【K-1】野杁正明、目指すところは“達人”「脳を揺らすよりも気持ちを折って倒してやる」

　2021年3月28日（日）東京・日本武道館『K'FESTA.4 Day.2』でプライチュンポン・ソーシーソムポン（タイ/GTジム）と対戦する、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の野杁正明（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）が2月16日（火）神奈川の所属ジムにて公開練習を行った。 　この日はパンチのみのミット打ちを披露し、回転の速いコンビネーションを繰り出した野杁。「コンディションは特に変わらずです。いつも通りで良くも悪くもなく、追い込みに入っていい具合に追い込めているので、ここから仕上げていきます」と、試合へ向けて順調に進めているようだ。 　1月から3月に試合がずれたことも「影響はない。1月のつもりで仕上げていたし、3月になったからといって変化はなかったです」とする。 　2018年からウェルター級に転向したが、「フィジカルは一切やってないです。スーパー・ライト級の時から、フィジカルトレーニングは一切やっていません。ナチュラルというか、キックボクシングの動きで作る筋肉しか取り入れてないです。合う合わないは選手によってだと思いますが、僕はそんなに必要性を感じていないので」と、フィジカルトレーニングで身体を作るのではなく、普段の練習で身体を作ってきたという。 　ウェルター級に転向して以来、判定勝ちが続いたため「凄くいろいろな人に通用しないんじゃないかと言われていて。僕自身はパワー負けや圧力負けしたとは感じていないし、なんですかね…。いろいろ言われたので、今回は倒して発散したいと思います」と、ウェルター級でも倒せることを証明したいとする。「お客さんが見てて面白いのはKOだと思うので。僕も観客として見ていて判定完封勝ちよりかは、ひとつくらいそういう試合もあってもいいけれど、トップを目指すなら倒さないといけないと思います」と、KO勝利へのこだわりは強い。 　しかし、武尊や木村“フィリップ”ミノルが見せる豪快なKOと野杁が目指すKOは違うという。 「対抗意識は一切ないです。盛り上げ方が違う。武尊君は超ストイックですし、いろいろなものを一人で背負っている凄さがお客さんにも伝わっている。木村選手はKOが売りのスタイルだし、会場を盛り上げますよね。僕の理想はKOして、僕が倒すことによって会場が静まり返る。そういうKOをしたい。何で倒れたか分からないと目が点になる、そういう一瞬で決まる、お客さんに伝わらない技と言うか、静まり返るKOをしたいなと思っています」 　それはいわゆる達人のような技か、と聞かれると「目指すところはそういう感じですかね」と答えた。 　対戦するプライチュンポンの「分析はバッチリです」と言い、「5R制の試合しか見ていないので3Rだとどう戦うかは分かりませんが、そう変わらないと思う。こういう感じではないかとイメージしています。違う部分はやってみないと分からないですね」とした。 　タイ人はタフな選手が多いが「今回の相手もタフだと思いますが、気持ちを折っちゃえば絶対に倒れると思うので。脳を揺らすよりも気持ちを折って倒してやろうと思っています」と、相手に“絶望”を与えるような試合をするとする。 　今回が4回目となるK-1 JAPAN GROUP最大の祭典『K'FESTA』に野杁は1回目からの連続出場となる。しかし「僕の中では特別な捉え方はしていないですね。どの試合も大事。僕の格闘技人生のひとつです」と気負いはない。 　逆にK-1ウェルター級王座に関しては強いこだわりがある。「そこしか見てないです。本当にベルトが欲しい。ここまで欲しいと思ったことはなかったんですが、階級を変更してなかなかチャンスが回って来ない中、コロナの状況で難しいから余計にベルトへの執着があります」と、待たされている分、ベルトが欲しいとの気持ちが強くなっている。 　とはいえ、以前のように強豪外国人が招聘できない状況であっても「モチベーションが下がることはないですね。格闘技は仕事というのもあるけれど、好きでやっているので。生活の一部じゃないけれど、極端に言えば趣味なので。タイトルマッチがいつ組まれるのか分からないけれど、僕は用意された相手を倒すだけ。この状況でモチベーションが下がる選手もいると思いますが、僕は何も気にしてないです」と話した。 　2021年について聞くと、「まず、今年こそタイトルに挑戦したい。あとウェルター級が盛り上がって欲しいですね。ウェルター級は元気がないので。僕がいる階級なので盛り上がって欲しいし、日本人選手が頑張って欲しいです。K-1ウェルター級をみんなで盛り上げたいと思います」と、ウェルター級全体を盛り上げていきたいとした。 　また、今話題のカーフキックについて聞かれると「蹴ったら倒れるし、蹴られたら僕も痛い。三日月蹴りが流行った状況と似ていると思います。今度の『K'FESTA』でも蹴ってくる選手がたくさんいると思いますね。そこをどう防ぐか、どう当てるかは研究していかないといけないと思いますが、僕は蹴ることも防御することもできるので、流行り技って感じです。カーフキックも使えるなら使っていこうと思っています。技も進化していかないといけないので、お楽しみにってことで」と、カーフキックを使うかもしれないと予告した。