キックボクシング
レポート

【イノベーション】花岡竜が無敗対決を制して無敗記録伸ばす、橋本悟はラスト1秒でKO勝ち、与座優貴は喜入衆をTKO

2020/12/27 21:12
JAPAN KICKBOXING INNOVATION「CHAMPIONS CARNIVAL 2020」2020年12月27日(日)東京・新宿FACE 【第2部】 ▼第7試合 スーパーファイト 51kg契約 3分5R〇花岡 竜(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級王者)判定3-0 ※50-47、50-46、49-46×Rising力(ライジング己道会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONフライ級3位、西日本フライ級王者)  花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月のINNOVATION主催興行で王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた17歳(高校2年生)。関係者からの評価も高く“平成最後の怪物”と呼ばれている。戦績は5勝(2KO)1分。  力は2019年9月にタネ・ヨシホの兄タネ(ハートマーク)ヨシキを1RでKOし、西日本統一フライ級王者となった。2020年2月にはINNOVATIONで清水陽斗にも初回TKO勝ちで戦績を7戦無敗とした。右ストレートに破壊力を持つ。当初は8月のINNOVATIONフライ級王座決定戦で花岡と対戦する予定だったが、負傷欠場により無敗対決は中止に。今回、ノンタイトル戦で仕切り直しの一戦となった。  1R、前蹴りの花岡に力は一発のスピードも回転力もある左右フックで前へ出ていく。そのスピードあるパンチをかわしていく花岡。左ミドルも蹴る。  2R、花岡はジャブ、前蹴り、左ミドルを使って力にパンチの距離に入らせず、逆に強烈な左ボディを打ち込む。力も前へ出てパンチを放つが花岡は冷静にかわす。  3R、ボディへの前蹴り、左ミドル、パンチで徹底的にボディを攻める花岡。力は左右ストレートを連打して前へ出るが、前蹴りで寸断されてしまう。力はコーナーへ詰めてのパンチ連打に活路を見出していく。  4R、ジャブから右ストレートを当てに行く力だが、花岡は軽快なフットワークで動きながら蹴りまくる。ラウンド終盤には足を止めての打ち合いで右ストレートを連続ヒットさせた。  5R、花岡のパンチと蹴りの流れるようなコンビネーションが次々と決まり、顔面とボディへ花岡の蹴りやパンチが散らされていく。力は逆転しようとパンチをフル回転させていくが、花岡の蹴りで連打を遮断されてしまう。また、打ち合いになっても花岡はヒットを奪っていく。  圧倒的な攻撃の手数・足数、そして多彩なバリエーションを見せた花岡が判定で勝利。スピードバトルを制して力にプロ初黒星を着けた。花岡は無敗記録を「7」に更新した。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーファイト 64kg契約 3分3R〇橋本 悟(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーライト級王者、MuayThaiOpenスーパーライト級王者)KO 3R 2分59秒 ※右ストレート×小磯哲史(テッサイジム/J-NETWORKライト級王者、蹴拳スーパーフェザー級王者)  橋本は“激闘大魔神”の異名を持つアグレッシブファイターで、右ストレートを武器に様々な団体で活躍。MuayThaiOpenスーパーライト級王座、INNOVATIONライト級王座の二冠を持つ。倒すか倒されるかを身上にし、倒されることもあるがスリリングな試合を展開する。戦績は20勝(10KO)18敗3分。  小磯は自身が代表を務めるテッサイジムを率いながら現役で戦う会長ファイター。1999年プロデビューのベテランで47歳。2017年1月に蹴拳ムエタイ・スーパーフェザー級王座、2019年10月にはJ-NETWORKライト級王座を獲得。2018年8月にはREBELSで才賀紀左衛門とも対戦している。戦績は16勝(6KO)25敗5分。  1R、橋本が右ローを蹴ると小磯は一気に前へ出て左右フックの乱れ打ち。その後も同じ展開となり、橋本はローからの右ストレートで反撃。  2Rは一気にヒートアップ。橋本が強い右ローを蹴りつつ、左フックと右ストレートでヒットを奪う。小磯も負けじと左右フックで反撃し、ヒットを奪う。 (写真)フィニッシュとなった橋本の打ち抜いた右ストレート 3Rも打ち合いに。橋本がローを蹴ると左右フックで前に出る小磯。橋本は待っていましたとばかりに打ち合いに持ち込み、小磯は左ミドルを蹴って橋本の攻撃が止まると逆にパンチで攻め込む。橋本がそれに応戦するという勝ちで打ち合いが続き、両者ともいつ倒れてもおかしくないくらいの被弾ぶり。  しかし、橋本の右ストレート、左フックが徐々に上回っていき、渾身の右ストレートで小磯を打ち抜き、KOしたのはなんと試合終了1秒前。激闘派の本領を発揮した橋本はマイクを持つと「YouTubeやってるんでチャンネル登録お願いします」とアピールした。 ▼第5試合 スーパーファイト 67kg契約 3分3R〇与座優貴(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONウェルター級2位、極真会館2017全世界ウェイト制軽量級優勝)TKO 3R 1分42秒 ※レフェリーストップ×喜入 衆(NEXTLEVEL渋谷/元ルンピニージャパンウェルター級王者ほか2冠)  与座は2016年極真会館『第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会』軽量級を19歳で制し、2017年には軽量級世界王者に。2018年4月の第35回全日本ウェイト制選手権では中量級に階級を上げて準優勝するなどトップ選手として活躍していたが、2019年3月にキックボクシングに転向。ほぼ月イチのハイペースで試合経験を積み、7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、今年2月の『KNOCK OUT』で鈴木千裕に判定2-0で敗れ、プロ初黒星を喫した。11月のREBELSではGLORYなど世界で活躍する久保政哉に判定3-0で完勝した。  喜入は2001年プロデビュー、今回が71戦目となる大ベテラン。これまでJ-NETWORKスーパーライト級王座、初代MuayThaiOpenウェルター級王座(3度の防衛に成功)、ルンピニージャパンウェルター級王座と3本のベルトを獲得している。  1R、左ローを蹴り喜入は一気に接近して蹴りの距離を殺してのフックとヒザ蹴り。サウスポーの与座は喜入が前に出てくるところに左ミドルを合わせていく。  2Rも同じように作戦を遂行する喜入だが、与座は離れ際に胴廻し回転蹴りを放ち、さらに左右フックもヒットさせていく。  3R、喜入は右ローを蹴って突進して組み付きに行くが、与座はそこへ左ミドル、左右フック。喜入が被弾する場面が目立ち、与座が組まれた状態から胴廻しを放ってダウンを奪う。さらに左右フックと左ミドルで喜入を追い回し、一方的になったところでレフェリーが試合をストップした。 [nextpage] ▼第4試合 INNOVATIONスーパーフェザー級(58.97kg)王座決定トーナメント準決勝戦 3分3R延長1R〇Rising大輝(Rising己道会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーフェザー級8位)延長R 判定3-0 ※10-9×3×市村大斗(多田ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/INNOVATIONスーパーフェザー級9位)  1Rは大輝が力強い右ローを狙い撃ち。市村は入り込んでの左ボディを見舞う。2Rはローの蹴り合いから、市村が右のクロスなどパンチを放っていくが、ラウンド終了間際に大輝が左ヒジ打ちでダウンを奪う。3Rは市村が左ボディを何度も当てて逆転を狙い。本戦の判定はドロー。  延長Rはミドルとローの蹴り合いから、大輝が死力を振り絞ってパンチの連打で前へ出る。市村も左ボディで応戦するが、前に出た大輝が振り切って接戦を制した。 ▼第3試合 ジム対抗戦 ウェルター級(66.68kg) 3分3R×マサキ(多田ジム/INNOVATIONウェルター/INNOVATIONウェルター級10位)判定0-3 ※28-30、27-30×2〇大島優作(RIKIX)  1R、ローの空振りが目立つマサキに大島は右ローを当ててパンチにつないでいく。2Rはマサキのパンチからローが当たる始め、手数の少ない大島は左ボディを交えたパンチのコンビネーションを繰り出す。両者ともヒジも打つ。3Rはマサキがローから右ストレートで前に出ていったが、大島が逆に右ストレートを命中させて判定3-0で勝利を得た。 ▼第2試合 ジム対抗戦 58kg契約 3分3R ※肘打ちなし〇新田宗一郎(クロスポイント吉祥寺/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)判定3-0 ※30-29×2、30-27×都築憲一郎(エムトーンジム)  1Rは新田の左ミドルに都築が必ず右ローを蹴り返す展開。2、3Rも展開は変わらず新田が左右ミドル、ローを蹴り、右ストレートも放つ。フックを狙う都築だったが新田の手数・足数を上回れず新田の判定勝ちとなった。 ▼第1試合 ジム対抗戦 56kg契約 2分3R ※肘打ちなし〇井熊友也(クロスポイント吉祥寺/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)判定3-0 ※29-27、29-28、30-27×神助(エムトーンジム)  1Rは右フックを連発する井熊に伸助はボディへのヒザ蹴りで対抗。2Rはお互いにボディを打ち合い、伸助が右フックをヒットさせる。3Rも思い切り顔面とボディへフックを打ち合う両者。3R終了間際に井熊が左右フックの連打でダウンを奪い、判定3-0で勝利した。
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