2019年4月13日(土)東京・後楽園ホールにて日本キックボクシング連盟主催の「NKB 2019 出陣シリーズVol.2」が開催された。今大会から様々な団体の王者やランカーが8名集ったミドル級トーナメントが開幕。また、メインイベントでは村田裕俊vs櫻木崇浩が組まれた。
▼第7試合 PRIMA GOLD杯 NKBミドル級トーナメントAブロック2 3分3R・延長1R〇清水 武(sbm TVT KICK LAB/初代・第3代WPMFスーパーウェルター級王者)TKO 3R 53秒 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ●郷野聡寛(GRABAKA/第4代全日本キックボクシング連盟ヘビー級王者、2015年英雄伝説72kg級アジア王者)※清水が準決勝へ進出。
PRIDEやUFCで活躍したベテランMMAファイターの郷野がミドル級トーナメントに参戦。郷野は打撃系格闘技にも積極的に参戦し、かつては全日本キックボクシング連盟ヘビー級王座ほかトーナメント優勝を含めて4つのタイトルを獲得している。
対する清水は藤原敏男の弟子で、前へ出続けてひたすら攻撃する藤原イズムを受け継いでいる。
1R、郷野はほぼノーガードのまま下がって回り込み、前に出てくる清水の顔面とボディにパンチを当てていく。清水は離れた状態では郷野を捕まえることができず、組み付いてヒジを打つ。
2Rもノーガードで前に出る清水に顔面とボディへパンチを打つ。清水はローを蹴り、組み付いてのヒジ打ち。清水の左ヒジが強烈にヒットすると郷野はグラつき、そこへ清水がヒジを連打してダウンを奪う。
3R、郷野はパンチを当てに行くが、清水にコーナーへ詰められて左ヒジをもらい、左目上をバックリとカット。見た目にも傷は大きく深く、ドクターチェックでストップがかかり、清水のTKO勝ちとなった。【写真】縦ヒジのカウンターで小原がTKO勝ち
▼第12試合 PRIMA GOLD杯 NKBミドル級トーナメントAブロック1 3分3R・延長1R●西村清吾(TEAM KOK/NKBミドル級王者)TKO 1R23秒 ※左ヒジ打ち〇小原俊之(キング・ムエ/J-NETWORKミドル級3位)※小原が準決勝へ進出。
1R、ローの蹴り合いからスタート。前に出る西村がパンチを打とうとしたところで、小原の左ヒジがカウンターでヒット。西村はダウンし、立ち上がるも足がフラつく。カウントが途中で止められて小原の秒殺TKO勝ちに。西村はストップが速いと抗議したが、判定は覆らなかった。
▼第11試合 PRIMA GOLD杯 NKBミドル級トーナメントBブロック2 3分3R・延長1R〇今野 明(市原ジム/元新日本キックボクシング協会 日本ミドル級1位)判定3-0 ※29-28、29-28、30-28●井原浩之(Studio-K/MAミドル級前王者)※今野が準決勝へ進出。
1R、前に出る井原はミドル&ローを蹴りながらパンチも打っていく。今野は下がりながらも左ボディブローとジャブで応戦し、激しい展開に。
2Rも前に出る井原をパンチで迎え撃つ今野。井原の右ローで足が流れる今野だったが、組み合ってのヒジでカットに成功。ドクターチェック直後には、井原のローに右ストレートを合わせてダウンを奪う。井原はすぐに立ち上がるとガムシャラに猛反撃を開始。
3R、猛反撃を見せる井原だったが、今野は顔面前蹴り、右ストレートで逆転を許さず、判定勝ちで準決勝へ駒を進めた。▼第8試合 PRIMA GOLD杯 NKBミドル級トーナメントBブロック1 3分3R・延長1R〇田村 聖(拳心館/NKBミドル級1位・元王者)TKO 3R 2分27秒 ※セコンドからのタオル投入●吉野健太郎(TEAM COMRADE/J-NETWORKミドル級前王者、J-NETWORKミドル級1位)※田村が準決勝へ進出。
1R、吉野はローと前蹴りを繰り出し、田村が蹴ってくるとパンチを合わせに行く。しかし、田村の強烈な右ローと右フックがヒットし、吉野はたびたび棒立ちになる。
2R序盤、吉野が田村の右フックに右フックを合わせ、田村が明らかなダメージを負う。その後も手数を出す吉野に田村が強い一発を返す展開が続いたが、田村はスタミナ切れの様子。
3R、強烈な右をヒットさせる田村だが、タフな吉野はしつこくヒジとヒザで反撃。吉野がバックスピンエルボーを繰り出すと場内から歓声が沸き起こる。苦戦する田村だったが、首相撲から顔面にヒザを突き上げると吉野がグラつき、そこへ田村がパンチのラッシュ。最後は右フックでなぎ倒し、吉野は立ち上がることができず、セコンドからタオルが投入された。
▼第13試合 59kg契約 3分5R●櫻木崇浩(武勇会/NNOVATIONフェザー級前王者・INNOVATIONフェザー級1位)判定3-0 ※50-47、50-46、50-46〇村田裕俊(八王子FSG/NKBフェザー級3位・第13代王者)
村田は何度もタイへ渡り、ムエタイの本場で練習と試合を積んだ。2017年2月には『KNOCK OUT』に初参戦して森井洋介と引き分け、一気に名をあげたがその後はなんと5連敗。一時は引退も考えたというが、ホームリングでの再起戦に臨んだ。
対戦相手の櫻木は、香川県高松市の廣田八幡神社で神主を務めている異色のキックボクサー。筋骨隆々の肉体からパワフルなパンチとローキックを放つが、こちらも5連敗中でもう後がない。
1R、パワフルなパンチ&ローで序盤から攻めの姿勢を見せる櫻木に、村田は左ミドルとしつこい首相撲で対抗。場内には大応援団からの村田コールが沸き起こる。
2Rも村田はしつこい首相撲。中盤からは左ミドルを連打し、パンチも当て始める。さらにヒザ蹴りを突き刺す。櫻木は右目上をカットされて流血し、ドクターチェックを受ける。櫻木は左右フックを繰り出すが、村田の首相撲に動きを封じられる。
3Rは大きな展開なく終わると思われたが、ラスト30秒で村田がパンチを連続ヒットさせた。4R、前へ出る櫻木に村田のヒザ、ヒジが連続ヒット。さらにパンチも櫻木をとらえ始める。櫻木は前へ出るがヒザを合わせられてしまう。
5Rは村田が一気に前へ出る。左ミドルからパンチを連続ヒットさせ、櫻木を追い回す形に。終盤にはヒジ打ちをヒットさせてからのパンチ連打でついにダウンを奪う。村田は追撃の手を緩めず、判定勝ちでついに連敗から脱出した。
「最高です。2年間ずっと勝てなくて、毎回次は勝ってと言われて心苦しかったんですが、2年ぶりに勝てて本当に嬉しいです。厳しい相手が多くてなかなか勝てなかったんですが、諦めないでここに立っているということは頑張ったということなのかなと思います」と、村田は勝利者インタビューに答えた。
▼第10試合 63kg契約 3分3R〇大月晴明(マスクマンズ/第3代Krush-60kg級王者元全日本ライト級王者)判定3-0 ※30-28、30-27、30-27●野村怜央(TEAM-KOK/NKBライト級4位)
“爆腕”大月にNKBランカーの野村が挑んだ。
1R、ローを蹴る野村に大月は左右に構えを変えながら顔面とボディへ強打を叩きつけていく。大月のボディに野村はダメージを感じさせるが、ローとミドルで後半に反撃。 2R、ローの蹴り合いをしながらボディをめり込ませていく大月。しかし、野村の右フックをもらってグラつく場面も。立て直した大月は再びローと顔面&ボディへパンチを打っていくが、野村も応戦。
3Rも大月は強烈なパンチを顔面とボディにヒットさせ、強いローも蹴るが野村はタフだ。打たれながらも打ち返してくる野村に大月も連打で応戦。最後まで倒しに行った大月だったが、KOは逃し判定勝ちとなった。
▼第9試合 62kg契約 3分3R●まさきラジャサクレック(ラジャサクレック・ムエタイジム/J-NETWORKライト級王者)判定3-0 ※三者とも29-28〇棚橋賢二郎(拳心館/NKBライト級1位)
1R、サウスポーから左ミドルを蹴るまさきに、棚橋は左右フックをブンブンと振り回して前へ出る。2人の距離が合わず組み合う展開も多い。
2Rになるとまさきがパンチも当て始めて優勢となったが、ラウンド終了間際に組んできたまさきに棚橋の右フックが直撃。ダウンを奪う。
3Rになるとまさきがスーパーマンパンチ、ヒザ蹴り、パンチと反撃するが、判定3-0で棚橋の勝利となった。
▼第6試合 ウェルター級 3分3R△笹谷 淳(TEAM COMRADE/元J-NETWORKウエルター級・スーパーウエルター級王者)ドロー 判定1-0 ※30-29、29-29、30-30△宮城寛克(赤雲會/TENKAICHIウエルター級王者TENKAICHIミドル級王者)
1Rから宮城はプレッシャーをかけて前へ出て、笹原の蹴りにパンチを合わせてに行く。サウスポーの笹谷はローからヒジを狙うも下がり気味。3Rになると笹原がヒジとパンチで勝負をかけ、ドローに持ち込んだ。
▼第5試合 バンタム級 3分3R〇海老原竜二(神武館/NKBバンタム級5位)負傷判定 判定2-0 ※29-28、28-28、29-27●志門(テツ)
▼第4試合 バンタム級 3分3R〇古瀬 翔(ケーアクティブ)KO 1R 2分45秒 ※右ストレート→3ノックダウン●ノーマーシー・カズ(テツ)
▼第3試合 63.5kg契約 3分3R●洋介(渡邉)KO 1R 1分56秒 ※左ヒジ打ち→3ノックダウン〇野崎元気(誠真ジム)
▼第2試合 58.5kg契約 3分3R〇山本太一(ケーアクティブ)KO 2R 1分05秒 ※左ストレート●将栄(Team ImmortaL)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R●たいすけ(ケーアクティブ)KO 1R 2分00秒 ※飛びヒザ蹴り→3ノックダウン〇DAIKI(渡邉)