村越(左)の試合やスタイルを完全否定した芦澤
2021年3月21日(日)東京ガーデンシアター『K'FESTA.4 Day.1』の対戦カード発表記者会見が、2月9日(火)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1スーパー・フェザー級3分3R延長1Rで村越優汰(湘南格闘クラブ)vs芦澤竜誠(PURGE TOKYO)が決定。
村越は2011年4月にプロデビュー。2014年7月には第5代RISEバンタム級王座を獲得。K-1には2017年12月から参戦し、2018年6月の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントで優勝して王座に就く。2019年3月に卜部弘嵩の挑戦を退け初防衛に成功すると8月にスーパー・フェザー級転向のため王座を返上。11月には武尊に敗れるも武尊を苦しめた。2020年3月にレオナ・ペタスに敗れて連敗を喫したが、12月の両国大会で山本直樹からダウンを奪って再起。戦績は29勝(11KO)9敗。
芦澤は2018年6月の第2代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで第3位に輝き、9月には小澤海斗に勝利。しかし11月大会で卜部弘嵩に逆転KO負けし、2019年3月の『K'FESTA.2』でスペインのホルヘ・バレラにも3ノックダウンでKO負けして連敗。スーパー・フェザー級に階級を上げて臨んだ6月の両国大会でも大岩龍矢に敗れて引退を表明したが、2020年9月のK-1 DX「芦澤竜誠を殴りたいやつ、大募集」で現役復帰を宣言。12月のK-1両国大会で島野浩太朗にTKO勝ちして復活した。戦績は22勝(14KO)11敗1分。
両者は2017年12月のK-1で対戦し、村越が判定勝ち。芦澤にとってはリベンジ戦となる。
芦澤は「前の試合を見てくれた人は分かると思うけれど、ビックリしたじゃないですか。強くなっていてレベルが上がっていて。あれよりもビックリすると思います。毎日自分と戦って、やりたくないことをやってやりたいことをやらずに頑張っているので。今回も俺が思っている通りの結果になると思う」と、前回よりも変わった姿を見せると上機嫌に挨拶。
村越はいつも通り憮然とした表情で「そんな簡単に変わらないと思うので同じ結果にします」と返り討ちを宣言。「前回連敗していて階級を上げてからやっと勝てたけれど、ひとつの勝ちがめちゃくちゃ嬉しくて。こんなに勝利って嬉しいと気づけたので、一戦一戦大事に勝っていくだけです。階級を上げて問題ないと思います」と、スーパー・フェザー級で戦っていくことに自信を深めたという。
芦澤は前回同様、「練習は1日1時間だけ」だと言い、「その1時間にどう全力を出すかなんですよ。限界突破するんですよ。たどり着くのは1時間ラッシュしっぱなし、それを練習するんです。技術もレベルアップしているので、身体もレベルアップしています」と、全てにおいてレベルアップしていると言い、1時間ラッシュを続けることを目標にしているという。
しかし村越は前回の芦澤の試合を見て「変わっている感じはなかった。技術も上がっていると言ってるが、自分は技術に自信があるので技術の部分では負ける気がしないですね」と、以前と変わりはなかったとの感想。
それを聞くと芦澤は「技術の勝負なんてはなからする気はない。男としてどっちが生物的に強いか分かる試合をする。技術を出すのもいいけれど、そればかりやってればいいってもんじゃない。どっちの試合が面白いか分かるでしょう。(村越は)技術の試合をして沸いてないじゃないですか。つまんねえよ。俺の試合を見て参考にした方がいいですよ」と、村越の試合を否定する。
村越は「どっちがいいかは勝った方がいいので次は勝ちます」と静かに答え、「多分(芦澤の)攻撃が当たらないと思いますね」と自信のコメント。
芦澤は「俺は倒すこと以外考えないですよ。判定で勝つなんて誰が見たいんですか。高いお金払って。判定で勝つなら試合なんかしなくていいんですよ。(村越のことは)テクニシャンだと思っていますよ。でも、あなたがやってきたスポーツはメジャーになりましたか? メジャーになったのは俺が出てきたからじゃないですか。胸に手を当てて考えるんですよ。試合結果どうこうじゃなく、俺はぶちのめします」と、さらに村越を否定。
その言葉に対して村越は「こんなところで負けていられない。ベルトまで行きたい。向こうが来るなら普通に倒し倒されの試合になると思いますね」と激闘を予告する。
芦澤は今後のことについて聞かれると「今後のことは考えてないです。将来のビジョンは考えていますが、試合が決まったらそこで勝てばいいんですよ。俺は死んでもいいと思っているので。俺はやりたくないことをやることこそが一番の近道だと気づいた。そうすれば成功する。いいことがいっぱい起きるんですよ。カルマって分かりますか? いいことも悪いことも自分に帰って来るんですよ。俺は悟っていますよ。俺は今から悟りきります」と、悟りの境地に行くとする。
言いたい放題の芦澤に、村越は「俺も普通にやりたいようにやっているので、いいんじゃないですか。俺はゴルフが好きで今日もコースを回ってここへ来ました」と自分は自分、芦澤は芦澤だとした。
すると芦澤は「俺は普段5時から練習ですが、今日は1時に矢口トレーナーが来てくれてマンツーマンでバチバチにしごかれてきたんですよ。それくらい頑張っています。(村越は)格闘家なのかゴルファーなのか分からないですよね」と、自分はその間に練習してきたという。
村越は「けっこうゴルフはいいんですよ。メンタルも体幹も鍛えられる。前回はそれが活きた。ゴルフはめっちゃ行きます。K-1の中で一番い上手いと思っています」と、ゴルフの経験がK-1でも活きると話した。
カルマにゴルフとまさにカオスな内容の記者会見となったが、生まれ変わった自分に自信満々の芦澤が元フェザー級王者の村越も越えていくのか、それとも村越が技術で完封するのか。正統派と破天荒の対極対決が実現する。