キックボクシング
レポート

【ホーストカップ】ミドル級王座戦は匡志YAMATOが勝利も王座は空位に、ウェルター級王者対決は洋輔YAMATOが制す

2020/12/30 18:12
グループエスカラデーPRESENTS「HOOST CUP KINGS NAGOYA8~ナゴヤチャンピオンカーニバル~」(DAY FIGHT)2020年12月27日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール  例年外国人選手を招聘してきた今大会だが、今回は新型コロナの影響により国内在住選手のみの出場で開催。会場でも感染対策を徹底して大会が運営された。オープニングセレモニーでは土居龍晴代表による挨拶の他、アーネスト・ホーストによる日本語のビデオメッセージがスクリーンに映され「コロナの問題は世界でも大きな問題ですが、私たちはコロナの問題とファイトします。お願いします。オス!」とコロナと戦う決意が語られた。 ▼トリプルメインイベント3 HOOST CUP日本EXミドル級タイトルマッチ 3分3R延長2R〇匡志YAMATO(大和ジム/王者/NJKFSウェルター級王者) 判定2-0 ※29-28、29-28、29-29 ●小原俊之(キング・ムエ/J-NETWORKミドル級3位)※匡志YAMATOは計量で500gオーバー。減点1、グローブハンデ(匡志10オンス、小原8オンス)の状態でスタート。  昼夜興行、昼の部のトリを飾るのはヒジありで行われるEXルールのミドル級王座戦。王者の匡志YAMATOはNJKFスーパーウェルター級王者でもあり、昨年12月大会でチューチャイ・ハーデスワークアウトジムを下してHOOST CUPのベルトを手にし二冠王となった。  対する小原俊之は国内ムエタイジムのエリート集団、福田海斗を介する「キング・ムエ」所属。183㎝の長身から繰り出されるヒザ、ヒジを武器にし、前戦では11月のREBELSで第5回Air KBZミャンマーラウェイ75kg級世界王者の渡慶次幸平を相手にヒジでTKO勝利を挙げている。  両選手は5年前の新人時代に『HOOST CUP KINGS NAGOYA』にて対戦し、小原が判定2-0で勝利。王者となった匡志はリベンジと防衛を、小原は再び勝利してベルト獲得を狙う。  1R、オーソドックスの匡志とサウスポーの小原。匡志がインローから入りミドルを蹴ると、小原は匡志のミドルをキャッチしてミドルを返す。左ミドル中心に試合を組み立てる小原に、匡志はその打ち終わりにローを返す。詰めるのは匡志、縦ヒジ、右ストレートを飛ばす。  2R、小原はミドル、匡志はローの蹴り合い。首相撲の離れ際に左の縦ヒジは小原、さらに左ストレートも飛ばし、距離が詰まると縦ヒジを狙う。匡志もジャブからロー、左ストレートを当てる。  3R、ゴングと共にすぐ前へ出る両者。小原の左ミドルに合わせてワンツーの匡志。首相撲の展開が多くなり、互いに太ももへヒザ。匡志がプレッシャーを掛けワンツー、左フックを当てるも小原はミドルを返し、縦ヒジで飛び込む。ガムシャラに前へ出る匡志に小原は押されながらも前蹴り、左ストレートを返す。  判定は2-0で匡志。勝利したものの王者・匡志の体重オーバーにより王座は空位に。マイクを渡された匡志は謝罪の言葉を述べ「また1から這い上がっていきます」と勝ちながら再起を誓った。 ▼トリプルメインイベント2 EXルール 68kg契約3分3R延長1R〇洋輔YAMATO(大和ジム/NJKFウェルター級王者)判定3-0 ※30-29、30-28、30-28●蛇鬼将矢(NKBテツジム/NKBウェルター級王者)  異なる団体の現役チャンピオン同士の対決はHOOST CUPならではの一戦。洋輔YAMATOはこれまで何度もHOOST CUPに参戦し、今年10月の大阪大会で佐野克海との王座決定戦を制しNJKFウェルター級王座を獲得。  対するはHOOST CUP初参戦の蛇鬼将矢。こちらも10月に稲葉裕哉に勝利しNKBウェルター級王者になったばかり。パンチの蛇鬼将矢、蹴りの洋輔YAMATOという対照的なスタイルの両者。王者のプライドをかけた一戦はどちらに軍配が上がるのか。  1R、互いにローを何度も交錯させる。ブラジリアンキックや掛け蹴りなど変則的なキックを見せる蛇鬼。洋輔は右ローを何度も当てる、コツコツとローを積み重ねる洋輔がプレッシャーを掛けていく。  2R、ジャブとローで攻める洋輔、速いローの4連打に会場が沸く。蛇鬼は洋輔のローに右を合わせようとする。首相撲の展開になると右のヒジも見せる蛇鬼、洋輔のジャブが何度も顔面を捉え蛇鬼は鼻から出血する。  3R、互いにジャブも前に出るのは洋輔。劣勢の蛇鬼は逆転を狙い飛びヒザから前に出てロープに詰める。しかし洋輔は前に出てくる蛇鬼をさばきながらロー、パンチ当てる。さらに左右フックからボディのコンビネーション。蛇鬼はバックブローや大振りの右を放つが洋輔のボディから返しの右フックをもらい棒立ちとなる場面も。判定は3-0で洋輔。確かな技術を見せた洋輔が現役王者対決を制した。 ▼トリプルメインイベント1 女子スーパーライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇溝口孝湖(WATANABE-GYM/王者)判定3-0 ※30-29、30-27、30-27 ●超弁慶(ガムランナック/挑戦者/元J-GIRLS暫定フェザー級王者)※溝口が初防衛に成功  DAY FIGHTトリプルメインの火ぶたを切る一戦目は女子重量級対決。“尾張の重戦車”の異名を持ち、パワーが持ち味の溝口は昨年5月大会でアーネスト・ホーストの愛弟子であるマーレーン・オクックスを衝撃の失神KOで下して初代女子スーパーライト級王座を戴冠。11月28日には2冠を狙いシュートボクシングのタイトルマッチにも挑戦するも判定負け。そこからわずか1カ月で今度は自身の持つベルトを賭けた王座戦を迎える。  対するはMMA選手としてデビューしながらキックでもプロで活躍し、J-GIRLS暫定フェザー級王者にも輝いたベテラン・超弁慶。2010年から子育てのため一時期リングから遠ざかったが、現在はママさんファイターとして二足のわらじで奮闘する。  両者は2017年のHOOST CUPで対戦し溝口が判定勝利。超弁慶が再戦を熱望しリベンジマッチが実現した。  笑顔を見せる超弁慶に対し、溝口は気迫ただよう表情。1R、前蹴りの溝口に右オーバーハンドは超弁慶。顔面前蹴りから左右のコンビネーションへつなぐ溝口に対し、超弁慶はガードを固めて突進し右フックも押し込むことが多くホールディングで注意1が与えられる。溝口は遠くから前蹴り、右ストレートを徹底し、近距離からはボディやテンカオも見せ多彩な攻撃で圧倒する。  2R、気合の声を発しながらパンチを振るっていく超弁慶。溝口はリーチを生かした右ストレート、ワンツーを当てるが、超弁慶はひるまず前へ出てくる。バックブローの溝口に、超弁慶も後ろ回し蹴りを見せる。  3R、溝口の右ストレートが何度も超弁慶の顔面を捉える。超弁慶はホールディングにより再び注意1。頭を下げて左を伸ばし右を思い切り振る超弁慶に溝口はアッパーも織り交ぜショートのコンビネーション。超弁慶は身長差のある溝口に倒れながら右ハイもこれは当たらず。互いに前へ出るためクリンチの展開が多くなる。最後はパンチの打ち合いとなり終了。判定は3-0で溝口。王者の貫禄を見せ超弁慶のリベンジを退けた。 ▼セミファイナル EXルール 60kg契約 3分3R延長1R●大輔(TRASH/元NJKFスーパーフェザー級王者)TKO 1R 1分38秒 ※左ハイキック→右フック〇HIRO YAMATO(大和ジム/NJKFスーパーフェザー級1位) ▼第2試合 67kg契約 3分3R〇滝口幸成(キング・ムエ)TKO 3R 1分39秒 ※ボディへの左ヒザ●吉田理玖(朋武館) ▼第1試合 60kg契約 3分3R●MASANARI(キック塾)判定3-0 ※30-29、30-28、30-27〇中野龍一(朋武館) ▼OYAZI KICK提供試合 ヘビー級1分30秒2R延長1分●ヨータナー・パクチー(東桜パクチー) 延長判定3-0 〇李・ハセピョン(GET OVER/中国東方航空)
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