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【RISE】打倒・那須川天心の課題は克服できた志朗、有利な点は「彼は負けてないから自身の負けパターンの想像ができない」

2021/02/17 12:02
【RISE】打倒・那須川天心の課題は克服できた志朗、有利な点は「彼は負けてないから自身の負けパターンの想像ができない」

公開練習でのミット打ちでは奥足ローを多用していた志朗だが、全ての技をまんべんなく練習しているとした (C)RISEクリエーション

 2021年2月28日(日)神奈川・横浜アリーナ『Cygames presents RISE ELDORADO 2021』で、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)と対戦するISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が公開練習を行った。


 志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。新日本キックボクシング協会で活躍し、2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からは「打倒・那須川天心」を掲げてRISEに参戦。2019年9月の「RISE WORLD SERIES」-58kg級決勝戦でついに実現したが、判定3-0(30-28×3)で敗れた。

 しかし、2020年11月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント」で植山征紀と鈴木真彦を破って優勝。再び那須川と対戦する権利を手にした。


 公開練習では、ほぼパンチでのシャドー、ミット打ちではサウスポーに構えた相手へのパンチ&奥足ローキックを中心に行った志朗。ミット打ちの定番ミドルキックは一切出さなかったが、「蹴りは全部できるようにしておかないといけない。ローの練習をいっぱいやっているわけじゃなく、全部やっています。全ての技を練習しています」と、特にローキック中心にやっているわけではないとした。

 前回は-58kg、今回は-55kgでの対戦になったことには「2人のベストじゃないですか。最高の動きが出来るのは55kgだと思っています。脂肪が削れてきていて本当にベストパフォーマンスができるなと思いますね」と、2人にとってベストな体重だとする。


 ハンドスピードが以前よりも上がっているのではとの指摘には「(那須川のスピードに対して)前回の試合で見ることとディフェンスはできたんですが、攻撃で彼のスピードに追いつかないといけない課題があったので、この1年でその課題は克服できたかなと思います」と、攻撃のスピードでも負けないようになったという。

「そうじゃないとここまで自信ないですよ。前回と同じだったら同じ試合展開になってしまう。前回よりも駆け引きができると自分自身思います」


 その駆け引きの部分で自分が有利だと思う部分はと聞かれると、「自分の場合は負けパターンが予想できますが、彼は負けてないから想像ができないんじゃないかと思いますね」と、自分の負けパターンを知っている分、有利だと答えた。

「彼との試合が一番頭を使うし疲れます。この攻撃をしてよけられたらこう来るからこうするとか、攻撃の先の先の先くらいまで考えないといけないので、今までの相手とそこが違う。今までは攻撃してよけてそれで終わりだったけれど、彼との試合ではその先の先まである。足の立ち位置からもそうですし、身体の位置も全てを頭に入れないといけない」と、頭を使った駆け引きが重要だと話す。


「詰め将棋のような勝負になる可能性が高い。1Rから行くとかいろいろなパターンが想像できるから、楽しみですね」

 もし、鈴木真彦戦の時のように1Rでダウンを奪ったら残りのラウンドは逃げきるのか、それとも倒しに行くのかとの質問には「そのパターンも練習しています。1Rと2Rをとったらどう距離をとるか、ポイントを守りながらクリンチを使おうとか、1Rと2Rをとられたら3Rで行くとか。全てを想定しています」と、あらゆる状況を想定しての練習をしているという。

 前回と今回の違いについては「期間が長かったからイメージとか、この攻撃は危ないからとか考えることができる。だから言い訳できないですけれどね。負けたら自分が下というだけ。でも準備期間が長いのはプラスでしたね」と、より多くの準備ができることをあげた。


 記者会見では3分5Rで戦うのはどうか、との提案もしたが「言ったらいけるんじゃないかって思って勝手に言ったんですけれど(笑)。天心君は動揺していたから、僕と5Rで戦うのは本当に嫌なんだなって分かったので」とニヤリ。

 志朗はトーナメント以来試合をしていないが、那須川は直近の試合として大晦日RIZINでのクマンドーイ戦がある。あの試合は参考になったかと聞くと「あの時は57.5kg契約ですよね。調整期間も少なかったから動きが重そうでした。いつものキレもなかったのであまり参考にならなかった印象です」と冷静だ。

 2人の共通するトレーナーである永末“ニック”貴之氏とは「普段と変わらずです。彼の練習内容も知らないですし、中立に立ってくれて本当のプロだと思います。自分の練習を見て、ここは直した方がいいよとか、2人のベストパフォーマンスを出させてくれるようにやってくれていますね」と、2人とも最高の状態で激突できるとした。


「過去最高のモチベーションじゃないと超えられない相手だと思っているので、練習の質もいいですし、過去最高の志朗を見せられると思いますね」と、万全の体勢で那須川との再戦に臨む。

 また、志朗にはもうひとつ勝ちたい理由がある。クリスマスにタイの恵まれない子供たちにプレゼントを贈ったことを聞かれると、「自分では支援活動は当たり前のことなので、今回だからと特別なことはないです。いろいろなところに寄付しているので今回が特別じゃない。熊本にも支援に度々行っていて、熊本の人たちも応援してくれたり、メッセージをくれてパワーになっています。今回が那須川天心と戦えるラストチャンス。負けたらラストなので格闘技人生でこれだけ気合いが入っているのは初めてってくらい気合いが入っていますね。支援している人たちもそうですし、コロナが収まっていない状況で試合をするのは、勇気を与えるのが自分らが試合をする意味だと思っています。勝てばいろいろな人へのメッセージになると思うので実現したいですね。継続は力なり、努力すれば実る、というのを見せられるのかが今のモチベーションです」と、熱く語った。

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