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インタビュー

【ONE】仙三、1年2カ月ぶり復帰戦へ「腕極められようが足極められようが、何が何でも勝つ」=12月25日(金)

2020/12/24 13:12
【ONE】仙三、1年2カ月ぶり復帰戦へ「腕極められようが足極められようが、何が何でも勝つ」=12月25日(金)

(C)ゴング格闘技/ONE Championship

 2020年12月18日(金)シンガポール・インドアスタジアム大会にて事前収録され、12月25日(金)に「ONE Super App」や「ABEMA」で世界150カ国以上に配信されるONE Championship『ONE:COLLISION COURSE 2』。

 第1試合では、60kg契約で仙三(パラエストラ松戸)がリャン・フイ(中国)と対戦する。

 2019年10月のONE両国大会でリト・アディワンに右ヒジを極められあらぬ方向に曲がるもタップせず、試合を続行しようとした仙三。コロナ禍のなか、怪我の治療ととともに「丸一日、格闘技にだけ向き合う」日々を積んできた。

 仙三は言う。「この試合が最後だなというつもりで、死んでも……死んでも勝とうと。腕極められようが足極められようが、何が何でも勝つ気持ちです。今回に自分のやってきた格闘技人生のすべてを賭けて戦います」と。

どうなろうと納得できる自分を作ってきました

──10月30日の収録大会でアレックス・シウバと対戦予定だった仙三選手には、あの試合前にもインタビューをさせていただきましたが、試合はシウバの負傷で中止に。あのときは入国と帰国時にも2週間の隔離。そしてPCR検査も日本出発時、シンガポール入国時、さらに試合前と試合後にも行い、計4度の検査を行うなど、対戦相手を想定した調整を含めて長い時間と手間をかけたかと思います。現地で試合が流れたと聞いたときはどんな気持ちでしたか。

「すごく大変でしたね。最初はさすがに気持ちにきましたけど、でも、ONEのほうですぐまた試合を組んでいただけるというお話だったので。いい経験になったかなと思って、次に生かそうということで、2、3日してすぐ切り替えました。次に向けてという形で」

――それでもほんとうにオファーが来るか分からないなかで、日本でも2週間の隔離生活をした。そして今回の12月18日大会が決まったことで、同じ手順を踏むことに関しては前向きにとらえていますか。

「その点では自分は有利だと考えています。前回の経験があったので、食事も日本から結構持ってきているので、玄米だとかパックで売っているおかゆとか、ほぼ日本と同じものをシンガポールでも食べています。隔離生活も今回は苦に思わずめちゃめちゃ楽しんでます」

――無駄にしていないですね。

「そうですね。前回隔離生活を送った課題を修正することができました」

――対戦相手がアレックス・シウバ選手からリャン・フイ選手に変わったことで、対策も変更しなければならなかったと思いますが、このMMA5勝5敗1分というリャン・フイの動画を見ておこうと探そうとしても見つからないんです。仙三選手は確認できましたか。

「いや、何も情報なくて、何もわからないです。動画も無いんですよね」

――「ONE Hero Series」も見たのですが、何故か収録されておらず、スタッフに聞いたところ「中国のみにしか公開していない」と。右構えか左構えかも分からない感じですか?

「海外サイトでの異名が“リトル”なんちゃら(リトルモンスター)とついていたので、たぶん背は小さいんだろうなという」

――分からないですよ。身長の記述がどこにも無いですし、仙三選手が対戦した“リトルピラニア”は長南さんの弟子という意味でしたから(笑)。

「そうですね。初めてですね、まったく情報がないのは。でも不安は一切ないです」

──2019年10月の両国大会では、リト・アディワン選手のアームロックで右ヒジを脱臼し、前回、試合が流れる前にお話を伺った際には、2カ月半くらい前からようやく激しい練習ができるようになったと仰っていました。

「はい。それまでは練習してもまたすぐに腕が伸びてしまって……走ったり、出来る部分の筋トレとかをしていました。右ヒジに関してはここ3カ月くらいでようやく戦えるくらいになって来ていました。ヒジは完璧ではないにしても、ほかの怪我で引きずっていた部分が、この1年間ですごくよくなりました。正直、千葉に引っ越してきて、一番最高のコンディションです。もちろん昔よりも強いと思いますし、今が一番強いと思います。パラエストラ千葉ネットワークに来てから一番いい自分を出せるんじゃないかなと思います」

──2019年のONEでの試合は「怪我で倒せる打撃が打てていなかった」とも聞きました。

「結構ずっと昔の怪我で、(若松)佑弥くんとやった試合での右拳の粉砕骨折とか、その後にも肩の骨折とか……ほかもずっと引きずっていた怪我が全部、良くなったので、前戦、前々戦とは全然違う打撃を出せるようになっていると思います」

──新型コロナウイルスの自粛期間中はどのように過ごされていたのですか。

「コロナの自粛期間に周囲も大変ななか、自分もちょっと落ちたときもあったんですけど、右ヒジが試合が出来る状態ではなかったので、ひたすら自主練をしていて、身体を治すいい機会ととらえました。ずっと絶対に勝ってやる、という気持ちを持ち続けていましたから、コロナでも自分のやるべきことをずっとやってきました」

――今回の試合前にツイートを拝見したら、「勝ち負けにとらわれていない、初めて自分のやってきたことに自信がある」と。

「はい。自信があります。シウバ戦が決まったのが8月くらいだと思うんですけど、そこからずっと、丸一日格闘技にだけ時間を──朝起きてから、食べ物、飲み物、全てにおいて──格闘技に全てかけてきたので、これでもし負けるようだったら、もうしょうがないなというくらいはやってきたと思うので。客観的に見て100%勝つかなと自分では思っています、誰が相手でもどんなタイプでも。それくらい自信があります」

――気持ちがそれだけ格闘技に24時間向いていると、試合までが長かったので持たないのではと危惧もしました。

「やっぱりなかなか試合が決まらず、ずっと向き合ってきたのでキツいときもあったんですけど、でもそういうときも、『今日がやっぱ一番いいな』って思えるようになったんです。キツい日もあります。毎日同じことをやって、同じものを食べて、同じことを繰り返していることで、『特別な日』なんて別にいらないなって。いまが最高の日なんだなって、一日一日思うようになってきて。充実していましたね。だから、いまは試合が特別だと思う感覚が無くなりました。自分がやってきた事に自信があるので積み重ねてきた事をいつも通りやればいい。どうなろうと納得できる自分を作ってきました」

――なるほど。この間、練習仲間の扇久保博正選手がRIZINで瀧澤謙太選手に勝利し、内藤のび太選手が猿田洋祐選手に熱闘の末、判定負けしました。これらの試合をどのようにご覧になっていましたか。

「扇久保さんとは、前回自分が先に試合するはずだったんです。それで『自分が勝って、扇久保さんにつなぐから』という話をしていたんですけど、それが逆になっちゃって、先に試合することになった扇久保さんが『じゃあ、僕が先に勝ってつなげます』ということで言ってくれて、すごいいい試合をして見せてくれたので、自分もすごい力になりました。

 それに、内藤さんが猿田選手と対戦するときもマンツーマンで練習していたので、そこに向かう姿にめちゃめちゃ力をもらいましたね。やっぱり2人とも尊敬する仲間なんで。格闘技に賭けている気持ちが、自分と同じで強いものがあるので、自分も諦めないようにと思いました。判定結果は負けても、正直気持ちでは負けていなかったと思いますし、いいものを見せてもらったなと思います」

――5Rの試合でも見てみたいと思わせるほど内藤選手の渾身の動きでした。扇久保選手も朝倉海選手に負けた後の試合で、上り調子の瀧澤選手からしっかりダウンを奪う完勝劇でした。そういった選手との練習環境はやはり自信になるでしょか。

「やっぱり扇久保さんは強いですし、うちのジムの選手は強い選手がいっぱいいるので、そういう部分で、扇久保さんの試合を見ても、自分は強い人間と練習でやれている、自分もやれるんじゃないか、とは思いました。何より試合に向かう姿勢です。本当に格闘技にかけている仲間がいっぱいいるので、そういう部分で本当に感謝していますね。一緒に練習できて嬉しいです」

――この期間で一番仙三選手が磨かれたのはどんな部分でしょうか。

「寝技もレスリングもすごいレベルアップしたと思います。打撃の部分では怪我が多かったので、出せていない部分が多くて、不安も大きかったんですけど、ヒジの怪我ももだいぶ良くなってきて、今は打撃も、下手したら昔以上のキレに戻ってきているんじゃないかなと思っています。もちろんメンタルもまた一段と強くなった。いま格闘技に対して本当にまっすぐに向き合っているので、すべての部分でレベルアップしたと思います。過去最高、一番じゃないかなと。誰とやっても負けないと思っています、今は」

――セコンド勢はどなたが入られるのですか。

「セコンドも2週間&2週間の隔離生活があるなかで、川口の頃からずっと練習していた川口レディップスの榎本悟選手がついてくれます。PANCRASEでも活躍していて(5連勝中)、前回も悟くんに来てもらったんですけど、とても助かっています。いまは違うジムなんですけどありがたいです。本当に万全で、サポートもめちゃめちゃしてもらっているので、いま正直試合に関しては何ひとつ心配をしていないです。戦うのが楽しみだなという、戦うことを楽しめるなというだけですね」

――久しぶりの試合でどんな仙三選手を出したいですか。

「目が離せない試合になると思います。ダニー・キンガッド戦とリト・アディワン戦、自分の自由な戦い方ができなかった。なかなか自分らしい試合を見せられなかったので、今回は本当に『仙三の試合が久々に見れたな』と楽しんでもらえるような試合をしたいと思います。1ラウンドから、もちろんKOと一本を狙いに、ガンガン自分から行きたいと思っています。復活を皆さんに見せます。“やっぱり仙三はいける、ONEのチャンピオンになれる”そう思ってもらえるようなパフォーマンスを見せます。

 前回、アレックス・シウバとの試合に臨む前もそうでしたが、もう……ほんとうに負けたら終わりだと本当に思って、この試合最後だなというつもりで、死んでも……死んでも勝とうと。腕極められようが足極められようが、何が何でも勝つ気持ちです。今回に自分のやってきた格闘技人生のすべてを賭けて戦います。めちゃめちゃ面白い最高の試合になると思います!」

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