帝拳ジムの葛西トレーナーが持つミットにパンチを叩きこむ那須川
2019年4月21日(日)神奈川・横浜アリーナ『RIZIN.15』で、プロボクシング6階級制覇マニー・パッキャオ(フィリピン)の推薦選手フリッツ・ビアグタン(フィリピン)と対戦するRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)が、16日(火)千葉のTEPPEN GYMにて公開練習を行った。
那須川はまず、元プロボクサーで帝拳ジムの葛西裕一トレーナーが持つミットでボクシングを披露。続いてタイ人トレーナーが持つミットで蹴りありのミット打ちを披露した。ハイキック、バックスピンキック、飛び二段蹴り、スーパーマンパンチなど次々と大技を繰り出し、技と技のつなぎが極端に短いスピード感溢れるコンビネーションで快音を響かせ続けた。
公開練習を終えた那須川は「疲れが溜まっていて、今はだいぶ疲れをとっている状態です。肉体改造している最中で、急に試合が決まったけれど意識が高い練習ができていたので、いつ試合が組まれても大丈夫なように準備はしていました」と、準備は万端だと話す。
「3月のRISEの試合前からフィジカルを上げたり、動きの連動だったり、自分のやるべきことをやってきました。格闘家として生きることを常に考えているので、練習が楽しくてしょうがない。最高のチームだし、トレーナーに恵まれていますね。いま重点に置いているのはRISEの世界トーナメントなので、58kgは自分のベストの階級ではないから、そこの近づけるための身体作りをしています。第2形態から第3形態に進化する段階です」と、58kgの階級で戦える身体を作っている最中だとのこと。
「海外の選手と戦うこと多いので、日本人の何が劣っているかと考えると骨格が足りない。しっかり筋肉を付けて、動ける筋肉を付けないと通用しない。倒せるけれど一発じゃ倒せないとか、あとは押し負けないように。格闘家は誰もそうだと思うけれどラクして勝ちたいんですよね。そのために早くKOしたいんです。早くラクに試合を終わらせたいので、それができるためには身体を作って高めていかなければいけない」と、外国人を早く倒せるためのフィジカルを鍛えている。そのために、今まで「ほとんどやっていなかった」ウェイトトレーニングも取り入れた。
「倒すためにいろいろなパターンを用意しています」と言い、「タイ人トレーナーが1カ月半前から新しく入ってきて、凄くいいトレーナーなんです。自分のやりたいことを伝えるとそれに合わせてくれる。だから毎回ミットが楽しいです」と、新トレーナーのおかげで技にさらに磨きがかかっている、とも。ボクシングは葛西トレーナーがTEPPEN GYMまで来てくれるだけでなく、週1回は必ず帝拳ジムへ行くようにしているという。
対戦するビアグタンについては「映像を見ましたが、パンチを振ってくるタイプですね。一発もらったら危ない。それにパッキャオ選手が付いているので、どれだけレベルアップしているかが楽しみ。映像ではパッキャオっぽいところはなかったです。ただONEを見てもフィリピンの選手は最近強いので侮れません」と、思い切りのいいパンチを警戒しているようだ。
しかし、「これをクリアーしないと7月にRISE世界トーナメントの準決勝があるので、ここで苦戦していたら次に進めないと思う。甘くは見てませんが、しっかり勝たないと。RISEが盛り上がっているのでこんなところで止まっていられない」と、ホームリングであるRISEを盛り上げるためにも負けられないとの決意。
今大会にはパッキャオが相手陣営として来場が予定されているのに加えて、先日来日したフロイド・メイウェザー・ジュニアが来場するかもしれないと予告している。そのことを聞くと那須川は「やめてもらいたい。(注目が2人にもいってしまうから)こっちを見ろよって感じです」と苦笑い。また、メイウェザーが日本で開催を計画している格闘技イベント『TMT』に「那須川天心が出てもいい」と発言したことを聞くと、「嫌です」とあっさり拒否した。
ボクシング界の世界的スーパースターが自身と絡むことになったことも含めて、「注目度は上がってきていると思う」と那須川。
「日本人からも世界からもメッセージが来るし、UFCチャンピオンになったアデサニャからもフォローとメッセージが来ました。これを持続させないといけない、というのがある。UFCのダナ・ホワイト代表がインスタに僕の動画を上げてくれたりして世界から注目されている今、より一層盛り上げていかないといけない」と、4月14日(現地時間)にUFC世界ミドル級暫定王者となったイスラエル・アデサニャからもメッセージが来たことを明かし、世界からの注目を集めている今だからこそ気を引き締めたいと語った。
そして、「そういう時の試合の方が難しいのは分かっています。集中して技をしっかりと出して、一瞬で倒せるなら一瞬で倒してもいい。世界中を巻き込んでいい試合をしたいなと思います」と締めくくった。