生まれ変わった気持ちで。また、南雲は母の名前です。恩返しになるように一生懸命頑張ります」と説明。
八光流柔術総本部に移籍した理由は「林戦のあとぐらいからご縁がありまして、お世話になっています。僕はまだ全然勉強させていただいている最中ですが、八光流柔術は日本古来の武術で、日常生活そのものが稽古というのを勉強させていただいています。以前からご縁のあった八光流柔術の皆様に快く受け入れていただき、いろいろな稽古をさせていただいています。ラウェイと日本武道八光流柔術の理念や技術を学びながらK-1に対応し、自分にしかできないものを作りたいと思っています」と説明した。
南雲は「結果が出てない身でありながら大きなチャンスをいただいたことに心よりお礼申し上げます。感謝の気持ちしかないです。ファンの皆様におかれましても僕が出場させていただくことにいろいろあると思いますが、ミャンマーも大変な状況なので、伝統格闘技を背負って命を張らせていただくことに感謝して一生懸命頑張ります」と挨拶。
ゴンナパーは「自分にとって2021年初の試合になります。選手としてのさらなる成長をお見せする機会をいただいて感謝しております。嬉しく思います。28日は全力を尽くして王者としての義務を果たそうと思います。楽しい試合をしたいと思います」とコメントした。
お互いの印象を聞かれると、南雲は「シンプルに『マジかよ』って感じでした。信じられない心境ではありましたが、その瞬間から燃えるものがありましたので、命を懸けて戦おうという気持ちになりました。ミャンマーのお隣がタイで、ラウェイ1000年の歴史の中で何度も拳を交えてきた歴史があります。現在のラウェイ選手もムエタイの技術を見て取り入れて成長してきた。僕もムエタイから学ぶことが多くて、哲学も勉強になることが多い。ラウェイ選手の視点から見てもムエタイ選手は素晴らしいです」と話す。
ゴンナパーは「ラウェイの選手と戦うのは初めての機会。とても嬉しい。でもリングに登ったら同じK-1選手として練習を重ねてきているので、リングの上では全力を尽くしたいと思います」とし、「ラウェイに関してはあまり知識はない。ムエタイに近いものだと感じています。ラウェイの選手と対戦するのは初めてなので研究したい」とした。
南雲は以前からゴンナパーとの対戦を望んでいたと言い、「王者だからというのもありますが、ゴンナパー選手自身がムエタイのキャリアが豊富でそれからK-1にも対応し、学んで王者になった経緯から、僕はラウェイ選手でありながら適応できていないので、ゴンナパー選手と拳を交える中でK-1の中で成長した姿を見せられるのではないかと考えていました。K-1ファイターとして成長したいと思ったのが一番の理由です」と、ゴンナパーと戦うことで成長したいとのこと。
どんな試合をしたいかとの問いには、ゴンナパーは「ぜひ皆様に面白い試合をお見せしたい。2021年初めての試合で今年を占う一戦になるのでチャンスあればKOしたい」と意気込み、南雲は「僕としてはチャンピオンが相手ですので、キャリアを見ていただいても僕が不利との見方をされて当然だと思う。ミャンマーの今の状況とか、僕が戦うのは1vs1ですが ミャンマーの皆様と共に戦います。そういう試合になると思っています。僕がそう思うと逆に勇気づけられる想いです。皆様と一緒に戦うそういう試合をします」と、混乱の中にあるミャンマーの人々と共に戦うつもりだと言う。
ムエタイvsラウェイの異種格闘技戦という見方もできるこの一戦、ゴンナパーは「どんな格闘技の相手にしても、ムエタイがナンバーワンの気持ちは変わりません」と、ムエタイこそが最強だと言い放った。
また、会見ではゴンナパーがKrushライト級王座を返上することも発表された。理由は「今後K-1王者としての防衛戦やスーパーファイトで戦っていくのでKrushの防衛戦を継続していくのが難しく、他のライト級選手にもチャンスを与えて活性化する意味でもK-1に専念してもらうことになる」ため(中村拓己K-1プロデューサー)。
ゴンナパーは「ベルトの返上を発表させていただきます。後輩たち、若い選手たちにチャンスを与えてあげたいという意味でも返上するべきだと考えております」と語った。