ONE Championshipが、12月4日(金)と18日(金)にシンガポール・インドアスタジアムにて、250人の「スーパーファンチケット」購入者限定の有観客&配信大会を開催する。
4日大会の「ONE: BIG BANG」では、日本から松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)が参戦。ゲイリー・トノン(米国)と対戦する。
松嶋は、2019年8月のマニラ大会でフェザー級王者マーティン・ニューイェンに挑戦し、2R TKO負けも、2020年2月のジャカルタ大会では、無観客ではなくまだ観客のいる目前で、韓国のキム・ジェウンを3R TKOに下し、再起を果たしている。
松嶋にとって10カ月ぶりの試合となる今回の対戦相手トノンは、最先端グラップリングを志向するヘンゾ・グレイシー&ジョン・ダナハーを師に持つグラップラー。
グラップリングでは、「ADCC2013」で松嶋が所属するパンクラスイズム横浜代表の北岡悟にチョークで一本勝ち、2017年のONEでのケージグラップリングでは青木真也にもヒールフックで一本勝ちしている寝技師だ。
MMAデビューは2018年。テイクダウンからマウント&パウンドをフィニッシュにするなど、グラップリングのポジショニングをTKO勝ちに結びつけて連勝。2019年5月には中原由貴を55秒、外ヒールで極めるなど足関節・絞めと、MMAの中でも極めの強さは健在だ。コロナ期間中もグラップリング大会には出場を続けており、2020年7月の「Who's 01」ではダンテ・レオンに判定勝ちしている。
かねてから松嶋は、「タイトルマッチをもう一度目指す上で、ゲイリー・トノンとタン・リーは避けては通れない相手」と公言しており、今回のトノン戦の決定に、公式インタビューで、「トノン選手が誰かともう一戦くらいするかな、と思っていましたので、このコロナの大変な時期に、このタイミングで戦えるのはありがたいことだと思っています。このオファーが来た時は嬉しく思ったし、しっかり倒したいと思います」と意気込みを語っている。
また、MMAファイターとしてのトノンについては「グラップリングのスペシャリストというのは間違いがないけど、その自信があるからこそ、立ち技でもしっかり展開を組める選手でオールラウンダーの選手だと思って準備をしています」という。
さらに、最大の注意点を足関節といい、「中原由貴選手との試合で、今まで隠していた世界一の武器である足関節を一気に出してきた感じがしたので、今回僕とやるにあたっても狙ってくると想定して、触られたらやられる、という危機感を持って不用意に取られないよう、今成正和選手や岩本健汰選手と練習し、しっかり対策はできたかなと思っている」と、対策を練ってきたことを明かしている。
優位な点はスタンドでの打撃。「スタンドでの立ち合いの距離感的には、僕の方が攻撃が当てられる距離で戦えるのではないかと思っています。トノン選手はパンチでもダウンを取っていますが、短い距離のパンチが目立っているので、その辺だとたぶん僕はもらわないのではないかと。トノン選手がオーソドックスからサウスポーにスイッチしながら攻撃を仕掛けてくるときがあり、その切り替えたところに自分の攻撃を当てて、どんどんダメージを与えていけたらと思っています。相手が疲れたところ、ダメージを追ったところを逃さずにKOしたいです」と、相手を牽制するかのようにゲームプランのひとつを明かしている。
「トノン選手は、フェザー級の中で特別な強さを持った選手だと思っているかもしれませんが、僕がその幻想を覆すような試合をするのでぜひご覧になってください」──MMA12勝4敗の松嶋は、MMA5勝無敗のトノンを等身大でとらえることが出来ているようだ。
トノンの前戦・中原戦でのシングルレッグからの引き込み後転での外掛けヒールはセットアップがスピーディーだが、相手のエスケープからのトランジション。トノンはリチャード・コーミナル戦でスクランブルからの立ち上がりも許している。打撃に加えレスリングも強い松嶋は、トノンのグラップリングレスリングをしっかり断ち切ることが出来るか。勝者はフェザー級王座挑戦に大きく前進することになる。
また同大会では、ヘビー級で元RIZINファイターのアミール・アリアックバリ(イラン)が、イスラム・アバソフ(ロシア)と対戦する。
現在の32歳のアリアックバリは、2010年のレスリング世界選手権モスクワ大会・グレコローマン96kg級優勝者。現在32歳でMMA10勝1敗のアリアックバリの唯一の黒星は、2016年の大晦日の「RIZIN無差別級トーナメント決勝」でミルコ・クロコップに1R KO負けした試合。以降、ACB・ACAを経て、ONEデビュー戦に臨む。
対するアバソフもレスリングがバックボーン。RIZINライト級GP王者のトフィック・ムサエフと同じアゼルバイジャン出身で、2019年のレスリング欧州選手権では、グレコローマン87kg級で準優勝となるなど高い身体能力を誇る。MMAでも6勝無敗で、これまでロシアやキルギスの大会で、厚い上半身を活かしたハンマーパンチを武器に、全試合をKO・TKOに下しているフィニッシャーだ。
大物アスリート同士の対戦は、両者ともにONEデビュー戦となる。
また、フライ級ではカイラット・アクメトフ(カザフスタン/3位)とダニー・キンガド(フィリピン/2位)によるトップランカー対決も決定。
ONEキックボクシング・フェザー級では、マラット・グレゴリアン(アルメニア/ベルギー)vs.イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)も行われる。コンドラチェフは2019年ロシア75kg王者。
グレゴリアンは、2015年のK-1 WORLD GP -70kg王者。1回戦で山崎陽一、準決勝で牧平圭太、決勝でジョーダン・ピケオーにKO勝ちと、3試合連続KO勝ちで優勝を果たしている。2018年2月には、Kunlun Fight 69 - World MAX 2017の準決勝でジニアス・ズエフに判定勝ち、決勝でスーパーボーン・バンチャメークにKO勝ちして優勝した。そして、2019年5月「Glory 65」において、シッティチャイ・シッソンピーノンと5度目の対戦。グレゴリアンが判定勝ちでライト級王座を獲得している。
ONE: BIG BANG 12月4日(金)シンガポール
▼ONEキックボクシング・ライトヘビー級選手権試合 3分5Rローマン・クリークリャ (ウクライナ/王者)ムラト・アイグン(トルコ/オランダ/挑戦者)
▼フェザー級 5分3R松嶋こよみ (日本/パンクラスイズム横浜/3位)ゲイリー・トノン(米国/5位)
▼ONEキックボクシング フェザー級マラット・グレゴリアン(アルメニア/ベルギー)イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
▼フライ級 5分3Rカイラット・アクメトフ(カザフスタン/3位)ダニー・キンガド(フィリピン/2位)
▼ヘビー級 5分3Rアミール・アリアックバリ(イラン)イスラム・アバソフ(ロシア)
▼アトム級 5分3Rリトゥ・フォガット(インド)ジョマリー・トーレス(フィリピン)
ONE: COLLISION COURSE 12月18日(金)シンガポール
▼ONEムエタイ・バンタム級選手権試合 3分5Rノンオー・ガイヤーンハーダオ (タイ/王者)ロートレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ/2位)
▼ライト級 5分3Rマラット・ガフロフ(ロシア)ローウェン・タイナネス(米国)
▼バンタム級 5分3Rユサップ・サーデュラエフ(ロシア)トロイ・ウォーゼン(米国)
▼ライト級 5分3Rアミール・カーン(シンガポール)パク・デソン(韓国)
▼フライ級 5分3Rチャン・ロタナ(カンボジア)シェ・ウェイ(中国)
▼ウェルター級 5分3Rレイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)エドソン・マルケス(ブラジル)