12月18日、弟の朝倉海とともに公開練習に臨んだ朝倉未来(右)
2020年12月31日(木)にさいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.26」で、68kg契約・ヒジありルールで、弥益ドミネーター聡志(team SOS)と対戦する朝倉未来(トライフォース赤坂)が18日、公開練習とリモートによる囲み取材に応じた。
朝倉は、2020年11月21日の『RIZIN.25』で、RIZINフェザー級タイトルマッチを斎藤裕(パラエストラ小岩)と戦い、判定3-0で敗れ、戴冠を逃していた。今回は斎藤へのリベンジのために連続参戦となる。
朝倉は、前戦の斎藤戦の反省を活かし、弥益戦では「今回の試合は“攻め”。衝撃的な試合をしたい、KOです」と、原点回帰の攻めるカウンタースタイルで戦うことを宣言。さらに「自分からのテイクダウンもある。パウンドを練習しているので、強烈なパウンドで失神させるかもしれない」と、新たなスタイルも予告した。
また、大晦日を越えて、最優先を斎藤へのリヴェンジとし、「王座を獲りたいというより、リヴェンジしたい気持ちが強い。チャンピオンとかどうでもよくて、タイトルマッチでなくてもいいです、正直」と、再戦を強く求めた。
挑戦権を得られる根拠についても「求心力じゃないですか。僕の試合が組まれて、俺の試合に興味があって観客が入る。そういう興行主の考え方を見たら、俺との試合が組まれる確率は高いんじゃないかなと。そういう権限を持っているのは俺の方なので」と、選択権があるのは自分とした。
未来の再起戦について、弟の朝倉海は「僕もそうですけど、負けた後から強くなるから、兄貴も絶対そうですね。負けず嫌いなんですよ、とにかくほんとうにマジで(笑)。でも負けず嫌いが一番の強さ。負けることをどうでもよくなっちゃう人は強くなれない。何事も負けず嫌いってほんとうに強みだなって」と兄のリヴェンジに期待を寄せている。
KOに飢えています。とにかく倒す
──以前、弥益選手とはアライアンスで練習をしたことがあると思います。そのときの印象は?
「そうですね。2、3年前で印象は無いです。たぶん、1回か2回しかしていないです」
──では、会見で言った「試合で強い選手」というのは「練習より試合で強い」という意味ではないのですね。
「『試合で結果を出している選手』という意味でした。あんまり本当に覚えていないです」
──前回は「斎藤裕選手の動画は少なかった」と言っていましたが、弥益選手の試合は最近になってDEEPの試合がアップされました。どのように分析しましたか。
「2試合くらい見ましたけど、だいぶ癖は掴んだかなという感じですね。試合でも力みが無いなと。ノーモーションの攻撃が強い。それに“出し切る試合”をしている。そのへんが強い」
──弥益選手の打撃は、すごくスピーディーだとか綺麗ではないですが、あのスイッチやタイミングのいい跳びヒザ、組み際・離れ際の打撃などはどう感じていますか。
「なんか絶妙なタイミングで出してくるなと思うんですけど、まあ、圧倒的に勝ちたいと思っているので、あんまり意識しないですね。相手どうとかじゃなくて今回、自分が強いと思うので、相手はあまり意識していないです」
──“自分が強い”と。弥益選手はトリッキーなスタイルながら死闘も辞さない、そういう展開になっても構わないと?
「KOですね。たぶん。倒れるんじゃないですか」
──前回の斎藤戦ではジャッジの判定になり、朝倉未来選手が待ちのカウンタースタイルだったことが影響したように感じます。その反省点を活かす形になりますか。
「そうですね。今回の試合は“攻め”ですね。自分の入りをすごい練習したんですよね。自分からパンチを当てに入る。そのへんが相当上達したんで、前の俺とは試合展開、だいぶ違うと思います」
【写真】18日の公開練習ではサウスポーに構え、飛び込むような左ストレートも見せた朝倉未来
──ということは、早期決着もありうると? 弥益選手は「喧嘩をさせてください」と表現しています。
「全然あり、1Rで倒すつもりで行きます。望むところですね」
──その展開は、いつもの朝倉未来選手のスタイルや距離感ではなくなる可能性もあるのではないですか。
「自分からの攻めもあればあるほどカウンターが入りやすくなる。より自分の攻撃が危険になるんじゃないですか」
──ROAD FC後の少し原点に戻るような感じでしょうか。
「そうですね。とにかく……試合に飢えてますね。KOに飢えています。とにかく倒す。衝撃的な試合をします」
──弥益選手には極めもあります。一方、組みの部分では柔道出身の牛久絢太郎選手に組み負けてもいます。どのようにとらえていますか。
「組みでは……別に、じゃないですか。そんなに強いと思わないです」
──斎藤戦の終盤のように、朝倉選手からテイクダウンを仕掛ける可能性も?
「もちろん思っています。パウンドを練習しているので、強烈なパウンドで失神させるかもしれないし、自分からテイクすると思います」
──斎藤戦を受けて、今回はどういう位置づけになりますか。
「位置づけ……出来れば次の試合でリマッチをやりたいですね。どっちにしろ僕が勝てばね。負けたらまあ話にならないと思うので、今回の試合で圧倒的に勝って、次の試合でリマッチですね」
──フェザー級は斎藤チャンプに挑戦したい選手が多くいます。
「関係ないですね。俺がとにかくやりたいんで。リマッチしたいという感じです」
──斎藤選手に勝ちたいのか、王座を獲りたいのか、どちらの気持ちが強いですか。
「王座を獲りたいというより、リヴェンジしたい気持ちが強いですね。チャンピオンとかどうでもよくて、タイトルマッチでなくてもいいです、正直」
──自分が一番最初に挑戦できる、という根拠は?
「求心力じゃないですか。僕の試合が組まれて、俺の試合に興味があって観客が入る。そういう興行主の考え方を見たら、俺と試合を組むと。興行主じゃないから分からないですけど。組まれる確率は高いんじゃないかなと。そういう権限を持っているのは俺の方なので」
──一度敗れて連敗できないという思いは?
「もちろんありますけど、保守的にはなっていないですね。取り戻しにいく、という気持ちの方が強いです。負けることとかは考えてないですね。練習めちゃくちゃ追い込んでいますし、対策もしっかりしている。その上で倒しに行きたいというところですね。負けて試合をやらなかったらどうなるの、という話ですし、負けたものは取り戻すしかないからやるしかないし、やるなら勝つしかないんで練習しているという感じです」