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2020年12月31日(木)さいたまスーパーアリーナで開催される『Yogibo presents RIZIN.26』で、「RIZINチャレンジマッチ」として、将来を嘱望される10代の女子高生同士の試合が組まれた。
柔術をベースとする17歳のさくら(フリー)と、空手をベースとする17歳の竹林エル(総斗會三村道場所属)が、5分3Rのヒジ無しルールで対戦する。
▼RIZINチャレンジマッチ 51.0kg 5分3R ※ヒジ無し
さくら(フリー)
竹林エル(総斗會三村道場所属)
異例のチャレンジマッチの実施について、21日の囲み取材で榊原信行CEOは、「若い人たち、次の世代を作り出していく舞台にもしたい。女子格闘技の未来を担うような、実力的にはまだちょっと場違いじゃないの? と思われてしまうかもしれませんが、その子たちがその経験を活かしてこの数年後、浅倉カンナがそうだったように、意識を持って引っ張っていくような舞台になればいい」と、新世代の女子ファイターの登用を示唆していた。
浅倉カンナに憧れるさくらは、16歳でMMAデビューし、MMAは4戦3勝1敗。父の影響で5歳から柔道を習い、柔術でASJJF東京インターナショナルチャンピオンシップを始め多数の大会で優勝し、道衣ありで青野ひかるから一本勝ちを収めるなど寝技を得意としている。今後の日本の女子格闘技を背負う逸材として注目を集めている。
DEEP JEWELSアマチュアグラップリングで4戦4勝を飾り、2019年12月のDEEP 93では國保小枝を腕十字で極め、16歳で鮮烈なMMAデビューを果たした。2020年2月には浜崎朱加が所属するAACCの永尾音波に判定勝利。
連勝の勢いのまま2020年7月のDEEP JEWELS 29で現DEEP女子ミクロ級王者の大島沙緒里と対戦。ポジションが入れ替わる目まぐるしい展開のなかで大島がさくらにキムラロックを極め、レフェリーストップとなっている。
プロ初黒星を喫したさくらだが、10月のDEEP JEWELS 30ではベテランのKAI相手に打撃で優位に立ち、最後はリアネイキドチョークで一本勝ち。再起を果たした。しかし、11月の大阪大会ではグラップリングルールで“超新星”伊澤星花に敗れているため、MMAルールでどこまで進化を見せられるか。
夢のRIZIN出場を果たすさくらは、「今回、憧れていたRIZINに出場できるチャンスをいただき、本当に有難うございます。去年の12月に総合格闘技でプロデビューしたばかりで、まだまだ経験の少ない私ですが、出場させてもらう以上は誰が見てもわかりやすく一本勝ちしたいと思います!」とフィニッシュ宣言。
さらに「RIZINを応援しているファンの方々にも名前を覚えてもらう日にしたいです。女子総合格闘技、DEEP JEWELSの素晴らしさを伝えられる素敵な試合をしたいので、同じJKファイターのエル選手よろしくお願いします」と、対戦相手にもエールを送っている。
対する竹林は、福井県坂井市の女子高生ファイター。6歳から兄とともに空手を学び、空手では拳幸塾に所属。禅道会の全日本ジュニアRF武道空手道選手権大会・中学生女子の部で優勝するなど、17歳ながらキャリアは10年に及ぶ。
総合格闘技では、club DEEP等で活躍した水野宏幸代表率いる総合格闘技ジム総斗會三村道場でMMAに取り組み、空手で鍛えた打撃を武器に、アマチュアで3戦3勝。
2020年10月のDEEP JEWELSアマチュア大会では、右ハイキックで堀井かりんに鮮烈TKO勝ち。12月に開催されたDEEP JWELES本戦では、オープニングファイトでSAKIを相手に見事腕十字で一本勝ちしている。
大晦日の試合に向け、無敗のルーキーは「福井県の三村道場の竹林エルです♪ 今回は夢のようなチャンスをいただき本当に感激してます。JKファイター同士でアグレッシブな試合をしますのでご期待ください! 竹林エルをどうぞ応援よろしくお願い致します」と、ストライカーらしくアグレッシブな試合展開を予告した。
さくらは打撃の成長を見せているものの、軸はグラップリング。大島からマウントを奪ったポジショニング能力を活かし、いかに打撃を被弾せずテイクダウンから抑え込み、フィニッシュまで結びつけるか。
対する竹林は、空手出身らしく歩きながら左右の打撃を放ち、特に右ハイキックは決定力を持つ。近づけば強い首相撲&ヒザも武器で、強い腰を活かし、さくらのテイクダウンを切って打撃、さらに削って上から攻めたいところ。
若いファイターが続々と育ち、日本の女子格闘技界の地殻変動が起こりつつある中で、「女子の若い選手にも活躍の場を与えたい」と考えるRIZINの思惑と一致し、今回、10代女子2選手の大晦日への大抜擢が決定した。このチャンスに2人はインパクトを残し、大きなステップアップに繋げられるか。