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【RIZIN】どうなる!? 朝倉海vs.堀口恭司、日本人で唯一両者と対戦した扇久保博正が予想「今の流れは──」

2020/12/08 18:12
 大晦日、さいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN.26」で「RIZINバンタム級タイトルマッチ」に臨む王者・朝倉海(トライフォース赤坂)と挑戦者・堀口恭司(アメリカントップチーム)。  この両者と日本人で唯一対戦している扇久保博正(パラエストラ松戸)が王座戦の予想を、自身のYouTube「おぎちゃんねる。」にアップした。  堀口恭司とは、2013年3月と2018年7月の2度対戦し、1度目は修斗で2Rにリアネイキドチョークで一本負け。2度目はRIZINで判定で敗れている扇久保。朝倉海とは2020年8月にRIZINで「バンタム級王座決定戦」として戦い、1Rに右アッパーを効かされ、左ヒザでダウン。最後はサッカーキックでTKO負けとなっている。  この海vs.恭司について扇久保は、「楽しみ。お互いにフィニッシュというか、ここぞというときの畳みかけがほかの選手と違う。こっちの息もつかせぬ間にババババッて来るんで。当たればどっちも倒れる。そこからの詰めもお互いにすぐに決めに行くんで、滅茶苦茶、目が離せない試合になると思います」と、期待を寄せる。  両者と直に肌を合わせ「タイプは全然、違う」と言う。  その印象を、「堀口選手の方がやり辛いという感じはありました。どっからでも打ってくる。寝技でも気が抜けない。堀口選手にはたぶん、自分は右フック1発くらいしか当てていない。当てさせてくれるのは海選手かもしれないです。結構、(自分の)蹴りを当てていたんで。朝倉選手はここ(中間距離で)ずっと強い打撃を打ってくるみたいなイメージ」と、対戦相手としては、堀口の方が「戦い辛い」と語る。  そしてスタミナに関しても、「堀口選手の方がスタミナがあるイメージ。海選手は少しだけ最後3ラウンド目とか、疲れているのが多いようなイメージがあります」と、全ラウンドを通じて動きが落ちない堀口に持久力では分があるとした。 「ただ」とそこに扇久保は留保をつける。 [nextpage] 堀口がどこまで回復しているか 「1年半ぶりの復帰戦ですからね」と、堀口の怪我の回復具合を不安要素に挙げる。  堀口は2019年11月7日、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷により全治10カ月の手術を行い、今回が2019年8月の朝倉海戦以来、1年4カ月半ぶりの復帰戦となる。どこまで動きが戻るか。 「前十字(靭帯を)やった人で100パーセントに戻った人ってあんまり近くで(見ない)。みんな100パーセントに戻ってるイメージが無いんで。TUFの決勝で戦ったティム・エリオットも前十字切って手術したけど、以前みたいな動きが出来なくて負けがこんでいる(UFC5勝9敗)んで、100パーセント前みたいな動きは出来ないんじゃないか」と、完全に元に戻るのは難しいのではと懸念する。  それは、「どこからでも打ってくる」という堀口の武器に関わることだ。  打撃面では、「あのパンチの威力、硬さ。一発の重さというか、強さは海選手の方が感じました。それに近い距離でのハンドスピードが凄く速い」と、パンチの強度と近距離に強い朝倉海に対して、「堀口選手はフェイントをかけて、いつくるか分からないような感じで、思いっ切り踏み込んで来る」とタイミングと遠間からの踏み込みが持ち味の堀口の立ち合いになるとした。 「僕も戦ってみて、堀口選手の踏み込みにカウンターを合わせるのってなかなか難しい。フェイントと同じ動作でいつ来るか分からないから。そこに朝倉選手が合わせるのは、かなり勘が良いんだなって感じます。でもあれがまた同じように出来るかって言ったら、そこはまた別の話なんで」と、前戦で短期決戦を望んだ堀口が強引に入ったときの頭が倒れる癖を読んで、右のカウンターを打ち抜いた朝倉が、再戦でも同じことが出来るかは「分からない」という。 「再戦」であることは、初顔合わせと異なり、双方に様々なイメージがインプットされた上での対戦となる。前戦で堀口は1R 68秒、海のカウンターの右ストレートを受けて後退した。その残像は堀口にどんな形で残るのか。 「僕はそこが一番大きいと思う。いくら“全然気にしてない”と言ってても、恐怖心って無意識レベルで絶対にあると思うんで。あの時は思い切り踏み込んで(打撃を)合わせられたので、コンマ何秒か、踏み込みが遅れる可能性は全然あると思います。身体が勝手に、みたいな」と、堀口の踏み込みにも初戦の影響は出ると予想した。 [nextpage] 堀口は飛び込まない方がいい  その上で扇久保は、今回は堀口最大の武器である「飛び込み」を使わない方がいい、という。 「堀口選手に当てるためには、距離が遠いから自分も思いっ切り踏み込まなきゃいけない。(逆に堀口が)踏み込んで来た分、合わせられるし組めるイメージだった。俺は(今回の試合で堀口は)飛び込まない方がいいと思う。ボクシング勝負でも当たると思います。天心と近い距離であんだけ紙一重でやり合ってるから」と、ヒザが100パーセント元の状態には戻らないなか、「新たなスタイル」を予告している堀口に、那須川と戦ったキックボクシングでも行けると後押しした。  前戦は68秒でのKO劇。朝倉が右を効かせてからは、堀口の組みは力が入らず、ヒザ蹴りで剥がされている。あまり語られないが、堀口の組み力は、多くのファイターたちが評価するところだ。  扇久保も、「(組みでは堀口に)分があるんじゃないかなと。堀口選手は凄く力も強いから。ただ朝倉選手も腰が強いって聞く。堀口選手がどういう作戦を立ててくるのか気になります」と、堀口が隠れた武器である組み技を、より混ぜてくる可能性に言及。  一方で、組むためには朝倉と打撃で向き合った上で、強打をもらわずに組む必要があることも語っている。 「打撃もやりながらじゃないと、絶対にテイクダウンは取れない。朝倉選手はガンガン、ボクシングとヒザとかやってくると思う。その中で被弾せずに組んでいければ勝機は見えるんじゃないか。組んでいければ必ずどちらも疲れるし、隙が出てくる。そこでは堀口選手の方が巧い。目もいいし、逆にカウンターで倒しちゃう可能性もある」と、組みで削っていくことで、堀口の打撃も生きてくるという。 [nextpage] お互い打たれ強くはない。待てるかどうか  互いのストロングポイントとウィークポイントを挙げながら、扇久保は試合展開を、「お見合いになる可能性もある」と指摘する。 「堀口選手も慎重になるだろうし、そこであんまり焦れて朝倉選手がガッと強引に雑に行ったりすると、逆に堀口選手が仕留めちゃう可能性もあると思う。お互い打たれ強くはないんで、すぐ終わっちゃう可能性もある」  ポイントは「待つことが出来るか」。 「僕がやった感じでは、堀口選手はあんまり“待てないタイプ”なんじゃないかなと。パンパンパンと(牽制して)やって、やっぱりガッて来る。めちゃめちゃフェイント入れてくるけど、思い切りもいい。変なことは考えず、もう常に倒そうという気でいて、迷いなく行く。インタビューでも言葉に迷いが無いのは、全てポジティブに考えているから。それが試合にもそのまま出ていると思う。そこの部分で前みたいにやっちゃうと(カウンターを)合わせられる可能性もある。そこで我慢できるか」  勝負どころで畳みかける強さとともに、「待つ」ことも出来るのが、いまの朝倉海だ。  かつて、和術慧舟會HEARTSでのプロ練習で海と拳を交えている金原正徳は、「最近の海の安定率の高さは『待つことができる』こと。昇侍戦も打ち合いになったときに、パッと打ち返しを見て右ストレートを入れた。堀口戦のときも当てて詰めて、堀口選手が大きく振ってきたのを待ってヒザ蹴りを入れている。ボクシングをやってテクニックがついて、そういう距離感が出来た。待てれば、彼はキックもパンチもボディも何でもできるから、その反応やスピードに対応できる選手はなかなかいない」と、自身のYouTubeで近年の朝倉の進化を評している。  扇久保も「海選手はイケイケなんですけど、やっぱり次男なんで、ズル賢いというところがあるんじゃないかと。お兄ちゃんの悪いところを見て、自分はここを直そうって。それが試合に出ているんじゃないかなと思います」と、朝倉の臨機応変さが強さとなっていると語る。 「有利不利で言ったら、僕は全然、今回は海選手の方が有利だとは思います。色んなことも含めて。手術とか(来日して2週間の)隔離とかもあるし。勢いとか流れってやっぱり、ほんとうの強さ以外のもので決まる場合があるんですよね。試合結果とか。流れってほんとう大事なんですよね……」という扇久保自身は、11月大会で、期待の新鋭・瀧澤謙太を退け、悪い流れを断ち切っている。 “おぎちゃん”は、2人のライバル同士の対戦の勝敗をいかに予想したか。「おぎちゃんねる。」では、勝者と、その理由が明かされている。
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