Krush-EX 2021 vol.12021年2月13日(土)東京・GENスポーツパレス
『Krush-EX』(クラッシュ・イーエックス)はキャリアが浅い・若い選手たちが経験を積む場として、2010年~2014年まで新宿FACEで開催されてきたイベント。現在K-1の第一戦で活躍する錚々たる選手たちも戦ったことのあるリングだ。2020年8月22日に『Krush-EX 2020 vol.1』として約6年ぶりに復活し、今後も選手育成の場としてコンスタントに開催されていく。
▼メインイベント(第9試合)Krushライト級 3分3R×梨緒弥(若獅子会館 MATSUBARA/K-1カレッジ2019 -65kg優勝)KO 2R 0分58秒 ※右ストレート〇河北光生(K-1ジム五反田チームキングス/第33回K-1アマチュア チャレンジAクラス -65kg優勝)
21歳の梨緒弥は5勝(1KO)2敗の戦績で、K-1 JAPAN GROUPでは2連勝していたが2020年9月に永井卓海にKOで敗れ、今回が再起戦。23歳の河北は2020年11月のKrush-EXでプロデビュー戦に勝利し、今回がプロ2戦目。
1R、前に出るのは河北。強いミドルとローを蹴っていく。これを思い切りのいいフックで迎え撃つのが梨緒弥。ロープ際やコーナーへ追い詰められるもしっかりとパンチを当て、ワンツーでダウンを奪う。梨緒弥は左ミドルも蹴っていく。
2Rも前に出ていくのは河北。強いミドルとローを蹴り、梨緒弥は左右フックで迎え撃つ。ロープを背負う場面が多い梨緒弥に河北が強い右ストレートを打ち込んでいくと梨緒弥は防戦一方に。河北渾身の右ストレートを喰らった梨緒弥はダウンし、そのまま10カウントを聞いた。
勝利の雄叫びをあげた河北は「梨緒弥選手はむちゃパンチ重くて強かったです。これからKrush本戦に出て強いヤツをぶっ倒してチャンピオンになるので僕の名前を憶えて帰ってください」とアピールした。
▼セミファイナル(第8試合)Krushバンタム級 3分3R〇山脇飛翼(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1甲子園2019 -55kg優勝)KO 2R 1分13秒 ※3ノックダウン×祐嘉(K-1ジム五反田チームキングス)
19歳の山脇は2020年4月のプロデビュー戦で鵜澤悠也にKO勝ちも、9月の豊田優輝に敗れ1勝(1KO)1敗。24歳の祐嘉はデビュー戦から2連敗したが、2020年11月に嶋拓実から判定勝ちで戦績を1勝2敗とした。
1R、山脇はほとんどパンチを使わず蹴り主体のスタイル。左ミドル、右カーフキック、そしてタイミングのいい前蹴り。祐嘉はなかなか近付くことができずストレートを数発出したのみ。
2Rも蹴りまくる山脇。祐嘉は近付いてパンチを打とうとするが、山脇は前蹴りでそれを阻止。さらに右カーフキックとローを蹴り分ける。これが効いて下がる祐嘉に右カーフでさらに追い打ちをかけてダウンを奪うと、カーフキックで続けざまにダウンを奪って山脇がKO勝ちした。
山脇はマイクを持つと「大阪からめっちゃ応援してくれて力になりました。僕のことを知らない人が多いと思うので、今日はインパクト残したと思うので僕の名前を覚えて帰ってください」とアピールした。
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▼第7試合 -72kg契約 3分3R〇ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)KO 1R 2分14秒 ※3ノックダウン×夜叉猿(力道場静岡/第33回K-1アマチュア チャレンジAクラス -70kg優勝)
ブハリは2勝(2KO)1分の戦績を持ち、ガソリンスタンドを経営する戦う代表取締役社長。2020年8月にKrushでK-1 JAPAN GROUP初参戦するはずだったが、体重超過のため中止となり、今回仕切り直しの初参戦となる。前戦は『BOM』にてWMC日本ミドル級王座決定戦を争ったがドローとなり、3戦目にしての戴冠ならず。
対する夜叉猿は高校時代にラグビー西日本代表選手として代表キャンプに参加。20mシャトルランや体幹トレーニングがずば抜けていたため、スタッフ陣から『ミスター・フィットネス』と呼ばれていたという。2020年11月のKrush-EXでプロデビューし、ドニー・ドラゴン(ウズベキスタン/K-1ジム総本部チームペガサス)と対戦。計量時にバチバチの睨み合いを展開し、試合でも打ち合い、ダウンを奪われるも右フックでダウンを奪い返し、最後は左ハイキックで1R1分27秒、インパクト大のKO勝ちを収めている。
格闘技を始めてまだ1年で、中学生でボクシング、高校でキックボクシングを始めたブハリとは格闘技歴で差があるが、KO必至の激しい試合となりそうだ。
1R、圧力をかけるブハリに夜叉猿はカーフキックと左右ハイキック。しかし、ブハリはものともせずショートのパンチをまとめてダウンを奪う。
夜叉猿は左右ハイキックを放つが圧力に押されて後傾気味。ブハリはショートでパンチの連打をまとめてダウンを奪うと、最後もヒザ蹴りと連打で夜叉猿をマットに沈めた。
ブハリはマイクを持つと「試合組んでいただき感謝していて。同時に俺はEXレベルの選手じゃないぞ、もっと上のレベルだってのを見せたかった。呼んでくれれば次もKO見せるので、じゃあまた」と流ちょうな日本語でにこやかにアピールした。
▼第6試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R×しの(KSG/第3回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -60kg優勝、第5回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg優勝)KO 1R 2分57秒 ※3ノックダウン〇愛瑠斗(健成會)
しのはK-1アマチュア全日本大会で2度の優勝歴を持つ19歳で戦績は1勝(1KO)1敗。愛瑠斗は19歳で戦績は1戦1勝。
1R序盤から愛瑠斗は右カーフキックを徹底的に蹴る。しのはまともにもらう場面が多く、早くも効いてしまいダウン。その後も左ミドルからの右カーフ、パンチからの右カーフとカーフキックを蹴り続ける愛瑠斗。
2度目のダウンもカーフキックからの右フックで奪われたしのは右フックで逆転を狙うが、愛瑠斗はかわしながらカーフキック。最後も右カーフでダウンを奪い、愛瑠斗が見事なKO勝ちを収めた。
マイクを持った愛瑠斗は「しの選手にはアマで1回負けているのでプロの世界で勝ててよかったです。リベンジ成功です。EXで2連勝したのでそろそろKrushでいいのかなと思うのでオファー待っています」とアピールした。
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▼第5試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R×篠原広耀(優弥道場)KO 2R 0分57秒 ※3ノックダウン〇光佑(WSRフェアテックス三ノ輪)
篠原は26歳で2勝4敗1分。光佑も26歳で3敗2分。
1Rが始まると同時に篠原が頭を下げて突進。どんどんパンチを打って前へ出るが、光佑はこれをプッシュで押し返してミドルキック、テンカオを突き刺し、左フックでダウンを奪う。その後もテンカオを突き刺してフックもヒットさせていった光佑だが、篠原は右ローの集中砲火で盛り返す。
2Rも右ローを蹴っていく篠原だが、光佑の右フックでダウン。一気に畳みかける光佑がパンチから顔面へのヒザ蹴りでダウンを奪うが、つかんでの攻撃だったとの疑いで審議。
結果、ルール内の攻撃だったと判断されてダウンの裁定に。再開後、ラッシュをかけた光佑が右フックで3度目のダウンを奪い、KO勝ちを飾った。
マイクを持った光佑は「今日で6戦目、初めての勝利で本当に今まで気持ちが折れて負けて試合があって周りから言われたり離れてしまった人がいたんですが、今日は絶対にKOしてやると思ってマイクパフォーマンスがあるとのことで頑張りました。これが僕の実力です。2年以内にKrushのベルトを巻いてK-1に行きたいと思うので覚えておいてください」と初勝利を喜んだ。
▼第4試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R△梅村直希(湘南格闘クラブ)ドロー 判定1-0 ※30-29、29-29×2△吉川 諒(DURGA)
梅村は23歳で戦績は1勝(1KO)1敗。吉川は23歳で1戦1勝。 1R、両者サウスポー。ローを蹴っていく梅村にリーチで優っているように見える吉川は伸びるジャブ、ストレート、相手のパンチをかわしてのローを入れていく。
2Rは徹底して左ローを蹴る吉川。梅村は果敢に前へ出てパンチを打っていくが、吉川はクリンチを多用する。
3Rも一発打つごとに銅タックルのように組み付く吉川。梅見らのパンチもかわされる。最後に吉川が左ミドルを連打して、梅村が左ストレートで突進。両者決め手なくドローとなった。
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▼第3試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R△川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス/第26回K-1アマチュア チャレンジAクラス -70kg優勝)ドロー 判定0-0 ※29-29×3△水上陽生(ポゴナ・クラブジム)
川越はK-1アマチュアで優勝歴を持ち、ABEMAの企画『格闘代理戦争』では木村“フィリップ”ミノル率いる木村組のメンバーとして出演。23歳で戦績は2敗。水上は21歳で戦績は1敗。
1R、互いにローからパンチを打つ。水上は右ミドルを当てると左右フックの連打、川越は右ストレートを打つ。
2Rになると水上はパンチ主体のスタイルに切り替え、左右フックとワンツーを繰り出す。川越は右ローを徹底して蹴っていく。
3Rも徹底して右ローと左インローを蹴る川越。水上は左右フックで対抗。時折、川越が放つ右ストレートがヒットする。判定は両者決め手なくドローとなった。
▼第2試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R△井上咲也(K-1ジム大宮チームレオン) ドロー 判定1-0 ※28-27、28-28、28-28△渚(K-1ジム五反田チームキングス/第33回K-1アマチュア チャレンジAクラス -60kg優勝)
井上は22歳で1勝(1KO)の戦績。渚はK-1アマチュアでの優勝歴があり、20歳で今回がデビュー戦となる。
1R、ロー、ミドルの蹴り合いからスタート。両者ともよく蹴るが、サウスポーの井上のインローがローブローとなり2度の中断。井上は左ミドルを中心にバンバンと蹴っていく。
2R、パンチを増やす渚だったが、井上が左ミドルからの右ストレートをタイミングよく決めてダウンを奪う。渚は反撃開始で打ち合いを挑んでいく。井上は右のパンチを多用。
3R、ボディへヒザを突き上げる渚はボディブローからボディへのヒザでダウンを奪い返す。その後もヒザを多用する渚だがつかんでのヒザで警告を受ける。最後はパンチで打ち合った両者。互いにタウンを奪い合っての痛み分けとなった。
▼第1試合 Krushバンタム級 3分3R〇小島卓也(優弥道場)判定3-0 ※28-25×3×入江亮太(K-1ジム福岡チームbeginning)
小島は29歳で戦績は2敗、入江は18歳で今回がデビュー戦となる。
1Rから両者アグレッシブ。パンチを交錯させ、入江の左フックをもらった小島がすかさず右ストレートでダウンを奪う。
2Rが始まってすぐに打ち合いに行った入江が左フックでダウンを奪い返すが、畳みかけてコーナーへ詰めたところで小島が右フックでさらにダウンを奪い返す。激しい打ち合いの中、ボディもしっかり打つ小島。
3R、左右フックで逆転を狙う入江を左ボディへ狙い撃ちにする小島。追いかける小島とさがりながら反撃する入江となり、入江も最後まで奮闘したが2度のダウンを奪った小島の大差判定勝ちとなった。