2020年12月31日、RIZINで元谷友貴を相手にやってのけた完勝劇。
打撃戦、ハイクロッチの対処、そして寝技のバックキープとRNCという3つの局面で自己解析し、今後への自信を井上直樹が語った。
2021年1月22日(金)に発売となる『ゴング格闘技』3月号(NO.312)に掲載される井上直樹インタビューの冒頭部分を、MMAPLANETとのコラボレーションで抜粋してここでお届けしたい。
──元谷選手に初回RNCで一本勝ち、これは想像の範疇を超えた勝ち方でした。
「判定までいくつもりだったので、この結果には自分でもビックリしているところがあります。思ったより、通用するのかなって……結構、日本では上のレベルに来ているかもと思えるようになりました」
──作戦としては、判定になっても勝てるというモノだったのですか。
「ハイ。3Rを通して距離を取ってジャブを突き、ローを蹴っていこうと。正直なところ元谷選手が、あの早い段階でああいう低い姿勢で組んでテイクダウンを狙ってきたのは予想外でした」
──予想していなかった動きに対しも、しっかりと反応することできたのですね。
「ソニックスクワッドでいつも練習していたことが出せました。あれは元谷選手対策ということではなく、普段からやっている局面だったので」
──ハイクロッチに対してバックを狙った。元谷選手も巻き込んできたのですが、そこでしっかりと背中に回り切れました。元谷選手としては、あの場面で胸を合わせたかったかと思います。
「あの動きも、いつも練習していることが自然と出た感じでした」
──いつもあの動きができるということは、直樹選手のバック奪取は間違いなく日本トップクラスですね。
「まぁ人並みに……(苦笑)。いや、他の人よりはデキているのかなって。でも、元谷選手を相手にして、あそこまで通用するとは考えていなかったです。水垣さんのところで対策練習として、四つに組んでくるだろうから、そこをいなすという準備はしていましたけど」
──最初の四つ組狙いをしっかり反応したことで、元谷選手もあまり印象にない片足を取りにきたのかもしれないですね。
「その前の打撃の展開で、大きなパンチを振りまわしていたのはしっかりと見えていました。一発入ったように思われたかもしれないですが、アレはガードの上からでしたし。打撃に関しては、水垣さんから試合前に『差はある』と言ってもらえていたので自信をもって戦うことができていました。
だから打撃でリードしたら、元谷選手は苦しくなって組みに来ることはあると思って戦っていると、コーナーの水垣さんから『そろそろ組みついてくるから』っていう声が聞こえてきて。それがドンピシャのタイミングだったんです」
──打×打のみならず、組みに対しても圧力を掛ける打撃の距離がとれていたのですね。傍から見ると2人の間にある距離は同じなのですが、対面していると自分の攻撃ができる距離とタイミングが取れている直樹選手の間合いだったかと。逆に元谷選手は傍で見ている以上に遠く感じ、圧力を受けていたかもしれないです。
「打撃に関しては全然怖いという感覚はなかったです。あのままで行けると思っていました。組んでこなければジャブとロー、元谷選手の意識が下にいけばハイキックを狙っていたのですが、それは出せなかったです(微笑)」
<井上はこの後、バックキープとRNCでのフィニッシュを振り返り、またこれから実現するであろう日本人対決へ向けて自信の言葉を発した。1月22日(金)発売の『ゴング格闘技』312号にて掲載>