2021年2月28日(日)神奈川・横浜アリーナ『Cygames presents RISE ELDORADO 2021』で、4戦全勝3KO勝ちの田渕涼香(拳聖塾)を迎え撃つRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)が千葉の所属ジムにて公開練習を行った。
20歳になったばかりの寺山はジュニア時代から数々のアマチュア大会で好成績を残し、高校生になった15歳でプロデビュー。7戦目でMISAKIに初黒星を付けられたが、2018年11月のJ-GIRLSミニフライ級タイトルマッチでリベンジを果たしている。2019年9月に初代RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座に就き、J-GIRLSミニフライ級王座と合わせて2冠王に。2020年の10月・11月に行われたRISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020ではerika(=名前の後にハートマーク)、sasori、紅絹を破って優勝を果たした。
公開練習のシャドーではワンツー、前蹴り、ハイキックと長い距離での攻撃を中心に繰り出し、続いてのミット打ちではワンツーからのロー、ハイ、ミドルそしてテンカオとパンチから蹴りにつなぐコンビネーションを繰り出した。
「試合10日前の追い込み期間なのでけっこう追い込まれていますが、コンディションは大分いいです」と好調の様子で、田渕攻略については「ジムのプロ選手の方々にも助けてもらいながらイメージは定まってきています」と順調のようだ。
先に行われた田渕の公開練習は「もちろん見ました」と言い、「道衣がカッコよかったですね。キレもあるし、速いし、パワーもあるし、凄かったです」と相手の好調ぶりを評するが、田渕が寺山の前蹴りは当てさせないと発言したことには「それでも当たるものは当たると思うので、自分の武器なのでしっかり当てていきたいと思いますね」と、当ててみせるとした。
田渕の空手独特の動きである至近距離での左右への回り込みについては、「TEPPENには空手出身の選手が多いので特に気にせず、そこでできることはあると思うので自分の攻撃を当てて行きたいなと思っています」と、攻略に自信あり。
身長やリーチ差があるため田渕はインファイトを仕掛けてくることが予想されるが、「今まで得意としていなかったですけれど、練習でも取り入れるようになったので、そこも発揮できたらと思います。田渕選手は空手の無差別級でもやっていると聞いたので、自分よりも身長やリーチがある相手とやり慣れているだろうし、出入りの速さには気を付けたいです。入られても対処できるようにしていますし、基本的には入れさせないようにします」と、相手の得意な距離には入れさせないとする。
今回の試合はアイーダ・ルークサイコンディン(タイ/Looksaikongdin Gym)が来日不可能となり、寺山の方から田渕を逆指名したことが話題となったが、「なんか大々的に逆指名としていただいているんですけれど、会話のちょっとしたところで、アイーダ選手がもし来れなかったら誰とやりたいって言われて、田渕選手ですかねと軽い会話の中で言ったことが実現した感じなので(笑)。いつかやるんだろうなとは思ってはいたんですけれど、まさかこんなにすぐ決まるとは思っていなかったので、ちょっと驚きといずれやるとは思っていたので“そうだろうな”って両方の気持ちがありました」と、本人は軽い気持ちで答えたのだという。
そのため、田渕を前々から意識して研究していたわけではないが「元々アイーダ選手とやることが決まっていたのでアイーダ選手対策の方へシフトしていました。でも緊急事態宣言が伸びそうだというのをニュースで聞いて、田渕選手とやるのかなっていうのは頭の片隅に置いて練習していました」と、想定はしていたようだ。倒すイメージについては「試合までに仕上げていくまでかなと思っています」と答えた。
今年の目標には“全勝”を掲げた寺山。「田渕選手は強敵ではあると思いますが、そこをしっかり獲って20歳になって一発目でもあるし、2021年一発目の試合でもあるので、幸先いいスタートを切りたいと思っています」と、2021年の弾みを付けたいと語る。
また、最近の記者会見では大人っぽいワンピースやミニスカートで出席するなど“女子力”もアップさせている寺山だが、そのことについて聞かれると「あれはスタイリストさんとメイクさんのおかげで、私は何もしてないんです(苦笑)。元々、化粧品を集めたりするのは好きだったので(トーナメントの)賞金で化粧品を買いました。今まで皆無だったので女子力も上げていきます」と笑った。