デビュー戦で敗れた佐藤とトーナメント1回戦で対戦する青野。黒星を喫した相手全員にリベンジしての優勝を目標に掲げる (C)青野ひかる
2021年3月7日(日)東京・後楽園ホールにて開催される『skyticket Presents DEEP JEWELS 32~アトム級GP 2021開幕戦~』から、8名によるDEEP JEWELSアトム級王座決定トーナメントが開幕する。
青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)は日本大学レスリング部出身で、2013年東日本学生女子選手権48kg級優勝、2014年全日本社会人レスリング選手権大会48kg級優勝などの実績を持つ。2017年12月にDEEP JEWELSでプロデビューも、佐藤絵実に逆転一本負け。以降、桐山安奈、古瀬美月、ARAMIを相手に3連勝したが2019年3月にベテランの富松恵美に一本負け。
(写真)昨年10月、前王者・前澤とのタイトルマッチに挑むも逆転負け
その後は2連続一本勝ちを収めるも2019年12月、ハム・ソヒの妹分パク・シウにTKO負けを喫した。再起戦となった2020年7月のリオン戦ではTKO勝ち、10月には前DEEP JEWELSアトム級王者・前澤智とのタイトルマッチに挑んだが、得意のテイクダウンで試合を優勢に進めるも3Rに逆転一本負けで王座奪取に失敗した。
「タイトルマッチに負けて、その直後に佐伯代表から今回のトーナメントの話を聞いて。その時は出るのを辞めようかなって気持ちが強くて。気持ちの切り替えが全然できなくて…」と、最初は今回のトーナメントに出るのをためらったという青野。
しかし、「そう思っていたんですが『出れば1%でも可能性があるから、失うものは何もないんだからチャレンジしてみなよ』って言われて、じゃあ出てみようかなって気持ちになりました」と、デビュー当時からのコーチであり、選手活動も二人三脚でしてきた渡部修斗に背中を押されて出場を決意したという。
前澤戦を経て学んだことは、「あんなに勝っていたのに一瞬で試合に負けちゃって。何が足りないんだろうって。1週間くらいずっと考えていたんですが、何も頭が回らない状態でした。それで練習を始めてからいろいろな人からアドバイスをもらって。自分なりに立ち直ってまた頑張ろうって気持ちになりました」と、ショックで当初は何も考えられなかったが、周りからのアドバイスで何かをつかんだようだ。
その前澤戦だけでなく、デビュー戦から青野は序盤に圧倒しながらも逆転負けをすることが多く、あと一歩のところで足踏み状態が続いている。それを聞くと青野は「いつもなんかそうですよね(苦笑)。そういうのを今回断ち切りたいです! 強くなったところを見てもらいたいです」と、このトーナメントで過去の自分を払しょくしたいとした。
(写真)デビュー戦で佐藤と対戦し、序盤は圧倒するも逆転負け
1月31日に行われたトーナメント組み合わせ抽選会では次々に対戦カードが決まり、7番を引いた青野はそこしか空いていなかった第1試合の赤コーナーへ。そして8番の佐藤絵実(毛利道場)が自動的に第1試合の青コーナーとなって1回戦での対戦が決まった。
「あの枠を選んだのは、あそこしか空いていなかったので(笑)。でも、一番戦いたい相手が佐藤絵実選手か富松恵美選手だったので、富松選手が大島沙緒里選手の隣に行った時は“ああっ…”と思ったんですけれど、最後まで残ったのが私と佐藤選手だったので“これは来たな”って思いました」と、望み通りの結果になったとする。
「“えっ、やったー!”って思いました。一番行きたかったところに行けてよかったです。リベンジ戦なので楽しみです」と青野が言うように、2017年12月のデビュー戦でのリベンジマッチとなる。
「あの時は本当に何もできなかったので、今の成長している姿をちゃんとぶつけたいと思います」と、デビュー戦とは全く違う成長した姿を見せたいとする青野。
他の6人については「アトム級とミクロ級のトップ選手が集まっているのと、いずれやるだろうなって思っていた選手ばかりだったので、ここを乗り越えていかないとチャンピオンにはなれないなと思いました」と、臨むところだとする。
その中でも一番の強敵は「パク・シウ選手ですね。決勝でリベンジできるのが最高の形です」と、2019年12月に敗れたパク・シウの名をあげた。また、富松には2019年3月に敗れており、これまでのキャリア6勝4敗の中で黒星を喫した相手(引退した前澤を除く)全員と今回のトーナメントで当たる可能性もある。
「優勝する自信はあります。過去の自分を断ち切ります。全員にリベンジできるので物凄く楽しみですし、トーナメントなのでしっかり勝たないと意味がないのでしっかり勝ちます」と、青野は言葉を結んだ。