2020年12月18日(金)東京・後楽園ホール『RISE 144』の前日計量と記者会見が、17日(木)都内にて14:00より行われた。
第6試合のフライ級(-52kg)3分3Rで対戦する、WPMF女子世界フライ級王者・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)は51.9kg、田渕涼香(拳聖塾)は50.35kgでそれぞれ計量をパス。
当初、今大会のメインイベントは初代RISE QUEENフライ級(-52kg)王座決定戦の小林vs陣内まどかが務めることが決まっていたが、陣内の右膝半月板損傷による欠場で中止。代わって2017年第22回全日本少年少女空手道選手権大会(極真会館関西総本部主催)高校生女子軽量級優勝の実績を持つ空手歴17年をベースにした田渕が小林と対戦することになった。田渕は『ACCEL』や『S-BATTLE』などに参戦。プロ戦績は3戦3勝3KOのパーフェクトレコードを更新中の20歳。
伊藤隆RISE代表は「両者やりたかったと思いますが、陣内選手の怪我で残念ながら流れてしまいました。陣内選手、所属ジムと相談して再戦できたらと思います。小林選手は計量をパスしたので不戦勝として暫定王座に認定します」と、小林がRISE女子フライ級暫定王座に認定されたことを発表。
続いて「田渕選手ですが、この選手が今までなぜ注目されなかったと思うくらいパンチとフィジカルが強い。相手を気絶させる非常に強いパンチを持っています。正装が空手衣で武道家らしい雰囲気もあります。非常に見どころがある一戦になると思います」と、田渕を高評価した。
その田渕は会見で「今回RISEに初参戦させていただきます。応援してくれるたくさんの方々に感謝の気持ちをもって全力で戦いたいと思います」と意気込み。
小林は「まず暫定王者ということでベルトを巻くことができたことに対して、悔しい気持ちがないと言ったら嘘になりますが、それでもやはり真のチャンピオンとしてベルトを巻きたいと思っているので、ここで立ち止まっているわけにはいかないとの気持ちが強いです。ですが、ここまで来たのは一人の力じゃない。ここまで来れるまでたくさんの人たちの支えがあったので、自分のこの一個の勝利を捧げたいと思っています」と、複雑な心境と周りへの感謝を述べた。
続けて「正直、陣内選手という凄く強い選手に勝って巻くと意気込んできたことなので、そこがなくなったのは凄く悔しかったんですが、試合ができることに感謝はしています。自分がこのリングに立って勝つことで陣内選手にも試合を見ていて欲しいという気持ちがさらに強くなりました」と、欠場した陣内に試合を見て欲しいとメッセージ。
お互いの印象を聞くと田渕は「小林選手は王者なので私より格上だと思っています。圧力があって技術も高いと思うので、その圧力に負けないように全力で頑張りたいです」と言い、小林は「小さい頃から空手をやっていたのもあるけれど、人を倒すことを3回もしているのでシンプルに強い選手だと思います」とキャリアは浅いながら3KOという戦績を警戒しているようだ。
田渕は「空手で磨いてきた技と気持ちを見ていただきたい」とアピール。小林は「この試合へ向けて新しく挑戦したこともありますが、今までの積み重ねが大事だと今回気づいたので、一から教えてくださった方に教わった技を一個一個丁寧に思い切り全部出しきりたいと思っています」と積み重ねてきたものを全て出したいとした。
また、田渕は「小さい頃から空手を稽古してきたので、空手衣を着て戦いたいと思います」(ルールでは下はOK、上着は禁止)と空手家としての誇りを見せ、「今は空手とキックを両方させていただいています。空手では来年の4月に世界大会を控えているのでそちらで世界一を獲って、キックではRISEのチャンピオンベルトを巻きたいと思っています」との野望を語った。