元SRC(戦極)フェザー級王者の金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA・38)が、2020年2月の引退から復帰を表明。フェザー級で2021年に復帰戦を行うことを、本誌に語った。
2020年2月の『RIZIN.21』浜松大会で、1年8カ月ぶりの試合に臨み、DEEPバンタム級王者のビクター・ヘンリー(米国)と対戦した金原。1Rをグラウンドで優勢に進めたものの、2RにTKO負け。試合後の会見で突如、引退を表明していた。
榊原信行CEOは、RIZINでのわずか1試合の引退表明に「ただ勿体無い。前の試合から時間が空いていたとは思うし、もう少しやってほしいと言う気持ちはある」と語っていた。
RIZINでは、2021年4月の東京大会から、日本人16選手によるバンタム級GPの開催を決めており、今秋からフェザー級ワールドGPを開催するとしている。
大晦日に、所英男のセコンドとしてRIZINの花道を歩いた金原は、自身のYouTubeで、バンタム級GPについて、「個人的に見たい選手」として、今成正和、田中路教(※LFAと契約中)の名前を挙げながら、自身のGP参戦の可能性については、「話は無くはないけど……」と語っていた。
また、Bellatorファイターのストラッサー起一とのスパーリング&対談コラボでは、2月22日の「DEEP 100」にも出場予定だったことを明かしながら、「いろいろあって、DEEPは出られなかったけど、今年、(RIZINで)トーナメントという話もあるから」と、復帰に向けて練習を進めている姿を公開している。
前戦を「負けても自分で攻めていたら後悔はしない。(UFC最終試合の)マイケル・マクドナルド戦もそうだった。でも、ビクターとの試合は攻めれなかったので、すごく後悔があった」と振り返る。「もう一回、やろうという気持ちになった」のは、周囲から試合を求められることや、「2人目の子供も歩くようになって見せてやりたい」という思い、そして「コロナのことも影響している」という。
「このコロナ禍で試合をしたくても出来ない人がいる環境で、求められているのに、このタイミングで辞めてしまうのはよくないなと感じた」金原は、本誌の取材に「いろいろあって、最後にフェザー級でもう一回、チャレンジし直そうと思っています。2021年中にはフェザー級で復帰したいと思います」と語った。
「格闘家の終わりって、自分で決めないといけない」としながらも、「(ほかの現役ファイターに比べ)実力が伴わないとは思わない」という金原は、大晦日前にはフェザー級のカイル・アグオンとも練習。前戦についてアグオンから「どうやって、61kgまで落としたんだ? クレイジーだ」と言われるほど厳しい減量で、ヘンリー戦に臨んでいた。
「プライドじゃないですけど、堀口(恭司)とやりたかったから、135(ポンド・バンタム級)で参戦した。145(ポンド=フェザー級)でやっちゃうと逃げたと思われるだろうし、結局、(堀口には)辿り着けなかったけど」とアグオンに、前戦での敗戦を語っている。
RIZINフェザー級には、王者・斎藤裕と朝倉未来を筆頭に、クレベル・コイケvs.摩嶋一整、堀江圭功vs.関鉄矢(ともに3月21日の名古屋大会で対戦)、さらに、弥益ドミネーター聡志、芦田崇宏、萩原京平、平本蓮らが参戦中で、未参戦組には、DEEP王者の牛久絢太郎、牛久をノンタイトル戦ながらTKOに下した中村大介、PANCRASE王者のISAO、修斗環太平洋フェザー級王者のSASUKE、GRACHAN二階級王者の山本琢也、首の怪我の治療中のGRACHAN前フェザー級王者阪本洋平らも参戦候補に挙がっている。
そんななか、朝倉兄弟と練習経験を持つ金原は、周囲からの「未来、未来、という声にうるせえよ、という気持ちもある。練習したこともあるし、彼の実力も凄さも認めつつも、そこにも負けられねえよ、という気持ちを無くしたらお終いだからね」と、ファイターとしての闘志が衰えていないことを語っている。
さらに、「友達だから試合をしたくない、というのは一切無い。練習仲間であっても敵であり、ライバルだから。ただ、何年も勝っていないから、いきなり(フェザー級トップ戦線に)入りたいとは言えない。まずは一個ずつ、1回、勝ちたいね」という金原は、果たして、どこで復帰を果たすか。今秋のフェザー級ワールドGPに向け、目が離せない実力者がリングに戻って来る。