2021年3月21日(日)東京ガーデンシアター『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~K'FESTA.4 Day.1~』の記者会見が1日(月)都内で行われ、追加対戦カードが発表された。
出場が決まっていたKrush女子アトム級王者・菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)の対戦相手が、NOZOMI(TAD)に決定。
菅原は第5回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝、第6回・第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-45kg優勝の実績を引っ提げて2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。戦績は5勝1敗。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している21歳。今回がK-1には初出場となる。
NOZOMIは高校1年生で2019年9月に16歳になったばかり。同年8月に開催された『K-1甲子園』に出場し、女子ワンマッチで判定勝ち。この試合で関係者から高い評価を受け、10月にプロデビューを果たした。デビュー戦では軽快なフットワークから飛び込んでの高速ワンツー、圧倒的なスピードと出入りの速さ、そしてカウンターの技術を存分に発揮してダウンを奪っての判定勝ち。12月には森川侑凜にも判定3-0(30-27×3)の完勝、そして2月27日の『Krush.122』ではチャン・リーに判定3-0(30-29×2、30-28)で勝利し、無傷の3連勝。
菅原の対戦相手候補が数名上がっている中で、『Krush.122』の試合結果を見て対戦相手を選考。その結果、NOZOMIに白羽の矢が立ったという。
NOZOMIは「王者の菅原選手と試合ができるのは光栄に思っていて。でも先日のような試合をしている今のままやったらあかんと思っています。あと3週間でどれだけ追い込めるかだと思っています」と、今から急ピッチで仕上げるとコメント。
菅原は「まず初めに、急だったんですが試合を受けてくださって感謝しています。初めてのK-1ということでワクワク、とても楽しみにしています」と挨拶。
お互いの印象を聞かれると、NOZOMIは「一番の武器は前蹴りが得意でリーチが長い印象です」、菅原は「女子選手には少ないステップワークが上手で、ステップインからのパンチが上手い印象です」と評する。2月のNOZOMIの試合をリングサイドで観戦した菅原は「私はメンタルが弱いので、16歳で遠い大阪から来て立派な試合をしている姿がカッコいいと思いました」という。
無敗の新鋭を迎え撃つことには「しっかり止めないとって気持ちと、私は6戦していろいろな選手とやってきて次は誰とするんだろうって考えた時に、NOZOMI選手は勢いもあってきっと上がって来るだろうなって思っていたので試合ができるのは嬉しく思っています」と、ここで連勝記録をストップするとの宣言とNOZOMIとは対戦するだろうとの予感があったと話す。
王者としてもそうだが、まだ21歳にして年下からも追われる立場になったことには「自分はまだ若いと思っていたんですが、タイトルマッチをやったMOE選手はもっと若かったし、今回はさらに若いNOZOMI選手ということでもう若くないかなと思って(苦笑)。大人の意地じゃないけれど、頑張らないといけないと思いました」と、意識が変わったとも。
最近では身体を作るために、まずは増量しようとドーナツを毎朝食べていたが「体調を崩して顔にウミが溜まる副鼻炎になってしまい、めちゃ痛すぎて眠れなくなってしまって。痛みをごまかすためにドーナツ以外も喰っていたら1kgくらい増えていい感じで増量できました」と笑う。
一方、NOZOMIは「3戦無敗ということになっていますが、今までの選手は勝てて当たり前の選手やと思っているので、ここで勝たないと意味がないと思っています」と言い、今回のノンタイトル戦で勝てば次はタイトルマッチでの再戦が濃厚となることには「そこしか見てないです。ここで絶対に勝たないと先は見えない。16歳のうちに絶対にベルトを巻きます」との決意を口にした。
試合間隔が短いが「ごはんが食べられないのがつらいです」と育ち盛りならではの言葉も。「減量は2kgしかないので少ないですが、その2kgがなかなか落ちなくて。2日くらい爆食いしてから減量に入ります。チーズを食べたいです」と、まずは爆食いしてから調整に入るとした。
両者とも初めてのK-1参戦ということで、「今までは蹴り主体の選手と思われていましたが、パンチも前回の試合から意識してやるようになって。蹴りだけじゃないところを見せられればと思っています」(菅原)、「自分の得意なステップとパンチで女子にはない動き、スピード感ある試合をしたいです」(NOZOMI)と、それぞれ見せたいものがある。
また、28日の『K'FESTA.4 Day.2』ではMIOvs山田真子、高梨knuckle美穂vsMARI、プレリミナリーファイトではケイト・ウィラサクレックvs美伶と女子の試合が3試合組まれており、K'FESTA.4での女子の試合はこれで4試合目。女子が盛り上がりを見せている中で、「今までのK-1女子はKANAさんが一人で道を作って来たと思っているので、自分もK-1を盛り上げる一人になりたい。できればKANAさんと2人で盛り上げられればいいかなと。KANAさんからは『よかったやんな』って言われました」(菅原)、「16歳で大きな舞台に立たせてもらうことが嬉しくて。ここでちゃんとNOZOMIっていう試合をして、もっといろいろな人に知ってもらえたら」(NOZOMI)と、存在感を示したいと語った。
最後に、NOZOMIは「前回の試合で圧勝できずがっかりさせてしまったところがあると思うので、しっかり勝ってまたファンの皆さんを喜ばせられたらと思います」、菅原は「成長した姿を見せられるように頑張ります」と、ファンにメッセージを送った。▼スーパーファイト K-1女子アトム 3分3R延長1R菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/Krush女子アトム級王者)NOZOMI(TAD)