RIZINバンタム級王者の堀口恭司(アメリカントップチーム)が、人気YouTuberでプロレスラー&格闘家のシバター(フリー)とのスパーリング対決を5日、自身のYouTubeにアップした。
シバターから執拗な対戦要求を受けてきた堀口は、「シバターさんへ、(動画を)出すなって言ったじゃないですか。フリじゃないですよ。ほんとうに勘弁してくださいよ。(やるなら)釣り対決とか、そういう風にしませんか」といなし、競うなら釣りで、と提案していた。
この日、シバターは堀口の提案をいったん承諾、横浜での釣り対決を申し出た。釣り用具一式もシバターが用意するという。しかし、それはシバターによる壮大なツリ。シバターは自身が「会員」として所属するパンクラスイズム横浜に、巧みに堀口を誘い出した。
道場入口から飛び出てきたシバターは、「よく来たな、堀口ィ! 大晦日はおめでとう。いい試合だったな!」と堀口を歓迎。続けて「まあ、試合の動画の再生数は俺の方が取ってるみたいだけどな~?」と、上から目線で、人気は自分が上と自慢した。
「今日、釣りじゃないんスか?」と戸惑う堀口に、シバターは「釣り? 俺ら2人が並んで釣り? そんなの誰が見たいんだよ!?」とカメラ目線で咆哮。
「え? シバターさん、格闘家なんスか?」と苦笑する堀口に、シバターは「格闘家だろー、RIZINに出てるんだぞ!? 視聴者はこの2人が戦ってるところが見たいんだよ。どう考えたって、2人で仲良くバス釣りなんて、誰が見たいんだよ?“釣りよか”とかとやってればいいんだよ。このパンクラスイズム横浜で、俺とスパーリングで戦え!」と一気にまくしたてた。
シバターの勢いと傍若無人なふるまいに、堀口は腕を組みながら「分かりました」と承諾。
まんまとスパーリング対決を受託させたシバターは「俺が格闘技にとって、ウェイト差、身長差がどれだけデカいかを教えてやる」と豪語。堀口は、「怪我しても大丈夫ですか?」と念押し。シバターは「もちろんだ。ガチンコだ。ガチンコのスパーリングでいこう、覚悟しろよ、堀口!」と叫んだ。
しかし、スパーリング前に「僕、壊しちゃう可能性があるんで、合意書を作ったんで、サインしてください」と申し出たのはシバターから。「“壊されても文句言うなよ”ということで」と堀口に承諾書にサインさせた。
VTRでは、「せっかくリハビリして復帰して、申し訳ないんだけどまた結構、休んじゃうことになっちゃうかな、という感じですが、それでも日本の格闘技が盛り上がることに繋がると信じて、堀口恭司を壊したいと思います」と、堀口破壊を予告するシバター。
「RIZINバンタム級王者」vs.「RIZIN無敗の男」とテロップがつけられたスパーリングは5分3R。シバターはショートスパッツ姿、堀口はアメリカントップチームのロゴ入りのパンツでケージの中に入った。
中央を取る堀口に、ケージを背に動かないシバターは、いきなり胴廻し回転蹴りならぬ、なぜか前転で牽制。全く動じない堀口に、シバターは両足を交錯させるアリシャッフルから、両手も回し始めて佐山タイガーステップ=ハリウッドザコシショウステップに変化。陽動作戦に乗らない堀口に、今度はサイドキックも見せるが、遠い。
シバターが前かがみに左前足に重心を置いたところに、堀口は、大晦日に朝倉海を倒した右のカーフキック!
試合前に「カーフキック、喰らわないっス。打撃は海ぴょんとか(コナー)マクレガーとかと、もうちょっと一段、二段上にいるんで。正直、僕相手だと打った方がダメージを喰らうと思うんで、たぶん(堀口は)打てないですね」と豪語していたシバター。
しかし、堀口のカーフキック1発で、シバターは横転。すぐに詰めた堀口は強いパウンド! 明らかなダメージで動けないシバターに、すぐにレフェリーが間に入った。
左足を押さえるシバターは悶絶して動けず。周囲に氷を要求した。
試合後、シバターは痛めた左足をアイシングしながら、「いやあ、もう歩けない……。でも、堀口“さん”のカーフキックを喰らうことができる人間は世にそういなんいで……いい思い出になりました」と、脱帽。
「なんか申し訳ないです。次はほんとうに……」と、再戦を切り出した堀口に「次!? 次はもう嫌だ! ほんとうに嫌だ!」と懇願。
堀口は、「違う、違う。次はスパーじゃなくて、もともと予定していた釣りに是非、一緒に行きたいなと。もうすぐフロリダに帰っちゃうので、日本に戻ってきたときに」と、あらためて釣り対決を提案した。「フロリダでバス釣りもいいですね」と胸をなでおろしたシバターは、「次こそは、ブッ倒してやるかなぁ!」と強がってみせるのが精一杯だった。
「シバターさんに騙されて、まんまと試合になってしまいましたが、結構面白くて、まあ次に釣りのコラボも出来るということなので、結果オーライかな。というか、そっちしか楽しみじゃない(笑)」と、振り返った堀口。結果的に、格闘技の厳しさをシバターに知らしめるコラボとなった。
体重差をものともせず、シバターの左足を破壊した堀口の必殺のカーフキックは、堀口恭司のYouTubeチャンネルで視聴が可能だ。