(C)Manel kape/TDT
2020年12月19日(日本時間20日)、米国ラスベガスの「UFC APEX」にて開催される「UFC Fight Night: Thompson vs. Neal」で予定されていたマネル・ケイプ(アンゴラ)vs. アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)が、パントージャの新型コロナウイルス感染検査陽性反応のため延期となり、現在、ケイプはラスベガス入りし、12月12日(日本時間13日)の「UFC256」メインイベントのUFC世界フライ級選手権試合デイブソン・フィゲイレードvs.ブランドン・モレノのバックアップファイターとして控えている(※【追記】2021年2月6日のUFCでパントージャと対戦)。
本誌は「UFC APEX」にいるケイプにコンタクトし、現在の状況や今後について聞いた。
2度目の試合キャンセルとなったケイプだが、「僕の試合(アレッシャンドリ・パントージャ戦)は相手の新型コロナウイルス感染のためにキャンセルされたけど、僕は前に進んでいるよ」と、前向きに過ごしているという。
もしメインイベントでモレノが欠場となった場合、ケイプはバックアップファイターとして、UFCデビュー戦でいきなり王者と対戦する可能性が出てきたからだ。
「いま僕はタイトル戦のバックアップファイターとしてここにいる。このチャンスをモノにするためには、誰かが食べ過ぎてくれたらいいけど(笑)」と、出場の機会を待っている。
ケイプにとって、UFCでの最大の目標は二階級制覇。第二代RIZINバンタム級王者として、まずはフライ級のベルトを目指している。
「僕のモチベーションは常にナンバーワンであることだ。それが、僕を目覚めさせ、力づけ、なりたいものへと導いていく。もうひとつの世界タイトルを手に入れて、史上最強のMMAファイターになるんだ」
かつて自身がベルトを巻いた日本のリングの動向もチェックしている。拳を交えたライバル同士が大晦日に戦うことも。朝倉海vs.堀口恭司の両者と対戦した唯一の外国人選手(※日本人では扇久保博正が対戦)として、ケイプは大晦日をこう予想する。
「カイ・アサクラは、僕と同じようにこの数年で驚異的な進化を遂げている。キョージが怪我から復帰明けの試合となる現時点では、僕はカイの方がキョージ・ホリグチよりも強いと信じている」
右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の手術を経て、1年4カ月ぶりの再起戦。ケイプはその間、堀口の試合スタイルが研究されている、という。
「僕はキョージのファイトスタイルが好きだけど、今はみんなどうやってキョージを倒すかを知っている。1R目のキョージは素晴らしい。でも今回は怪我明けだ。以降は徐々にゆっくりとなっていくだろう。だから、カイが2R目か3R目でキョージを倒すだろう」と、1年前の大晦日に自身が2R TKOに下した朝倉海が、堀口を中盤以降に下すと予想した。
自身も、UFCデビュー戦が決まらず、コロナ禍のなか1年間をトレーニングに費やしてきた。
「このスポーツのために犠牲にしてきたすべてのことを考えると、ここラスベガスにいることは、僕にとって多くの意味がある。献身、克服、涙、血と汗……長いキャリアの中で費やし、自分が手に入れたすべてのものにとても感謝している」と、バックアップファイターであったとしても、かつてアンゴラで車のヘッドライトのなかで練習を続けてきた時から、ラスベガスで試合を待つ状況になったことに感慨はある。
それは、日本でのキャリアが大きなステップアップになった。
「日本のファンのみんな、僕の強い試合を信じて応援してください。日本が恋しいです。愛してるよ。アリガト!」