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【RIZIN】堀口恭司、咆哮の戴冠「壊れてもいいと思っていました」

2021/01/01 11:01
【RIZIN】堀口恭司、咆哮の戴冠「壊れてもいいと思っていました」

記念撮影で壇上にマイク・ブラウンコーチを呼び寄せた堀口恭司(C)ゴング格闘技

 2020年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催された「Yogibo presents RIZIN.26」のメインイベント・RIZINバンタム級(61kg)タイトルマッチ(5分3R・ヒジ有り)で、王者・朝倉海(トライフォース赤坂)と、挑戦者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が対戦。堀口が1R 2分48秒、TKO勝利し、王座を奪還した。

 2019年8月の前戦では、朝倉海が1R1分08秒、堀口の右にカウンターの右クロスを当ててKO勝利。今回は1年4カ月ぶりの再戦だった。

 試合は、遠い間合いを取った堀口が、パンチ狙いで前重心となった朝倉の左前足に、踏み込みの鋭い右のカーフキック(ふくらはぎへの蹴り)を効かせると、「踏ん張りが効かなくなった」朝倉の跳びヒザ蹴りにカウンターの右ストレートをヒット。さらに続けて組んできた朝倉をふりほどくように右フックを2度かぶせてダウンを奪うと、最後はパウンドで勝負を決めた。

 王座を奪還した堀口は、リング上で「やっと取り戻せました。長い間自分のケガとか、負けたりして待っていてもらってありがとうございます。コロナで大変な時期ですけど、みんな、やることやってれば結果を残せる。いいことあると思うので頑張ってください。(ベルトを)やっと取り戻したなと。長い怪我を──自分は気にしてないですけど、周りが気にしていたんで──自分は周りの言葉を聞かず、自分を信じて、チームを信じてやっていたんで結果を残せて良かったです。(朝倉海の)動きや特徴を研究してきました。(選手生命は終わらないですね)そうっスよ。終わんないっスよ。こっから、こっから!」と、完全復活を宣言。

 また、試合後のバックステージで堀口は、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の手術により試合間隔が空いたことについて「前回、海くんと去年やったときにボロボロだったので、いい休憩になった」と語り、「カーフキックは狙っていた」「(怪我した右足で蹴ったのは)別に壊れてもいいと思っていた」と覚悟の作戦を遂行しての勝利だったことを明かし、2021年の抱負を「1個(RIZINのベルト)取り返したので、もう一個(Bellatorのベルト)を取り返そうと思います」と、ダブルチャンピオンに返り咲くことだと語っている。

 さらに、2021年の抱負を「1個(RIZINのベルト)取り返したので、もう一個(Bellatorのベルト)を取り返そうと思います」と、ダブルチャンピオンに返り咲くことだと語った。

 第4代RIZINバンタム級王者・堀口恭司との一問一答は以下の通り。

あんまりリング上で吠えないですけど、みんなの笑顔が見られるんじゃないかなと思ったら吠えちゃいました

──試合を終えた率直な感想をお願いします。

「前回、海くんとやるときにKO負けして、親がすごい泣いちゃって、まだ今回、親の顔を見てないですけど、笑顔にできたのかな、とすごく嬉しく思っています」

──1年4カ月ぶりのRIZINはいかがでしたか。

「いい会場だなあと思ったし、まあパフォーマンス的には練習でいつもやっていることができたなと思いましたね」

──前回の試合後、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の手術を行い、試合間隔が空いたことについてどう感じていましたか。

「まあまあ、全然なんとも思わないですね。自分の身体が、前回、海くんと去年やったときにボロボロだったので、いい休憩になったなという感じですね」

──今回の試合で、一番最初に朝倉選手と拳合わせて肩をポンと叩いたのはどんな気持ちでしたか。

「まあ一回やってるので、『ごめんね、待たせて』と、そういう感じです」

──今回の朝倉海戦に向けて、どんな対策を練ってきましたか。

「カーフキックは狙っていましたね。もっとグラップリングも入れていたけど、それは向き合ったときに、出すべきじゃないなと思って、ちょっとプランを……まぁ、(今回も)プランどおりですけど。もっと寝技をやろう思ったけど、海くんがそっち(組み技)に気を取られていたので、カーフキックいけると思ってメインに使いました」

──堀口選手のカーフキックは空手なのか、独特の入りのように感じました。

「そうですか? そんなことないと思いますよ。カーフキックは多分みんな今使っていると思うので、自分が特別じゃないと思う」

──痛めていた右足で強く打ちに行きました。

「そうですね。自分アホなんで(笑)、別に壊れてもいいと思っているので、全然平気ですね。しかも違和感も無いので」

──組み合う展開で右フックを当てていました。体格差はありましたが、フィジカル差も感じていないようでした。

「そうですね。全然、感じなかったですね」

──勝った瞬間は、どんな思いが去来しましたか。

「やっとこの……ファンとか、泣かしてしまった親とか、笑顔が見れるんじゃないかなと思って嬉しくなりましたね。あんまりリング上で吠えないですけど、それを思ったら吠えちゃいましたね」

──マイク・ブラウンコーチも喜んでいましたか。

「はい、そこにいますけど。すごい喜んでます(笑)」

──あらためて、ATTと日本での練習の違いを教えてください。

「コーチが、キックボクシングとか全部、打撃は打撃、寝技、レスリングってそれぞれについていて、それを総合的にまとめて見てくれるコーチが何人もいる。日本には総合的に見てくれるコーチがいないので、近道し(て強くなり)たい人はアメリカへ行った方が近道できるのでいいと思います」

──榊原信行CEOは「今回の勝者をBellatorのベルトに挑戦させたい」と言っていました。再び『ダブルチャンピオン』を目指すことになりますか。

「そうですね。返したものはしっかり取り返さないと。1個(RIZINのベルト)取り返したので、もう一個(Bellatorのベルト)を取り返そうと思います。まあでも、30歳なんでそんなにコンスタントに出来ないかな、というのもありますけど(苦笑)、取り返したいなと思います」

──いつ頃、米国に戻り、次戦をどのように考えていますか。

「米国帰国は1月中旬の予定でしたが、ちょっと伸ばして1月いっぱいまでいて、今後の試合は、自分のヒザや体調とも相談しながら、出来ればどんどんやっていきたいなと思っています」

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