昨年2020年11月の試合で勝利後、「来年、バンタム級GPを開いてください」とアピールしていた扇久保 (C)RIZIN FF
2021年3月21日(日)名古屋・日本ガイシホールで開催される『RIZIN.27』の会見が2月12日、都内にて行われた。そのなかで榊原信行RIZIN CEOは16選手参加のバンタム級日本グランプリの開催を発表、「日本人16人でスタートし、4月東京ラウンド、5月大阪ラウンドで勝ち上がった8人が秋にバンタム級日本GPの準々決勝を行い、大晦日に“堀口を除いた”日本人最強が決まります」と、1年を通したGPであることを明かした。
このバンタム級日本GPに真っ先に反応したのが扇久保博正(パラエストラ松戸)だ。実は扇久保、2020年11月の『RIZIN.25』で瀧澤謙太(フリー)に勝利した後、リング上のマイクパフォーマンスで「(榊原)社長、来年、バンタム級GPを開いてください」と要望していたのである。
(写真)自身のYouTubeチャンネル「おぎちゃんねる」でバンタム級日本GPについて語る扇久保(おぎちゃんねるより)
扇久保は自身のYouTubeチャンネル『おぎちゃんねる』にて「バンタム級でやろうと決めていたので、盛り上げていくためにはかき混ぜてやっていかないといけないと思っていた。GPをやることで盛り上がるじゃないですか。昔のPRIDEも毎年やっていたので。そのためにやるのであればGPやりたいなと思っていたので、そういう想いでリングでは話したんですけれど。巡り巡って、本当にやるのかは分からないですけれど、こういうふうに話が出てきて嬉しいですね」と、自身の願いが叶ったことを喜ぶ。
1回戦で戦いたい相手を聞かれると、扇久保は「佐々木憂流迦選手」とズバっと答える。「僕とやりたいと言っていたので。僕も前からやりたいと思っていたから。憂流迦選手とやるつもりでずっと今も練習していますし、頭の中では憂流迦選手と戦うと決めて毎日過ごしていますね」と、2月の名古屋大会でやることも想定していたという。
榊原CEOは『ゴング格闘技』のインタビューに「4月は横浜アリーナの可能性もあるし、ひょっとすると延期になった東京ドームの可能性もある」と語っており、扇久保は「東京ドームだったら最高ですけれどね」と、プロ格闘家として東京ドームのリングに上がりたいとした。
扇久保は1月の修斗で、2016年4月から保持していた修斗世界フライ級王座の返上を発表したが、「修斗のベルトを返上するまでは修斗でもフライ級防衛戦をやろうと考えていたので、フライ級にも合わせつつバンタムでも戦えるような感じでいた。でも修斗のベルトを返上したことによって、自分の中ではバンタム級に絞って体つくりとか練習とかも出来るようになったので。今はバンタム級の体を作るために食事もトレーニングも変えてやっていますね。4月であれば仕上がっています。筋肉だるまになっています」と、完全にバンタム級に専念することを決めて身体作りをしているという。
「僕としては凄くいい流れが来たなと思いますね。2人(朝倉海、堀口)にリベンジするチャンスなので、勝ち進めば。どういうあれ(組み合わせ方式)で1回戦が決まるか分からないですが、もし抽選であれば1回戦で朝倉選手とやる可能性もあるし、凄くいいですね」と、まとめてリベンジできるチャンスだとする。他のメンバー予想としては「あと絶対に出てくるのは井上直樹選手。元谷友貴選手と昇侍選手の勝った方(2月21日・TDCホールで開催のDEEP 100 IMPACT)、金太郎選手、石渡(伸太郎)さんも怪我が治っていれば出てくるのかなと思いますけれど」と予想。誰が出てくるのか「僕も楽しみです」という。
優勝まで1年で4回戦うハードなトーナメントとなるが、「TUFでは1カ月に4試合やっていますから」と2016年に参加した「The Ultimate Fighter」シーズン24でのトーナメント(扇久保は準優勝)では、もっと過酷な経験をしている。
「優勝して堀口選手に辿り着きたいと思います。そして勝ちたいと思います」と、堂々の宣言をした扇久保だが、心配なことを2つあげる。ひとつは「4試合も会見でスベらないといけないのかと思うと胸が痛いです」と会見での発言、もうひとつは「こんなに言っていて、僕、選ばれなかったらどうしよう」と苦笑した。