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【ONE】竹中大地がフライ級転向初戦で一本勝ち! ヘビー級はチリリ、セネガル相撲のケインがTKO勝ち

2021/01/29 21:01
 シンガポール・インドアスタジアムで事前収録されたONE Championship「ONE: UNBREAKABLE II」が、1月29日(金)ONE公式アプリ「ONE Super App」やABEMAにて配信された。セミファイナルでは、日本の竹中大地がブラジルのイヴァニルド・デルフィノと対戦。バンタム級からフライ級に転向した竹中が、3Rに見事リアネイキドチョークで一本勝ちし、フライ級トップ戦線に名乗りを挙げた。 ▼第6試合 ヘビー級(102.2kg-120.2kg)○マウロ・チリリ(イタリア)112.70 kg, 1.0183[2R TKO]×アブルバシール・バガボフ(ロシア)106.45 kg, 1.0027  チリリは、元ケージ・ウォリアーズヘビー級王者。柔道でイタリアの全国ユース選手権で優勝。BJJも学び、2012年にプロデビューし、MMA13勝4敗。2015年にONEデビュー後は、圧巻の5連勝も、ブランドン・ヴェラが持つヘビー級世界タイトルへの最初の挑戦は失敗。2019年3月のンガラニ戦で1R TKOで再起を果たし、10月の前戦アルジャン・ブラー戦では判定負けを喫している。  対するバガボフは、MMA12勝1敗。ロシアMFCで活躍し、今回がONEデビュー戦となる。唯一の黒星はACBでのもの。7KO・TKOを誇るが、キムラロック、腕十字、ノースサウスチョークなど4つの一本勝ちもマークしている。  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるバガボフはワンツー。右に回るチリリに組み付くが、切るチリリは右! なおも追うバガボフにチリリが中央を取り右を振る。  シングルレッグに入るバガボフも差し上げるチリリは突き放す。チリリの打ち終わりに組み付くバガボフ。切るチリリ。チリリの左ジャブに左フックはバガボフ。右ロー! 右ミドルを当てるチリリはなおも右をダブルで突く。  ブロックするバガボフはダブルレッグに入るが切られると、今度は左右を振ってからダブルレッグへ。尻は着いても立ち上がるチリリ。  2R、左ジャブから右ローを当てるチリリ! 足を効かされ下がるバガボフに右の打ち下ろしを当てたチリリがダウンを奪い、右のパウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。チリリはMMA14勝目、ブラー戦から再起を果たした。バガボフはキャリア2敗目となった。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級(56.8kg-61.2kg)○竹中大地(日本)61.05 kg, 1.0116[3R リアネイキドチョーク]×イヴァニルド・デルフィノ(ブラジル)61.05 kg, 1.0241  ONEバンタム級戦線では、世界王座挑戦経験を持つレアンドロ・イッサ(ブラジル)やキム・デファン(韓国)といった強敵を倒してきた竹中。2019年11月のユサップ・サーデュラエフ戦のスプリット判定負けから、約1年ぶりの試合で、バンタム級からフライ級に転向して初の試合となる。  ブラジルのイヴァニルド・デルフィノは、ブラジルパラ州マラジョー島の民族レスリング、ルタ・マラジョォンがバックボーン。MMA8戦無敗でONE参戦も、2020年1月の和田竜光戦で判定負け。初黒星を喫している。  1R、サウスポー構えの竹中に、オーソドックス構えの竹中。いきなり左ミドルで入る竹中。そこに右を合わせつつ組みに行くデルフィノ。金網まで押し込むも体を入れ替えた竹中は両脇を差して右のヒザ蹴り。  互いにヒザ蹴りを突くなか右を差して大腰から崩して大内刈テイクダウンは竹中! ハーフから右ヒザを頭に突く竹中。右脇を差しながらパスを狙う竹中。下のデルフィノはラバーガード狙いも外す竹中はデルフィノの立ち際にバック狙い。  正対し立ち上がるデルフィノを追う竹中に引き込み気味になるデルフィノ。左で脇を差して背中をつかせ、ハーフから削る竹中。そのままゴング。  2R、右ミドルはデルフィノ。左ミドルを返す竹中に右を当てるデルフィノ! テンプルに受けた竹中は一瞬動きが止まるが蹴り足を取った竹中。そこにギロチンチョークを狙い跳びつくデルフィノをテイクダウン。デルフィノはギロチンチョークを極めにいく。  首を抜き、ハーフからパウンドする竹中は、デルフィノの立ち際にバックテイク! 4の字ロックを組み左右の腕を入れ替えリアネイキドチョークを狙うが、デルフィノは極めさせず。竹中は後ろ手を剥がされないよう自身の側頭部に置くが、デルフィノは凌ぐ。竹中は力を使ったが……。  3R、慎重な出足の竹中に、前に出るデルフィノは右ミドル。しかし、その蹴り足を取った竹中はダブルレッグテイクダウンからすぐにバックに跳び乗り、4の字ロックでリアネイキドチョークへ。スタンドのままパームトゥパームで絞めるが、デルフィノは極めさせず。グラウンドに引き込み、背後から細かいパウンドを突き、左手を喉下に巻いた竹中は、今度は二の腕で組んで右手を側頭部に置いて絞め上げ、タップを奪った。  デルフィノから一本勝ちした竹中は、試合後、ケージのなかで「2Rで一本取るチャンスあったけど極め切れず、3Rに極められて良かったです。(フライ級で)一本で勝てたんでもっと強い選手と戦って上に行きたいですね」とコメント。フライ級戦線で大きな存在感を示した。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級(61.3kg-65.8kg)×チェン・ルイ(中国)65.80 kg, 1.0148[3R TKO]○クォン・ウォンイル(韓国)65.45 kg, 1.0044  ルイはMMA9勝1敗でONEでは5勝1敗。トロイ・ウォーゼンには2R TKO負けもローマン・アルバレスを2R TKO、ムハマド・アイマンに判定勝ち、2020年12月の前戦ではアリ・モタメドに1R TKO勝ちしている。現在2連勝中のタフファイターだが、グラウンドに難がある。  対するウォンイルは、MMA9勝3敗。DEEPでプロデビューし、GRACHANやGLADIATORなど日本でキャリアを積んできたストライカー。もともと1階級上の選手で、1RでのKO勝利を4試合マークするなど、早い段階んでのKOを狙って最初から圧力をかけてくる、好戦的なタイプだ。2020年1月に佐藤将光に1R、リアネイキドチョークで一本負けを喫したものの、11月にブルーノ・プッチを1R TKOに下している。  ともにオーソドックス構え。長身のウォンイルから圧力をかけると自ら組みに。突き放すルイは右を返すが、またもウォンイルは銅に組み付き押し込むが、ルイはまたも切る。  右ボディを突き、左ジャブ、左ボディ、ワンツーと連打しダブルレッグテイクダウンはウォンイル! ハーフからパウンドし、左で枕に巻き、肩固め狙い。さらに上体を立てて鉄槌、パウンド。  ルイの立ち際をバックテイクするウォンイルは正対したルイにマウント奪取。鉄槌を連打し、右ヒジを何度も落とす。止められてもおかしくないが、金網まで這うルイはケージウォークでリバーサルし、立ち上がりゴング。  2R、クラウチングスタイルで右ストレートを当てて前に出るウォンイルは左ミドルも。しかし左右ボディから顔面を突くルイも反撃。ウォンイルのボディ打ちに下がるルイはアッパーを振るが空を斬る。  右フックに後退するルイは、ウォンイルの左ストレート! 右のバックヒジもクリーンヒット! 一瞬動きが止まるルイだが、反撃。左ボディを突くウォンイルだが、ルイも声を挙げながら前進。ウォンイルの右ストレートがヒット! さらに左ボディ、左ミドルも当たるが、ルイは倒れず。  恐るべきタフネスさを見せるルイだがダメージが危惧される。金網に詰めたウォンイルは左から右をクリーンヒット! しかし、ルイは押し返してゴング。  3R、手を広げるウォンイル。互いにハグしてからゴング。左右から右ハイを決めるウォンイル! 詰めるが倒れないルイに、なおも連打するウォンイルは左ジャブ、右ストレート、そして左ボディをみぞおちに! うずくまったルイを見て、レフェリーが間に入った。  勝ったウォンイルも大の字。顔を腫らせて立ち上がってきたルイを見るとウォンイルは声を上げて抱き合った。 [nextpage] ▼第3試合 キックボクシング(93.1kg-102.1kg)×ミハイロ・ケイコビッチ(セルビア)100.70 kg, 1.0074[1R KO]○ベイブラット・イスアエフ(ロシア)96.35 kg, 1.0210  セルビアのケイコビッチは8歳でボクシングとキックボクシングを始め、アマチュアで80戦以上を経験。キックボクシングではU-18のキックボクシングナショナルチームのメンバーとなった。WAKOのヨーロッパ大会と世界大会の決勝へ進出した後、プロ転向を決めてKBKSチームに所属。1・22『ONE: UNBREAKABLE』でTKO勝利を収めたラーデ・オパチッチと元UFCファイターのダルコ・ストシッチはチームメイト。2020年12月にはFFAヘビー級トーナメントを圧倒的な実力で制したハードパンチャー。戦績は13勝1敗。  ロシアのイスアエフは2019年9月にONEに初参戦するとアンダーソン・シウバと対戦したが、初回TKOで敗れている。戦績は19勝5敗。  両者とも190cmオーバーの長身。1R、リーチの長いケイコビッチはハンドスピードが早く、ジャブ、右ストレート、ワンツーを繰り出して前へ出る。イスアエフは左右フックと右ミドルで応戦。至近距離での打ち合いを何度か見せる。ケイコビッチの右フックをもらって下がったイスアエフだが再び打ち合いに行き、ケイコビッチが左フックを空振りして右ストレートを打とうとしたところでイスアエフが右フックのカウンター。  その一撃が見事にアゴを打ち抜き、ケイコビッチはその場にグニャリと沈んだ。レフェリーは即座に試合をストップ。重量級ならではの衝撃的なKOでイスアエフが勝利を飾った。 [nextpage] ▼第2試合 キャッチウェイト(62.5kg)○ソヴァナリィ・エム(米国)60.95 kg, 1.0078[2R TKO]×チェ・チョン・ユン(韓国)62.45 kg, 1.0091  グラップラーのエムは、MMA3勝1敗でONEでは1勝1敗。イリナ・キセロバに1RTKO勝ちも、2019年12月にレイアン・バストスに1R ギロチンチョークで一本負け。  ユンはテコンドー、キックボクシングベース。SEI☆ZAでユリア・ストリアエンコに判定負け後、ONE参戦。2020年11月の前戦ではマイラ・マザールに3R TKO負けしている。  1R、いきなり左で差して押し込むエム。ダブルレッグに切り替えテイクダウン。細かい打撃を打ち込むが、ユンは金網背に立ち上がると首投げ。しかし、その際で上を取るのはエム。  ユンはフックガードから金網まで動き上半身を立てて立ち上がり。エムはなおも押し込む。  2R、ユンの右の打ち終わりにダブルレッグテイクダウンはエム! サイドを奪い抑え込みに行くが、片足を戻したユン。しかし脇差しパスガード&マウントはエム。パウンドにユンはブリッジからリバーサル。しかし、なおもボディロックテイクダウンで上を取り返したエムがクルスフィックスからパウンド! レフェリーが間の入った。 [nextpage] ▼第1試合 ヘビー級(102.2kg-120.2kg)×アライン・ンガラニ(カメルーン)104.50 kg, 1.0140[1R TKO] ※パウンド○オマール・ケイン(セネガル)119.85 kg, 1.0009  セネガル相撲の英雄がONEデビュー戦を飾る。  カメルーン生まれでキックボクシングとムエタイのヘビー級世界王者にも輝いているアライン・ ンガラニ(104.5kg)と対戦するオマール・ケイン(セネガル/119.85kg)だ。 “ログログ”の愛称で親しまれるケインは、パンチ有りのセネガル相撲出身。母国で行われている国技のルッ・セネガル(セネガル相撲)では、18歳以上から素手による顔面パンチが認められており、動画では、ケインが自身より大きな相手に頭をつけての投げで崩してのクリンチアッパー、4点ポジションでのサイドバックからのアッパー、大内刈でのテイクダウンで尻餅をつかせて勝利する場面などを見ることができる。  また、2019年12月に27歳でMMAデビューも果たしており、セネガルのダカールで開催された「ARES FC01」では、MMA6勝3敗でONEにも参戦したモハメド・アリに勝利しているソフィアヌ・ブキシュー(フランス)相手に2R TKO勝ち。  ケージのなかでケインは開始早々にダブルレッグでテイクダウンを奪うと、ブキシューのキムラクラッチに対し、右腕一本で持ち上げてスラム、さらに2Rにセネガル相撲同様にクリンチアッパー連打から電車道で押し込み、豪快なTKO勝ちを収めている。  しかし、対戦相手のンガラニ(44)は立ち技のスペシャリストでありながら、柔道経験もあるパワフルなキックボクサーだ。MMA4勝5敗で、2019年3月の前戦では、今回メインに登場するマウロ・チリリに1R TKO負け。2018年6月にはキックボクシングルールでタリック・ケバベスに1R KO負けもしており、2連敗中だ。  ケインはARES FCで、カーフキック気味のローでブキシューから尻餅もつかせており、ンガラニの蹴りにどう対応するかも注目だ。  1R、ともにオーソドックス構え。ンガラニは先に右ローキック。サウスポー構えにスイッチするンガラニ。前手争いから左に回るケインは右ハイで牽制。  じりじり詰めるンガラニは左ミドルを打つ。左ハイはブロックするケインは右ハイをブロック上に返す。ンガラニは左ローを当てるがともに慎重な展開にレフェリーが「タイム」。「モアアクション」を命じられる。  左右のラッシュで詰めるケインは、シングルレッグから小内刈でテイクダウン! 右で差して立とうとするンガラニ。しかし左で小手に巻いて押さえつけるケインは、右でパウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。
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