2020年12月18日(金)シンガポール・インドアスタジアム大会にて事前収録され、翌週25日(金)に「ONE Super App」や「ABEMA」で世界150カ国以上に配信されるONE Championship『ONE:COLLISION COURSE II』。
その第4試合ムエタイ・フライ級で、ボルター・ゴンサルベス(ブラジル)と対戦するMOMOTARO(OGUNI-GYM)が、隔離生活中のシンガポールからヴァーチャルメディアインタビューに応じた。
元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者のMOMOTAROは、2019年3月のONE初参戦でケニー・ズィー(中国)に判定勝ちも、4月に元ルンピニー3階級王者ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)に判定負け。しかし、9月のシントンノーイ・ポーティラックン(タイ)との試合では、41秒KO勝ちの番狂わせを起こした。11月にはホームリングのNJKFで琢磨に3R判定勝ちを収めて連勝していたが、今年1月のONEで元ONEキックボクシング・フライ級王者ペッダムに判定負けを喫して連勝がストップ。今回はそれ以来の試合となる。
対するゴンサルベスはブラジルでムエタイを始め、学生生活を終えるとタイへ渡り、名門シッソンピーノンジムでかつての名選手サガットペットの指導を受けた。タイのパトンスタジアムやMAX MUAYTHAIなどでムエタイのキャリアを積み、2017年P-1 Changトーナメント優勝、2018年WPMF世界ライト王者、2018年ムエタイ・エクストリーム-60kgトーナメント王者となり、2019年10月に東京・両国国技館で開催された日本大会でONE初参戦。いきなりロッタン ・ジットムアンノン(タイ)のONEムエタイ世界フライ級王座に挑戦し、判定2-1で敗れるもロッタンを苦戦させた。戦績は27勝(18KO)5敗1分。22歳。
来なかったらこっちから仕掛ける
――最初に対戦相手の名前を聞いた時はどう思いましたか?
「昨年の日本大会で実際に試合を会場で見ていました。ロッタン選手といきなりタイトル戦が組まれて、どんな選手なんだろうなって気になっていて。実際に試合を見てみたらロッタン選手を相手にあのようないい勝負をしていたので凄く印象に残っていました。こういう選手もONEのフライ級にいるんだな、と。もしこの選手が自分と当たったらどう戦おうかなって思っていた選手なので、名前を聞いた時にすぐ“あの選手か”と分かりました」
――モチベーションが高まった?
「そうですね。印象に残っていましたし、ファイトスタイルも自分に近いというか、ステップを使ってブラジリアンキックだったり、頭を振って目もいい選手だなって印象があったので、こういう選手とやったら面白いんじゃないかなって」(写真)ONE日本大会でロッタン(左)と対戦したゴンサルベス(写真=ゴング格闘技)――ゴンサルベス対策は短い期間ながらも練れましたか?
「映像を見てコーチと何が使えるか話し合って、イメージをして日々の練習をしていましたね」
――ゴンサルベスは相手の蹴り足をキャッチして攻撃したりコカしたりするのが得意ですね。
「そこもセコンドの仲間と話し合って、掴まれたらどうしようかというのは頭に入れています。足を掴んでくるところで逆にこっちの攻撃を当てる技も考えているので、そこは作戦の中に入っています」
――試合を見る側としては、MOMOTARO選手が蹴り足を掴まれた時にどうするか、というのも見どころのひとつということですね。
「はい(笑)。何パターンかあるので。僕も相手の蹴り足をキャッチしてからの攻撃は自分の引き出しの中にあるので、逆にそれをやり返してやろうかな、というのもあります」
――相手がロッタンだったからというのもあるかもしれませんが、待ちのスタイルでカウンターを狙う戦い方もしていましたよね。
「そうですね。自分もどちらかと言いますと待つタイプなので(笑)。お互いに待ってしまうとめちゃめちゃつまらない試合になってしまうので、そうならないように面白い試合にはできると思います。来なかったらこっちから仕掛けますし」
――前回に続いて厳しい相手を当てられた感じがしますが、MOMOTARO選手としては望むところですか?
「この舞台は本当に世界でトップの選手が集まっている舞台なので、どの選手が来ても覚悟はしていました。ああいう強い選手と試合をできるのが楽しみです」
――12月12日に配信されたジョナサン・ハガティー(英国)vs内藤大樹の試合はどうご覧になりましたか?
「内藤君とは戦ったことがあるので内藤君の強さを知っていましたし、ハガティーも強い選手だと知っていたんですけれども内藤君ならやってくれると思っていました。まさかダウンを取られてあのような形になるとは予想していませんでした」
――もうオープンフィンガーグローブ(OFG)は問題ないですか?
「自分はOFGの方がいいですね。タイ人とか今回の相手とかに一発を当てるのは本当に難しいので、その一発で倒せるチャンスはOFGの方があります」
――OFGのディフェンスはどうですか?
「自分は止まって防御を固めるスタイルではなく、頭を振ってかわすスタイルなので、周りにも言われますがOFGに向いていると思っています」
格闘技が自分にとってどれだけ必要なことか、大切なことかに気付けた
――シンガポール入りしての隔離生活はいかがですか?
「コロナ対策は徹底していただいているので、安心して興行を開けるんじゃないかっていうのもありますし、普通に外出できないのがちょっと窮屈ですが選手にとっては試合に集中できるいい環境なのかな、と思っています」
――隔離生活中の息抜きは?
「1時間だけ外のプールエリアに出られる時間がリフレッシュタイムと言いますか。外の空気も据えるので、その時間が自分にとって一番の息抜きなんですが、今日も予約していたんですが雨が降ってきてしまって残念だなと思っています(苦笑)」
――今はほとんどの時間をホテルの部屋で過ごされているんですよね。何をして時間を潰しているのですか?
「和田(竜光)選手にも何をしているんですかと聞いたんですが、やっぱり携帯でYouTubeを見たり、映画を見たりって言っていたのでみんな一緒なのかなっていうのがあります。自分はYouTubeというよりかは、試合が終わった後に何を食べようかとネットで見て、試合後の楽しみを作っています。もうそればっかり考えています」
――それはもしかして大好きなスイーツですか?
「もちろんそうです(笑)。ケーキ、ドーナッツ…無駄に調べています。まあ、それが楽しみなので」
――コロナでなかなか試合や練習ができない期間を経験したと思いますが、その経験をして格闘技に対する価値観は変化しましたか?
「そうですね。普通に今までできていた試合ができなくなって、その期間を経て改めて格闘技、ムエタイ、キックボクシングが好きなんだなって強く思えるようになりました。格闘技が自分にとってどれだけ必要なことか、大切なことかに気付けたのでよかったな、とプラスに考えています」
――新たな気持ち、新たなモチベーションで試合場に上がることになりそうですね。
「そうですね。久しぶりの試合なので凄く楽しみです」
――最後にファンへのメッセージを。
「約1年近いですが久しぶりの試合を組んでいただくことができたので、皆さんにいい刺激を与えられるような試合をしたいと思っておりますので、日本からの応援をよろしくお願いいたします」